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第8話その10『ユミ先生と原罪:ラジカリスト』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『光を探す』気持ちで読んでください!


 少し深呼吸をしながら状況を整理する。

おそらく敵はこの一部隊全員、おそらくリギョクの信仰者スパイだ。

単独犯じゃなく、仲間割れしてるわけじゃない部隊一つ全員が信仰者スパイのはずだ。じゃなきゃ『入り口だけの銃跡』に説明がつかない!

ここから推理するに敵の数は大体5名、部屋中央に陣取っている!

部屋の奥に俺、ソライ、ユミ、入り口にニッちゃんとハナビ、敵に近いのはユウジと同僚だ。

元カジノ組の状況を見ようにも遮蔽物でどうなっているのかよくわからない…。



「サイムッ!どうするッッ!」

 ソライが声を荒げる。それもそうだ銃撃の音で近くにいても声が掻き消える。つまり銃撃音で向こうとのコミュニケーションが取れない…。

「何とかして向こうの状況を見れれば…。」

 俺がそうぼやくとユミが、俺の半袖を引っ張る。

「これ…。」

「?」

 ユミが持っているものはありきたりだが、化粧とかで使うコンパクトの小さい鏡だった。

さすがモデル並みのスタイルの良さを誇っているだけのことはあるな…。いいものを持ち歩ているぜ…。

「サンキュ。」





 ユミの鏡を使い敵の位置を確認する。

位置的に後ろの遮蔽物を狙っているのは2人。

入口は1人だがニッちゃんが扉を閉めたらしい。銃弾を放っていない。

…同僚とユウジは入口に近い位置のロッカー?らしきものの位置にいるな…。そして敵はじりじりと俺達の方向へと詰め寄っている…。

「……ソライ、ユミ、少し協力してくれ…。」

「なにかしら?」

「ソライは俺が合図したら指の指す方向へツッコめ。」

「了解!」

「そしてユミ…。このコンパクト…ごめん。最後は任せた。」

「え?」









「ウラァアアッ!!」

 俺はユミが驚く間もなく。コンパクトをキャッチボールの要領で入口の敵へと投擲する!

銃撃からくるコンパクトの反射光が、周囲を覆い、入口にいる人物のヘルメットへぶち当たる。

「ソライっ!」

「あいよおおおーーー!!」

 俺が指さす方向は全ての敵の間!だいたい『部屋の真ん中』!



 ソライはお得意の猛ダッシュで真ん中へと行き、ユウジを狙っている敵へ蹴りを入れるッ!

俺は俺達へと向かっている敵に肘鉄を喰らわせるッ!

「動くなッ!」「知るかッ!」

俺とソライが動き出すと同時に、入口の敵が銃口をこちらへと向ける…。

計算通りにッ!





 それを待っていたと言わんばかりに入口の扉が開き。

「雷撃ッ!」「鉄拳制裁ッ!」

「うわああああ あ あ あ あ!!」

 ニッちゃんたちが、しびれさせながら強力な打撃を喰らわせる!

修業したあとに女子たちが互いに、コンビを組んだらどうなるのかっていう話題をこっそりとしていたってことを俺は知っているんだぜ。

そして室内戦や野外戦とかの状況に対応しようとニッちゃんはメモしていたって、朝早く起きた時にちらっと見ていたんだ!やってくれると思ったよ!





 ユウジ達の方へ向かっていたもう一人の信仰者スパイが銃のトリガーに指をかけようとする

「くそ!罪に落ちろッ!」

 が…。それと同時にユウジと同僚がロッカーを蹴り上げて、ぶつける。

「「お前がなッ!!」」

「ぐぉぅッ!」

 そしてユウジは同僚から渡されていたであろう手錠を、ロッカーをぶつけた人物とソライが殴りつけた人物へ同僚と二人係で手にはめる。



「オラァッ!!」

 それをしているのをよそ眼に俺は自分たちを、狙っていた人物へアッパーカットをかますッ!!

「サイムさんッ!後ろッ!」

 ニッちゃんの言葉で後ろを見るとすでに銃を構えている敵がいた。

そうだ…俺達を狙っていた人物は二人ッ!

入り口側の敵が一人、ニッちゃんとハナビによって倒されて

ソライとユウジ、同僚が元カジノ組を狙っていた二人を倒して

最後の一人が俺の後ろの人物、明らかに俺が手薄だ。

狙うのも無理はない…。



 だから…最後は任せたんだ。

「どりゃあっ!」

「ぁッ…」

「ユミッ!ナイス!」

 ユミは最後の信仰者スパイの背後にずっといた。背後から現れたユミはハイキックを信仰者スパイきゅうしょへ向けて放つ!

最初に俺が、いきなり奇襲を仕掛けた時点で相手は混乱する。もしプロならもっとも手薄な俺を狙い意識をするだろう。その瞬間なら戦闘経験が不明なユミでも叩きのめせる!

そう踏んだんだ。

「護身術くらい、あたしでもできるわよ。女は強くなくっちゃあね!」

 モデル並みの肉体だ。さすがに護身術くらいの心得はあったらしい。



「現行犯逮捕!」

「戦闘完遂だ。」








 そう俺と同僚が言った時入口から声がした。

「それは…ちょっと違うのよ。」





▽▽▽▽▽▽▽▽





挿絵(By みてみん)



「皆さん!あそこを見てください!誰かいます!」

「あのツインテールは…3021姉さん!?」

 そこにいたのは暗くてよくわからないが猫のような仮面に、ツインテのかわいらしい学生服のような姿を来たロボットが壁にもたれてたたずんでいた。

俺達は部屋の中央へ移動しながらロボットを見据える。



▽▽▽▽▽▽▽▽



「…」

「3021姉さん!私です3066号です。今はハナビって呼ばれています!」

「3021号!私のこと覚えてる?ユミよ!」

 二人の言葉にゆっくりと冷徹な声でロボットは答える。

「…3066号久しぶりなのよ。研究所を逃げた時以来なのよ。」

「3021号…どこに行っていたの?あたし心配で…。」

 ユミが声を震わせて尋ねるが…。それに対して微動だとせず。



「…天先由美、お前の質問に答える道理などない。」

「どうしたの3021号、前まではユミ先生って言ったじゃない。」

「うるさいのよ。」

「ッ」

 わかりやすく突っぱねる3021号。

ユミは今にも泣きだしそうにすごく悲しそうな顔だ。





「3066号、ウチと来るのよ。ウチとやり直すのよ。」

「嫌です。今のお姉ちゃんとはやり直せません。」

「そう言うと思ったのよ。交渉は決裂。

ならば排除せよというのが、《あのお方》からのお達しなのよ。」

「………お姉ちゃんと本当に争わなくてはいけないの?」

「お前がこっちに来ればそうはならないのよ。」

「お姉ちゃん、お願いだから、もうこんなことやめて…」

「それは無理な相談のよ。」

 まずいな…。この状況下…戦闘しようにも躊躇があるとみんなの命に係わる…。

メンタル面で戦闘が左右したらまずい!どうすれば…。



「……なぁ、僕さ思ったんだけどさ。」

「どしたソライ?」

 こいつも感じ取ったか……。状況のやばさをソライが神妙な面持ちで語るなんて…。

「なんでツインテのくせして、ツンデレキャラじゃないんだよォ!」

「それはテメェの好みの話だァ!!シリアスの空気をぶち壊すんじゃねぇ!!」

 俺はソライをぶん殴る。なにがツインテ=ツンデレだッ!この馬鹿ッ!

「まったく、ツインテは甘えんぼキャラだろォが!!」

「サイムさん…それはあなたの好みです!!

あなたもシリアスな空気を壊してどーするんですかあああああ!!」

「へぶしっ!?」

 俺はニッちゃんにぶん殴られる。

「おい、お前らの性癖の暴露のし合いをしてる場合じゃねーっての!」

 …そういうユウジも笑ってんじゃねーか…。





 ユミは突然の場の空気にきょとんとしている…。

が、これでいい。ナイスだソライ。

躊躇や不安てのは馬鹿なことでもしてリセットすればいい!

たとえ場の流れが最悪でも、それを切り崩してでも進んでいくのが俺達だッ!

「話は終わりか?先へ行かせてもらうぞ。ではただいまより公務執行妨害……

いや、元同僚ユウジに立ちはだかるものとして、そこのロボットを逮捕する!」

「かかってこい。ザコ共。」





 同僚が3021号に銃弾を2、3発浴びせる。銃弾は3021号のボディへ命中する。




「私にはきかないのよ。」

 銃弾はまったくきかず、相手はこちらを見据え、左手の四本の巨大な指を向ける。指…正確には手か?まるで鳥の羽のような腕だ。猫のような顔と相まって一見すると、何か別の動物のようにも感じる。

「ぐぁ!」

 指からとどろく雷光が放たれる。が、同僚と俺達は屈み何とかよける。





「安心するのよ電撃銃なのよ。」

「どういうことだ?銃弾は当たっているはずなのに!?」

「種明しをしてあげるのよ。私のボディは鋼よりも固いレイニウム合金でできているのよ。

たかが拳銃ごとき、私のボディに傷をつけることさえできないのよ。」

 これがハナビの言っていた『とても固い』って意味か!

実弾だぞ!どんだけ固い合金だって話だよッ…!



「ぐっ!ならば接近戦はどうかな!?おりゃああああああああああああああ」

 同僚はとっさに接敵し柔道とかでよく見る一本背負いの態勢を取る!

さすが警察ッ!頼りになるぜッ!



 だがッ!ここで俺はろくでもないことを思い出す…。

ハナビたちロボットは…悪いが、見た目の割に『スーパーヘビー』な体重だってことを…。

目の前の少女も、どうあがいても腕をつかんで、それ以上身体が上がらない!

「私に勝てるというなら。それは慢心と思い上がりのよ。」

「ぐあああああああああ!!」

「!!?」

 同僚が突然、電撃を受けているッ!?

どういうことだ、指先から電撃は発せられているようには見えないぞッ!







「サイム、尾尻だ!」

 ユウジの指摘で分かった。

あいつから生えている尻尾のような物から電撃が出てるんだ。同僚が倒れこむ。

「く、くそが。」

「同僚ッ!大丈夫かッ!!?」

 まるで黒焦げだ…。息はしているらしく胸の動きから呼吸をしているのがわかるが…

瀕死の重体だ…。

「なんてこった…。」







「そういえば、自己紹介して無かったのよ。ウチは、ゲジ。

銃撃のゲジ。」

「自己紹介とは…真面目タイプか?そういう真面目な女はオレは好みだぜ。」

「それはどうも。さてとそれでは殺し合いましょうか。」

「みんな、ここはお師匠様によって武器発生妨害電波は解除されているわ。」

「武器が使えるってことだな。」

「そういう事…でも、できるだけあの子を傷つけないであげて。」

「うん。私だってお姉ちゃんを傷つけたくないもん!」

「……『排除』するのよ!」

 ゲジからガスマスクが出て尻尾が攻撃的な銃型の武器へと変わる。







「「「「ガジェットギア・セット!」」」」

 歯車が武器に変形しだす。

二連続の戦闘……残りのスタミナ的にもきつい…それに相手は、鉄壁の防御力を誇る敵、ゲジ。

部屋の中だから俺の六甲のような技は使えないしなぁ。

さらにソライやニッちゃんの近距離攻撃はあの尻尾をよけて戦わなきゃいけない。

そしてユウジやハナビのような遠距離中、距離攻撃もレイニウム合金とやらでまったく効かない。

どうするか…。


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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~

~『非常な魔術師』は異様な笑い方をするぞ!~

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