第三章_夕日の前置き//インタールード98//
※この『物語』は『98』です。
※それなりに『光を探す』気持ちで読んでください!
第三章【心が揺れ動く物語:暗雲都市、貴様こそが悪というのだ!編】
「ふふふーふーんー♪」
――私は、いつも通り読み続けている本を読む。
音楽プレイヤーには、誰かが集めた誰かのきれいな声が聞こえて、それをききながら文章を読む。
正確には読みつくした、やや稚拙な文章。とも言えよう。
上機嫌で寝そべりながら、いつも通り、この章を読む。
昔、大切な人が書いた文章。
この本は実は二種類ある。同じストーリーだけど。
一つは【あっち】、一つは『こっち』。
私は両方の本を持っている。
どちらも大切な人たちのために書いた本だ。
ちょっとでも笑顔になればいい。ちょっとでもいいから伝わってほしいって。
二人とも一生懸命書いた。その本。
その本を【とある人物】が、友達への手紙に託した言葉…。
その思いをタイトルは互いに違っても。忘れちゃあだめだから。
頑張って書いたんだって。
私はそれを知っている。
…まだいろいろと、不安定だけど。
彼らはここまで書いたんだ。
その先にある願いと感情を私は知っている。
彼らもこの章で大切なことを知りはじめる。
なぜならあの進行度の一つを
『彼』は越えてしまったのだから、知らなくてはならないの。
この物語…
いや、私にとっても、彼らにとっても。
そして…。
「あなたも大切なことを少しずつ知り始めるんだ。
少しずつ、ゆっくりだけど歯車はゆっくりと廻るんだよ。
未来へ向かって。」
…きっと、彼ならこういっただろう。
……きっとね。
…?
私がだれかって?
本名はまだ秘密だよ。
でも
あえていうなら、【最愛】の系譜。家族曰く一番特別な特異点。
【98-ラスト・イヴ-】の少女ってとこかな?
あなたと同じ【読者】であり、『登場人物』と言う感じでもある。
あ、ごめんね。深く考えなくていいから。
【今】は、まだいいよ。まだ章が始まったばかりだから。
…大丈夫、突然こんなことを読ませてごめんね。
…
「でも…でもね…。
あなたも私もきっと考えなければならない時が来る。
いつかは考えなければならない時がね…。
それの始まりはきっと『この第三章』なんだよ。」
しおりを挟み、少し本を閉じてタイトルを見る。
「【ノヴァ・アージ】
この物語のタイトル。
その言葉の意味は、ラテン語で直訳すると【新しい・衝動】。
………果たして新しい衝動という意味は
【読者】にとってどう捉えられるのかな?
『彼ら』にとってどういうものなのか?
きっと【今】のあなたたちにとって【無名である物語】が引き起こす衝動は
【互いの世界】の歯車をまわしていくんだよ。
それが『この第三章』から始まるの。だから目をよく開けて。
この章がなければ私はきっと存在さえしていない。
だから私にとって、とても大切なこと。」
私は少し寝そべっていた身体を起こして
少し、歩き頑丈なかなり古い机へ行き。音楽を消す。
この机の縁には少しだけ何かをこすったような跡があり、それがどこかたまらなく好きだ。
古い机だが、まだまだ頑丈で塗装は少しはがれていても、まだ壊れてない。
ちょっとお行儀が悪いけど机へと寄りかかるように軽く腰掛ける。
私は自身のオレンジと青色が混ざった左目と
黒色の右目のオッドアイで【読者】を見つめて
少し仰々しく語りかけます。
誰かにそっくりな声と
誰かにそっくりな口調をまねて。
「それじゃあ行きましょう。あなたはこの章が終わりを告げるとき真実の一端を知り
もっとも儚くも残酷で、『善』でも《悪》でもない【この物語】の【真の入口】へたどりつくでしょう。
これが『武山才無』と絆で結ばれた心を持つ者たち。
そしてあの場所に確かにいた七人目の仲間が歩みだす、冒険の本当の始まりなのです。」
――もし、【彼ら】そして【今、語り掛けている読者のあなた】へ願うなら、この繋がりがずっと、いつまでも。どうか、その執着を、普遍と異常が積み重なっていくこの物語にある、かけがえのない日々を歩んでいって…。
そう、私は【ここ】から【願って】います!
☆☆☆☆☆☆☆☆
――そして私は窓に映る夕日を見て、おやつのチョコチップクッキーを少しかじる。
ご飯のことを考えて、夕日がきらめいていく。
今日も素晴らしい日を生きていけるのだ。
今日の晩御飯はお鍋がいいな。
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