第7話その2『変化し続けるもの:変貌』
※この『物語』は『フィクション』です。
※それなりに『意味不明な』気持ちで読んでください!
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新アズマガサ
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「さてと…ユウジここらへんなんだよな。」
「ああ、ここいらだ。間違いない。カジノに監禁される前に来たことがある。」
――俺達はあのあと『謎物体』と『暗躍する影』の正体を探るべく手紙の送り場所の住所へ向かうことになった。
だがタマシイに送られた『暗躍する影20210724_aa150』と
マチルダさんに送られた『暗躍する影20210727_bb060』は別々の住所から送られており下手したら別々の人物。あるいはどちらかが偽物であると考え、万歳、武山、両社が別々の場所を調べ分担することになった。
「なんだか、ここは閑静な住宅で、なんだかきれいだな…。」
「ああ、ここは『新アズマガサ』っていうところでな。
『超特急』っていう都市間をつなぐとんでもない列車があるせいで、『玄関』だけは見栄えをよくしようっていう魂胆のせいで、かなりきれいな街なんだ。」
「へー☆、そーなんだー☆」
「とにかく、ここいら一帯を探そう。何か目撃情報があるかもしれないから。
ソライとニッちゃん、ユウジは聞き込み、ハナビ、俺で周囲を散策してみる。」
「意義アリ!僕とハナビちゃんが一緒にいないのは駄目だと思います!」
「一緒にいる方がダメに決まってんだろ。
分析能力があるハナビが居てくれなきゃ俺らが困るんだよ。」
「…チっ!こういう時だけの判断は何で的確なんだよ…。」
舌打ちすな、ロリコン。
「じゃあサイムについていくことにするー☆」
「わかった。」
こうして『3人一組』でチームを組み『MCS』を追うことになった。
主観変更side_ユウジ
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ニッちゃん、ソライ、そしてオレ。3人で駅近くの…を歩く。
「ソライ、ちょいといいか?」
「なんだよ…?」
ソライのアホはハナビと離れたせいか。
ずいぶんと落ち込んでいるようだ……まったく子供好きがこうも悪化しているなんてな…。
「いいか、ここら辺は危険なモンスターなんていない、ただの住宅街だ。
安易に話をしたら余計な不安を与えることになるし、ここいらの住民は噂好きだ。
次の住民に聞くとさっき話したMCSの話題に、尾ひれをつけて
次の住民が話していることなんてざらにある。
つまり自分で蒔いた話題の種との『いたちごっこ』になってしまう可能性がある。」
「つまりMCSの話題を一切出さずに、MCSを聞き出すってことか?」
「そうだ。そして妙な噂を一切聞き逃さなければいい。あとはオレが考える。」
ソライは親指を立て笑う。
「わかった。まぁ任せてみそ。
その代わり、ハナビちゃんに僕が『かっこよかった!』って伝えておいてくれ!」
「あー結局、そうなんですね…。」
「昔からあんな感じだ。」
あいつは少女の前ではかっこをつける、ただのバカだ。
「よし!ソライいっきまーーーす!」
まるで、色鉛筆風の絵のように駆け出して行った。
意気揚々と住宅地の井戸端会議へと…。なんかそれっぽい表情をしつつ。
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――数十分後
「”む”り”で”すぅ~…ご”べ”ん”な”さ”い~~…」
「ちょっとなんなのよー!あーたー!」
「そーよー!」
「おちついてくださいぃぃ~~~!ユウジィイイイイイ!!助けてぇえええ!!」
あーーーやっぱ無理だったか。近辺の最強生物『大傘のおばちゃん』の相手は…
地元じゃないから強く当たりづらいだろうし、小手先のテクが得意なソライとの相性はおそらく最悪だ。
はぁ…あんまりこういうことを対処するのは嫌なんだが…
「こほん!失礼、マダムどうされました?」
オレは精一杯の笑顔でおばちゃんたちを対処する。
こう見えて顔とカジノでやった接客には自信があるんだ!
精一杯のイケメンボイスと、長年仕えた執事のように、優しい表情を浮かべて。
「「あら!いい男ぉ~~!」」
「いえいえ、トンデモありません。マダム。少々伺いたいことがありまして~。」
「きいてきいて~なんでもおしえちゃうぅ~。」
「あたしのスリーサイズかしら~?」
んなもの聞きたくねぇよ…。オレの守備範囲は17~30歳だ。
「実は我が家に奇妙なことが起こりましてね。庭の芝が荒らされていたんですよ。
野良犬だと思っているのです。被害を止めるためにも、何か情報はありませんか?」
嘘でも、出会うのはこれっきりだしな。問題ないだろう。
「わたしはしらないわぁ~~。そもそも動物がペットですらいないもの~~。」
「そんなことあったら、ここら辺で噂になっているはずよぉ~~ん。」
「なるほど…。ご協力ありがとうございました!それでは…」
「あら、あとで『駅の湖』でも見に行きましょぉ~よぉ~。」
「ねぇ、ちょっとせめて連絡先…」
「いえ、結構ですのでッ!」
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おばちゃんなどにつかまってたまるか!と言わんばかりの勢いでオレはその場を去る。
「ふん!どうだい!こういうのはこうやるんだよ。
……ってなんだよ二人とも、その顔…。」
見るからに二人とも『しれーん…』としたジト目な表情で俺を見つめる。
「ほんと、こういう風なことをしているから、お前はモテないんだよ。」
「ユウジさんは嘘つきで(女性にとって)悪い人ですね。」
「罪な男だよ。」
「ええ、初めてその言葉の意味が如実にわかりました。」
え、な、何この反応…。な、何か冷や汗というか、罪悪感的なものが出てくる。
い、いったん情報を持って帰ろうと来た道を戻りながら考えを整理する…
「ま、まぁさ!…何もわからないことが分かった!これは大きな収穫だ。」
「つまり、『住宅地にはいない』ってことですね。」
「じゃあ、ここは外れの可能性が高いってことだね。当たりはタマシイたちの方か…。」
ソライやニッちゃんの言う通り、ここにはMCSはいない。
暗躍する影という人物はわからないが、おそらく住宅地にはいないとみていいだろうと思う。
「他にいそうな場所は『超特急の駅』くらいだ。オレも行ったことがある、かなり広い。」
「じゃあサイムたちと合流したほうがいいかもだね。」
「ですね。」
「とりあえず、サイムたちにこの情報を持って帰ろうぜ!」
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――そして合流地点へ向かう中、道行く人々を見ていると思いがけないものが目に入る。
「ふぉう!」
思わず変な声を出してしまったが。
道を歩いていると、目の前にいい感じの黒髪ロングヘアーの
女 子 大 生 ! 発 見 !
「どうしました?」
「(早口)い、いや~~情報は確実なものにしなくちゃだね!さぁ~~~てと!オレはちょっとあそこの女子大生に話を聞いてより一層いい情報を仕入れてくるのぜ!
じゃ!!」
ジト目な二人を無視しつつ、やや早口で語たり、オレは猪突猛進といった感じで鼻息を荒くして女子大生へと突撃し話をする。
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――数十秒後……。
スパァアアンッ!!と平手打ちのダイレクトな音とともに。
夢の時間が終了を告げる。
俺に二人は呆れて。
「無理でした…。胸ばかり見ててキモいって…。」
「「あたりまえ」でしょう。」
「だって大きかったんだもん。男なら見ちゃうって…。」
「地獄に落ちても文句ありませんね。」
「昔からこいつの『本命へのナンパ』は成功した試しがない。」
…トホホ、ナンパが成功する道は遠い…。
主観変更side_サイム
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「サイムさん、今のところ反応ないよー。」
「ないねー☆」
「そうか…」
俺達は当てのないMCSの痕跡を追っていく、気の遠くなるようなことをしていた。
そもそも、『痕跡』が何なのかがわからない!
という状況だ。粘液か?でも乾くだろうしなぁ…。
「ねぇねぇサイムさん。」
「どしたハナビ?」
「スライムって水みたいなプルプルゼリーなんだよね?」
「…ん、大体はそうだ。マグマスライムってのもいるが、基本ゼリー状の生き物だ。」
「もしかしたらスーパーのゼリーコーナーにいるんじゃないかな??」
「いやそれはないだろ。」
「そだねー☆せめてもっと水みたいなものがないとー☆スライムなんだからー☆」
というより、ハナビがスーパーの試食コーナーの、ゼリーとかを食べたいだけじゃ…。
――……ん?あれ?ちょっと待て…『水みたいな』??
この都市に来る前に確か、事故をした?谷で何か水に関することを話していたな。
……駄目だ。ド忘れしている…。…あれ?あの時、他に何か言ってなかったっけ?
「なぁ、ハナビ。お前って会話とかって覚えているか?正確に。」
「うん。再生してほしい?」
「頼む。」
「わかったよー。でも…今晩のおかずを少し分けてほしいな…。」
「………いいぞ。野菜とかいくらでも分け」「あ、野菜はいらないです。(真顔で即断)」
………………………………………。
「………わかったよ。肉を分けてやるよ。」
「わーーーい!サイムさんありがとーーーー!」
よく食うロボ少女だ…。
「で、いつ頃の会話を再生するの?」
「古刻崖。俺らが落ちる?その少し前の大傘の話をしているときの会話を頼む!」
「おっけー!じゃあ午後13:27の会話を再生するね!」
するとハナビの口から俺達の声であの時の会話が展開される。
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「(ニッちゃんの声で)『た、楽しいことを思いましょう!ほ、ほら!
怖がって手元が狂ってもしかがたありませんし!
あ、そうだ。サイムさん、大傘ってどんなとこですか?』
(俺の声で)『大傘、別名『雨の都市』
国の中心にある大きな地割れ…正確には渓谷にできた街と聞く。
総人口は国で二番目の多さ。
聞いたところ降水量は、かなりの多いものらしいぜ。』
(アルゴニックの声で)『それって水が渓谷の底にたまって湖とか川になったりしない?』
(俺の声で)『いや、アルゴニックが思うような懸念はないらしい。
同じことを大傘出身の先生に聞いたんだが、どうやら渓谷の壁面に鉛筆サイズのパイプが無数に開いてて、雨の日のみそれが一斉に開くらしい。
そのまま雨水はそれを通って、地下水になって海へ流れるらしい。』
(アルゴニックの声で)『それ雨の日のみ集合体恐怖症の人がダメージを受けないか?』
(俺の声で)『いや、意外にパイプ自体の色で結構、カモフラージュしているらしいぞ。』
(アルゴニックの声で)『へーーー…。他にはどんな特徴が?』
(ニッちゃんの声で)『あ、お笑いとかが面白い街って聞いてますよ!』
(ソライの声で)『なるほど、それは楽し。』
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「ここから崖に落ちちゃうんだよ!どう?参考になった?」
すげーなハナビ。当時の表情までも再現して、話題にした正確な情報を入手できた。
「スライムは水……。地面の下に『地下水』が流れている。粘液状の生き物だから…。」
「「スライムは地下にいる!」」
「なるほどー☆」
俺とハナビは顔を見合わせる。
つまり地下水とかが貯められている地下の貯水湖が怪しい!
そういえば、お狐鳥居にいた時、小雨だが降っていた!
「それじゃあ地下へ向かわないとねー☆
最低でもスライムのコアが通れるくらいの大きさの出入り口をさー☆」
「だな。だが、どこかに出入り口が…。」
スライムのコアは、バスケットボールと硬質野球ボールの間くらいの大きさだ。
コアだけは液状にならないはずだ…。排水溝から通れる場所…。
「それなら駅にあるぜ!サイム!」
「ユウジ!」
出入り口を探そうと思った時、交渉組と合流する。
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「地下の貯水湖は、『駅の湖』って言われててな。雨の日以外は一般開放されている。
カジノよりも下にある『半』人工湖で、自然環境が人工的に作られてて釣り堀とかもある。」
「俗にいう人工的に自然環境を創り出すビオトープってやつか。」
「住宅街にはいないとみていい。」
この感じだと、おそらく住宅街は、情報が出ないという情報が手に入ったのだろう。
「じゃあ行くか。」
「「「「おー!」」」」「おぅー☆」
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新アズマガサ駅
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ここが超特急が出ている『新アズマガサ駅』か…。
まさしく圧巻というべき光景だ。かなり大きな駅で、外観は大きな煉瓦造りの建物だ。
入口はかなり広めの吹き抜けになっており、天井が高く電光掲示板に、大傘各所への情報があった。
そして何より、見渡す限り人!人!人!で息が詰まりそうだった。
「すごーーーい!広いねー!お兄ちゃん!」
「ちょっとハナビちゃん!離れちゃダメ!迷子にならないように手をつなごうね!」
「はーーい。ぎゅ!」
「えへへ…。」
ハナビが萌え袖越しにソライの手を握る。ソライは上機嫌だ…。
こいつ…こういう役得を絶対逃さないな。
にしてもすげぇ人だかりだ。
もしこんなところでMCSが暴れたら一大事だ。そりゃ、政府があんな依頼を出すわけだ。
「今回は別に列車に用はない。ユウジ、『駅の湖』の場所わからないか?」
「わかる。案内するぞ。ついてきてくれ。」
ユウジについていくと、大きなエレベーターが数個並んでいた。
「みんな、右のエレベーターは大傘メトロ。
左が大傘環状線だし、奥には廃線したホームへのエレベーターもある。
地下のエレベーターは南傘線ともつながっているぞ。
そして真ん中が地下にある『駅の湖』だ。」
「おーけー。だいぶ複雑みたいだね。」
「お先にしつれーーいー☆。」
こういう駅とかでいつも思うのだが、線の多さが面倒くさいったらありゃしない。
俺達は真ん中のエレベーターに乗る、かなりの広く、俺達を含めて12人くらいだった。
下まで直通で『駅の湖』に繋がっており、数分間かなり長くエレベーターに乗っていた。
そしてチンッ♪
という音とともにエレベーターが目的地へと到着する。
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駅の湖
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むき出しの岩肌とコンクリートが入り混じった岩壁、床はコンクリートで、周りに湖。
どうやら到着したのが、小島であることが確認された。
ここ以外の他の島にはコケが生え光源として、色とりどりのライトが照らされ神秘的だった。
「ここだな。」
「みんなー見てー!おさかなさーん!おさかなさんいるよーーー!」
「ちょっとハナビちゃん落ちたら危な…で、デカい魚…が、いますね…。」
注意しに行ったニッちゃんも、湖の魚の大きさに驚愕している。
どうやらここには魚等の生態系が、しっかりとしたビオトープらしい。
つまり………MCSが化けるものは何でもあるということだな。
「ハナビとニッちゃんたちは先に偵察頼む!」
「わかりましたー!」
俺とソライ、ユウジの大人組で作戦を立てる。
「で、どうするよ。」
「オレはとりあえず、そこにいる『いろいろとデカい観光客』に話する。」
「「いってら!」」
ユウジは女性を口説きに足早に去っていった。
「…で、だ。ここの魚とかをいちいち釣り上げるのか…?」
「でも、あまりに無謀じゃあないのかい?サイム?」
スパァアアン!!と『誰か』がビンタを受ける音が聞こえる。
「今は圧倒的に情報が不足しているな…。」
「まったく生態がわからないモンスターを発見するのがここまで難しいなんてね。」
「…おいおい、もう手詰まりか?」
「「おかえりユウジ。」」
ユウジは頬に真っ赤な平手打ちの跡があったが余裕の表情で続ける。
「さっきの麗しい女性が言ってたぜ。釣り堀に妙な大きい魚が紛れ込んでいるって。」
「どれくらい大きいの?」
「人の身長以上だとよ。」
そこで俺はおかしいことに気づく。ありえない事実に。
「は?待てよビオトープの生態系が崩れるだろ。
成長したとしても、それだけ大きな魚が、いる…わけ…。」
――…
――…そういえばさっき、ハナビが覗き込んでいたのって…。
「ニッちゃん!ハナビ!異常はないか!!?」
「大丈夫ですよ。どうかなさいましたか?」
大声を叫びながらニッちゃんたちのもとへ駆け寄る。
俺は湖の釣り堀を覗き込むが魚群て感じで大きな魚とやらの姿は見えない。
「ニッちゃん、ハナビ、お前らが見た大きな魚はどんなのだった?」
「え、え~~と。サイムさんと横に並べたらちょうど大きさが釣り合う感じの…。」
大体、全長180㎝弱か!?でかい!!
「そいつはどこに行った?」
「まだいると思います。釣り堀の網が切られていませんが、深くに潜って見えません。」
「…。仕方がない。釣るしかない。」
――俺達は釣り堀で巨大な魚、推定、姿を変えるスライムMCSを釣ることになった。
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