閑話②『どこかに行こうぜって言っても…』
※この『物語』は『フィクション』です。
※それなりに『意味なくゲラゲラ笑う』気持ちで読んでください!
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【『運命』に翻弄されるもの】
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主観変更side_???
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――『オレ』は薄暗い地下にいる。
この地下の隅っこの埃っぽい休憩室の一室で、一人いつ終わるとも知らない地獄の中、ぼんやりとうつらな目で換気扇を見てた。
「はぁ…。」
「ため息か?」
オレはここで働き始めてから一緒にいる同僚に声をかけられる。
よく一人でいるときにこいつはいつも声をかける。体型がよく、なんていうかニヒルなやつだ。
「なんだよ。悪いかよ。」
「まったくため息は、やめとけやめとけ。見ているこっちも不景気になる。」
「そうか…。」
「おっと、気を落としたなら済まない…ため息もしたくなるよなぁ。
ま、ため息よりもだ。お前もタバコ一本吸うか?」
「いらない。」
「やれやれ…ストレスをためるのはやめとけやめとけ。
適度なタイミングでガス抜きをする。今度どっかにでも行くか?」
はぁ…しつこいなこいつ。
「いつも言ってるだろ。どこへ行くんだよ。オレらはここへ軟禁されてるんだぞ。」
事実を口にする。
「まぁ相変わらずの反応だな。
こんなところにいるのに、楽しいことを忘れたんだか…忘れてないんだか…。
夢うつつって感じだな。」
「ここはそういうところだ。この『カジノ』で夢を見て消えた奴はいくらでもいる。
日常に引き戻されて夢だと嘆く、やつらをオレらは目の前で見てきただろ。」
「夢を見て消えた?夢を握りつぶされた、あるいは『握りつぶしてきた』の間違いだろ?」
…
「お前言うようになったな。」
「ああ、夢や希望を最後まで捨てないのが俺らディーラー役目だろ。
親として最後の最後まで夢を託した賽を信じるの。
最も俺たちが今では『賽』になったりしてるがな…。」
「サイ…」
……サイム…ソライ。
どうしてるだろうか…。また会えればいいのに…。
もう二度と会えないだろうな。オレはまだここだ。
地上にすら出れず、いつ死ぬかわからないのにな。
傷だらけの身体を引きずって生きる今ってまるで『昔』みたいな…。
いや、昔以上だ。死んでんだか、生きてんだか。今はもうわからない…。
「さてと、そろそろボスに怒られないうちに戻りな。
お前今日はフロアで接客だろ。ディーラーは任せな。
きっと俺らにもそのうち『いいこと』が廻ってくるぜ。
俺の運を信じな。お前の運も。」
「…ああ、そうするよ。じゃ、また行ってくる。」
「じゃあな。」
オレはそういって休憩室を後にする。後ろの方でぽつりとあの男がつぶやく。
「まったく不思議な奴だ。どこかに行こうぜって言っても楽しいんだか、楽しくないんだか。
『白野勇次』仕事はまじめでそつなくこなし、きっと俺らの希望になってくれる男。」
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