第5話その終『爆走爆音カラオケ大会 :決戦!愉快痛快な勝利へと!』
※この『物語』は『フィクション』です。
※それなりに『意味なくゲラゲラ笑う』気持ちで読んでください!
俺らが考えていると後ろから
「手伝おうか?」
「うわっ!突然くんなよ!」
ブルーイエローの片割れの青いローブが俺らに近寄っていた。
「っていうかあれ?さっきまでステージにいましたよね。あなた方?」
ニッちゃんの言うとおりだ。さっき戦っているときまではいた…。いったいいつ…。
「いやー俺っちたちもあいつには、めーわくしてんだよね。家族探しの邪魔なんだよね。」
「突然、現れてわたくし達を捕まえるとか言い出して、本当に迷惑です。」
「あのーあなた方はいったい何なんですか?」
「ん~もうばらしちゃおっかイッキー?」
「そうですねアオさん。」
ローブを脱ぎ捨てると異様…いや『異形』の外見があった。
それぞれ大体25㎝程の大きさで口がなく、ローブ自体がほぼすべて空洞だったということが察せた。青と黄色のローブを待っとっていた『それら』の姿は互いに別々の姿で
青いローブからは全身が青く両手の指が三本で身体と頭が簡単な円柱状の人型目が丸だが片目がややつぶれており、耳はなく左耳があるはずの側面にアンテナらしき何かが一本。首輪?のようなものをつけており、足は四角形で常にバタバタしている謎の存在。
片方の黄色いローブから全身が黄色く大きな四角い目で、耳と口そして脚がなく。両腕があるはずの場所には翼のような部位があり、その翼からはスピーカー?のようなものが翼少なくとも10個以上ついており。レストランでするような前掛けのようなものをした全体的に四角いこれまた謎の存在。
それらが二体ともふよふよと浮いていた。
「自己紹介をしようか、俺っちの名前は『速』の『超越の歯車』。
『シータ』!イッキーからはアオって呼ばれてる。」
「わたくしは『音』の『超越の歯車』。
『イオタ』と申します。アオさんからはイッキーと呼ばれております。」
「へ?超越の歯車!?」
「はい。おや、我ら家族を、ご存知でしょうか?」
「いや、超越の歯車ってこんな形してないだろ!?」
「俺っちたちは活性化状態になるとこの形になれるんだ!」
「そ、そうか。」
これでブランが『シータ』と『イオタ』こと、
『アオ』と『イッキー』を狙ってる理由がわかったぞ。
こいつら歯車だったのか!
そういえばカイもしゃべってたし、こいつらは勝手に動き出せるのか!
…なぜ、それぞれ『名前が二つ』あるんだろう?
「貴様ら!何をごちゃごちゃと話しててる!?」
「おっと、お前の相手はこっちだよ~お尻ぺーんぺーん」
ブランが確実に俺たちのもとへじりじりと近づいていく中、アオが挑発する。
「ばっか!挑発するなぁ!」
「いいんですよ、アオさんはあれで。」
「ほう、いいだろう。まずは貴様から捕まえてやる!」
「ふぁ~あ」
アオはあくびをしている。
ブランが手を向けて差し迫っていきアオを握る!
だがしかし…。
「え、何々?なんかやった?」
いつの間にかアオはブランの後ろに回り込んでいた!
「ふん!」
ブランは後ろに待機させていた金属をアオに向ける。
「ねぇねぇ聞いてよ~俺っちのとっておきジョーク集!これがまた傑作でさ!」
「え?」
――いつの間にかソライの近くにアオは移動していて………
「何!?」
「まずはねぇ~」
――次はニッちゃんの真正面………
「あるところに、猟銃で間違って撃たれた男性がいました。」
――次は俺の右手付近………
「撃たれた男はまだ息があったが、てんぱった撃った男は、
『友達が死んでいる』とすぐに病院に電話しました。」
――次はハナビの背後………
「そしたら、受付の人は『すぐに死んでるかどうかを確認にてください!』と言いました。」
――次は何にもない空中に………
「受付の人の電話越しに『パァン!』と大きな銃声が響きました!」
――次はブランの真ん前に………
「すると、撃った男は『たった今死亡を確認した』と言いましたとさ。HAHAHA!!」
――俺の背後に………
「………笑うとこだよ。」
――ニッちゃんの目の前に移動し………
ひたすら愉快に………
「あッははは!」
「は!」
「は!!」
「は?」「はぁん!」
「は!?」「はぁ!」「はァ!?」
「は!!!」「は…!」「は…?」
「は~!」「はぁぁ」「はは!」「はッ」
「はッ!」「はァァ…!!」「はぁ~!」「は~?」「ははは♪♪♪」
いろんなところをぐるぐると移動していく。
それはまるで瞬間移動や高速移動かのように忍者の影分身のように、残像を生み出す。ただ不思議なのは、残像が別の残像を馬鹿にし、腹を抱えにこやかに軽やかに、亜光速とでもいうべき速度でゲラゲラ笑いあう。
▽▽▽▽▽▽▽▽
「なんだ…こいつ…。」
「どう?おもしろいブラックジョークだろう?そう思ってくれるかな?レディ?」
ニッちゃんの手前に移動し
「あ、はい。」
「よっしゃ!ユーモアへの理解が素晴らしい!イェーーーイ!」
「アオさん?あなた若干ひかれていることに気づいてください。あと、敵を倒しちゃってくださいよ。」
「ん?それならもうやったよ。俺っち何でもかんでも早いから~」
「え?」
俺らはきょとんとしたようにブランのほうを見る。
「はぁはぁ…」
気が付くとブランはボロボロで、内部の機械構造がいろいろと見えていた。
「名付けて超神速クラッシュ!これが俺っちの攻撃さ。
ステップ!ア!ワン!ツー!って感じで倒しちゃうのだ!」
「ぐぁ!せめて!もう一体だけでも持ち帰ってみせる!」
ブランがイッキーのほうへ手を伸ばす。
浮遊するイッキーへ今にも手が届きそうになる。その時
「あ、やめたほうがいいよ。」
「逆位相音波チューニング。完了。皆さん耳を閉じてください!」
言われた通りに耳を閉じる。
「フォルテエクスシモ!!!!!!!」
鼓膜に音の暴力とでもいうべき強烈な衝撃がやってくる。
思わず、ふさぐ両手の力が強くなる。
「ぐぉお/////!?何d///kn音////////」
その音の暴力によってブランの両手がべこっと凹んでいくのを俺たちは見た。
音を浴びせれば浴びせるほど腕はヒビだらけで形は保てなくなっていき。
機能を失っていく。
「知ってますか?音ってのは時としてガラスさえ砕くんですよ。音はあくまでも振動。それなら金属分子が破壊する音を流せば、どうってことないんですよ!」
▽▽▽▽▽▽▽▽
――音の洪水が終わり、耳がじんじんする中でブランが大きな声を張り上げる。
「まだだ!まだ終わってねぇぞ!まだこっちには3066号という人質がいる!
さぁこいつを壊されたくなかったら、2体ともこっちにくるんだ!」
「きたねぇぞ!テメェ!」
こいつ!!妹を盾に取りやがった!
「助けて…。」
ブランはハナビを磁力で引き寄せて残った鉄片をハナビの首に突きつける!
「汚くて上等!任務を達成できたら俺の勝ちなんだよぉ!さぁ来るんだ!」
どうすればいい…。こいつらを渡したら絶対ろくなことにならん!!
「ハナビちゃんを離せ!!」
「ソライ!!落ち着け!!」
ソライが暴れだしそうになるのを、俺が必死に止める。このまま暴れてもいいことはない。
だが二体の歯車たちは…。
「…俺っちとしては犠牲は出したくない。ここは降参しておいたほうがいいと思う。」
「はぁ!?なに、諦めるとか思ってんだよ!」
「そうですよ!あなたたちが頼りなんですよ!」
「でもなぁ俺っち、疲れちゃったし~」
「もともと、わたくしたちの必殺技は『レガシーアダプタ』と呼ばれる、わたくしたちを『読み込む装置』があって、ようやく使えるような代物です。歯車単体じゃとても連発できるような代物じゃないんですよ。
『約一名のトンデモを体現化した例外』を除いて…」
…こいつらを読み込む装置?
そんなの…
…
ん?まてまて一つある!!一つだけあるぞ!!
俺はノーツーを思い出す。あいつは超越の歯車を読み込んだよな…。
ロボットは歯車を読み込めるんだよな…。
ハナビもロボットだよな…。じゃあもしかして…。
▽▽▽▽▽▽▽▽
俺は声をひそめ25㎝の希望に語りかける
「アオ、イッキーお前らに頼みたいことがある。」
「何?」
「ハナビならお前らを読み込めるかもしれない。」
「え、つまりあっちのロボットちゃんは、『レガシーアダプタ』を持っているってこと?」
「たぶんそうだ。近しい何かだとは思うがおそらくだが行ける。
アオ!ハナビに向けられているあの鉄片を排除してくれ、イッキーはハナビに力を。」
「わかった。いいね!お兄さん!かっぴょいぃ~感じのアイデア!」
「ノッてくれるか?」
「ソるなんて、ナッシンぐぅ~!ノッたよ!ノッた!じゃあイッキー!行くよ!」
「かしこまりました。やりましょう。」
そういって目にもとまらぬ速さで、アオとイッキーはハナビの胸元に向けて飛んで行った。
「そうだ。こっちに来るのだ!」
「ハナビ!袖をまくれぇ!」
「はい!」
ハナビは萌え袖をまくる。
「こっちに武器が…」「武器?それは何だいWHY??イェア!」
「…あ!!?」
アオはすでに手元にさっきの鉄片を、『櫛』の様に扱い身だしなみを整えてた。
「いっけーーーー!!レガシーギア!セットぉおお!!」
俺は声を振り絞り叫び!
ハナビの手元に『音』の超越の歯車イッキーがはまる!!
歯車は高速で回転を始めだんだんと形作っていく。幾何学模様が浮かび上がり、その形はかなり大きめでハナビの上半身くらいある『巨大なメガホン』だった。
「すごい!力がみなぎってくる!」
「まさか!?」
よっし!!成功!!これなら!!
「ハナビ!!『さっきの音』を頼む!!」
「姉さん行きますよ!
すぅーーーーー…」
ハナビは大きく息を吸い込み
「フォルテエクスシモおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
再び破壊の音がメガホンから放たれ、近くにいたブランはとんでもない音を食らう
「ぐ///////ああ////あぁ////ぁぁぁ////…
苦…///ザー…
…め///…ザー… ボ…//////
くぅ…ザー… ザー…
ナ、ザー… ///い//////
ごめ///…ザー… な…///ザー… 」
完膚なきまでに破壊され機能を停止したのだった。
こうして俺達と超越の歯車2体の活躍により
ブランを倒すことに成功したのだった。
▽▽▽▽▽▽▽▽
翌日
結局、あれからステージはぐちゃぐちゃになった結果。
カラオケバトルはうやむやになってしまった。
ちなみにだが家に帰るとアルゴニックが干からびていた。
アオとイッキーはそんな光景を見て、やや心配そうになりながら苦笑した。
しかしそれで終わらねぇのが、俺たちだ。
なんと、決勝戦をニッちゃんの思い付きで、近所の公園で行うことになったのだった。
「さてと、採点はわたくしが行います。アオさん一人で歌ってください。」
「いいよ~♪俺っちは♪『タツノオトシゴ』の♪ごとく♪
受けて♪『立つ』♪『音♪詩♪語』にのせ♪勝♪利♪イェィ♪」
「あたしも負けません!年上でも!誰であろうと何であろうと!」
「さああああああ!やってまいりました!決勝戦ッッ!!対戦相手はあああ!
夕日に照らされたオレンジガールニッちゃん!
VS
正体を現した最音の刺客シー夕
VS
奇跡的に勝ち抜いた少女!ウカブちゃん!」
「なんで、あいつ呼んだん?」
なぜかその場には昨日のMC。そしてウカブちゃんがいた。
「いや、やるって言ったらついてきた。」
「ふーん。」
「それではアオさん意気込みをどうぞ!」
「イッキーいないけどやるからには!勝つ♪カツ丼のように♪ドンと勝♪略して…」
「なるほど、ではニッちゃんさん意気込みをどうぞ。」
「絶対に負けません!ウカブさんにも、アオさんにも!」
「では!ウカブちゃん!どうぞ!」
「出しつくします!喉の奥まで!ちょい役とは言わせません!」
「それではレディイイイイイイファイ!」
ウカブちゃんから曲を選ぶ。どうやらニッちゃんは最後がいいらしい。
曲はかわいらしいホップなミュージックだ。
ちらっと歌っている間ソライを見る。
『うまいなー』的な顔をしているし、どうやらアニソン、ゲーソンのたぐいじゃないな。
「さあああああ、ウカブちゃんの点数は何点だッ!?何点んッだぁッ!!?」
『音』の歯車であるイッキーの顔に目玉の代わりに点数が表示される。
「89!90!91!92!93!94!95!96!97!」
思わず唾をのむほどの点数だ…。
「98.9!!!す、すごい高得点!!高得点ですッ!!」
アオはスピーディな曲だ。単体でもなかなかにうまい感じだった。
抑えるとこはしっかりと抑えてて、それで出すところはちゃんと出していて。
「さああああああああああああああて、点数は何点だッ!?何点だッ!!?」
イッキーの顔に目玉の代わりに点数が、表示される。
結構しっかり審査してくれるってニッちゃんに約束したらしい。
「89!90!91!92!93!94!95!96!97!
98.9!まさかの同点ッッ!!」
同点だと…
「いよっしゃ!俺っち単体史上!最高得点!」
「アオさん。調子乗らない!」
「はーい!」
単体でも十分な実力者だった…。
「では次ニッちゃんさん!選曲をどうぞ。」
「はい!」
――優しい声音でただただ一生懸命に、がむしゃらに心に訴えかけるように歌う。
旅の始まるとき、ニッちゃんが俺たちに頑張って、ここまで着いてきた覚悟に対する思いの限りを振り絞ってるように、聞こえて少ししんみりした。
…頼む。できれば、いい点数であってほしい。
「さああああああああああああああて点数は何点だッ!?何点だッ!!?
89!90!91!92!93!94!95!96!97!」
「お願い!止まらないでーーー!!!」
――息をのむ一同!
「99.1!」
▽▽▽▽▽▽▽▽
「…や、やッたあああああああああああああああああああ!!!」
「ニッちゃんおめでとう!」
「おめでとうございます!」
「おめでとうです。」
「よくやったなぁ!」
「くそぉ!イッキーの相棒である。俺っちが負けた!?何年も相棒やってきたのに!!」
「おめでとうございます。ニッちゃん。
優勝賞品としてわたくし達からささやかなプレゼントです。アオさん。」
「はーいはいはいはい。よっこらしょ。」
アオとイッキーは歯車の形態になる。
「我々はアルゴニックと共に生きていきます。」
「そーそー俺っちたちは、もともとアルゴニックを探していたんだ。
だから俺っちたちがプレゼントさ。」
「…えーとこれで歯車2つ入手ってことですか?サイムさん。」
「ああ、今回はニッちゃん手柄だ、ありがとうニッちゃん。」
「アルゴニック!起きろ!」
「ん?カラオケバトル終わった?じゃあアオ&イッキー回収するからね~。」
こいつ寝てやがったのか。
「認証コードΘ-明るく生きることを考えるもの-
認証コードι-寄り添って助け合うことを考えるもの-を確認しました。」
賞金も受け取りアルゴニックが歯車を吸収する。
「ふぅ~これでよしっと!さてと、これからどうする?」
「決まってんだろ、次の目的地は…大傘だ!」
「「「「おう!」」」
――こうして風が鳴りやまない街での日々は終わった。
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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~
~アオとイッキーは毎日大体このノリなので実際かなりうるさいぞ!~




