第5話その9『爆走爆音カラオケ大会:『真の音速』とはまさに疾風迅雷、光速に近いスピードでどちゃくそ騒がしく『音と速度がマッハでフォルテッシシシモ』するのが『真の音速』というものだ!』
※この『物語』は『フィクション』です。
※それなりに『意味なくゲラゲラ笑う』気持ちで読んでください!
主観変更side_サイム
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Aブロック会場
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――お、来た来た。
「ソライ!」
「サイム!」
「サイムさん。」
俺達はAブロック会場で集合した。
いろいろとあったせいか、ニッちゃんの準決勝を実は見逃してしまった。
…が、順当に勝ち上がったらしい。点数は98.6点。なかなかいい点数だと思う。
『自称最近FXを溶かした雑魚中の雑魚と名乗る男、雑魚君』の
『ファイナル雑魚★抑揚』を攻略?したらしい…。
「ソライ、ハナビどうだった?」
「まずい負けるかもしれん…。」
「情報を共有してくれ。こっちも波乱の展開??だったんだぞ…。」
俺とソライはBブロックであったブルーイエローとやらの同曲の100点を出したもの。
ウタという少女が歌って会場中の人間が土下座するような歌を奏でて、なおかつ棄権しウカブちゃんが勝ち上がったこと。を共有した。
「うーーーーーん。正直Bブロックにそんな奴らがいたとは…。」
「圧倒的だった。勝負にすらならない。ハナビちゃんも100%負けるって。」
「はい!すごかったー!です!」
「あと、Cブロックは棄権してくれて助かったと今は思っておこう。
今はニッちゃんに勝ってもらわないと困る、ポジティブにとらえよう。」
「ああ。」
そんな中、会場が一気にざわつく、どうやらいよいよのようだ。
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「さてッ!みなさあああああん!!おまたせぇえええええしましたああああああああ!!
決勝戦、
Aブロック!!みんなのために賞金を持ち帰ることができるのか!!?
夕日に照らされたオレンジガール!!ニッちゃん
VS
Bブロック!!デュエットの100点勝者!!圧倒的王者!!
最音の刺客ブルーイエロー!!
VS
Cブロック!!不戦敗で勝ち上がったのはまさか運命か!!?
恋識第三音楽中学校の艇歩 浮株さん!!
の頂上対決ぅ!!果たして優勝するのはどちらか!?
はりっきてまいりましょうぉおおおおお!!!」
「頑張ります!優勝します!」
「俺っちたちは!」「最強!で、ございます。」
「あたし負けないんだから!」
ニッちゃんたちだ!
だいぶ照れ気味なのか、ニッちゃんの顔がこわばり緊張している。
ニッちゃんは少し目を泳がせた後、俺と目が合う。
「ニッ!」
俺は適当にサムズアップするとニッちゃんは少しうなずき。少し凛とした表情になる。いい面構えだ。大丈夫自信持てよ。
俺は少しだけ隣を見る。…あれがブルーイエローか…。こいつらは一番の強敵だ。
そして先ほど見たCブロックのウカブちゃんだが、かなりリラックスした表情だ。不戦勝とはいえ、ニッちゃんとほぼ同じ実力の持ち主…。油断すんなよ。
「では先行のニッちゃんからの…」
ニッちゃんが曲を始めようと前に出始めた
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その時。
「見つけたぞ!『明るく生きることを考えるもの』と『寄り添って助け合うことを考えるもの』!!」
観客席のほうからとてもよく通った大きな声で、誰かが叫んだ。
「なんだ?」
「うわっ何だあれ!?」
――誰かがそう叫んだ。
次の瞬間、会場に存在している鉄パイプや照明がウニョウニョと、まるで重力に逆らう如く宙に浮かび始める。
そしてその鉄パイプやら金属の塊がやらが大量にステージに降り注ぐ!
「きゃあーーーーー!!」
「ニッちゃん!」
「サイムさん!!」
会場はパニックになり逃げだす観客たち。
俺たちはその観客たちとは逆方向に向かっていく。
観客が邪魔だッ!!どいてくれ!!
騒然な中を突き進むと壊れたステージで、ニッちゃんは隅っこでしりもちをついていた。
「サイムさん!」
「ニッちゃん!」
何とかすぐ傍の観客席まで後退してきて、合流する。
ニッちゃんは一見するとどこもけがはないようだった。
「大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。でもいったい何があったんでしょう?」
「さぁな…」
俺はさっき声のしたほうを見てみる。
そこには黄色いオーバーオールに身を包み、黒い仮面、そして異様に大きな手足をした明らかにハナビやノーツー、モンブと同型のロボットが立っていた。
こいつには驚くべきことにその大きな手に『手首』がなく『手』が浮遊していたのだ。
ロボットはブルイエローと対峙しており、じっと睨んでいた。
「みろよサイム。あれ、ロボットだ。」
「ということは、この近くに歯車があるってことだよな。もしくはハナビを追ってきたか。」
「あれは3001姉さんです。周囲に、特殊な磁場を構築して自分を含む、ありとあらゆる金属を浮かせたりひきつけたりする能力を持っています。」
「なるほど磁石か。」
「正確には電磁石じゃない?」
「もとは、勇ましい性格で研究所で爆発があった時も率先して、駆け付けていました。」
「おやおや、あなたですか?いい加減しつこいですね~。ここまで追ってくるなんて。」
「しつこーい!しーつこい!しつーこい!しつこいー♪
お前はしつ、こい~♪
しつこい男は嫌われるぅ~♪しつこい女も嫌われるぅ~♪
でも、『恋』思いは♪俺っち大好きぃ~♪イェーイー♪♪」
ブルーイエローの青色がDJのように、ご機嫌なリズムでロボットに向かって言う。
「でもしつ恋女♪しつこい女♪せっかくいい感じ♪カラオケ歌って♪
かっこよく優勝をゲット♪邪魔されるのは『失』点♪
どうぞお引き取り願おう♪俺っちはお前を『振る』♪
振り切るぜ♪」
「さぁさ♪♪お引き取りで♪♪ございます♪♪
『失恋』レディさん♪♪出口はあちらです♪♪」
「う、うるせぇ!そんなことはなぁ。
俺にはかんけぇねぇんだよ!いい加減つかまりやがれ!」
「「え、やだ♪♪♪」」
な、なんだ…この、突然の言い回し……落語みたい『オチ』をつけた感じ…
「…どうせあなた、アオさんの速さを肉眼で、とらえられていない時点であなたの負けは確定的なんですよ。」
「知ったことかよ。俺は、命令に従うまでだ!」
「へぇ~あ、ところで名前なんだっけ?What's you are name?」
「3001号ブラン、磁力のブラン様だといっているだろうがああ!!」
ブランはまた、鉄パイプや照明を浮かして投げつけるが、それをさらりとかわして見せるブルーイエロー
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「…あ、やばい。あの二人の個性があまりにも強烈すぎて、ぽかんとしてた。」
「確かに!」
「…何だろう、姉さんだけ、壊れてない気がするのはなぜだろう…
荒々しくてツッコミ役で…うぅーーーん……通常運転すぎて…わかんなーい…」
「お前の姉の中で一番濃いキャラだということを理解した。
だがあの二人がぶっ飛んでいてかすんで見える。」
「う、うん…。ねぇもしかしたら姉さんは壊れてないのかも。説得してもいい?」
「やるだけやってみてくれ。」
…確かにモンブやノーツーはハナビ曰く、変化ありまくりみたいらしいし。もしかしたら…。
「姉さん!落ち着いて!いったいなんでその人たちを攻撃するの?やめてよ姉さん!!」
「お前は、3066号!お前は捕まえなければならない。
そしてじっくりと『改造』されるのだ!」
やはり無理だったか。説得は聞かない。
それにしたって…改造?ハナビの姉たちは改造された?
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「ハナビ!!下がってろ!」
「いくぞ!3066号!どっすこーーーい!」
ハナビを後ろに引っ張るが、それよりも早くブランは相撲取りのように、シコを踏む。
「え、ちょ、やだあああああああ!」
そしてハナビ が浮き始める。しまった、ハナビも金属でできてる!!
あいつの磁場の影響をうけるんだ!
「ハナビちゃん!大丈夫!!?」
「いや、ふわふわする!助けてお兄ちゃん!!」
「…待ってて!!………………あ、もうちょいでパンツ見え」
ニッちゃんがソライをぶん殴る。
「こんな緊急事態に、何あほなことやってんですか!ロリコン!」
「あほなことをやってる間に、ハナビが完全に地面から離れて下せなくなったろうが!!」
「さーせん!」
「むぅーーー。」
まぁ、ハナビは…こいつをぶっ倒して地面におろしてやる!
気を取り直して
「…おい、ブランとか言ったな!
お前たちがハナビを狙ってくるんなら俺たちはお前を容赦しない。
改造なんかさせてたまるか!」
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「ふん!いい気になるなよ!
人間風情が、俺を敵に回すってことの、恐怖を今からたっぷり叩き込んでやるぜ!」
「ご忠告どうも、そのセリフそっくりそのまま、テメェに返してやるよ。」
こう言ったはいいもの実は何にも打開策を俺は考えていない。
だって街中って武器使えない。そもそも利用できても、浮かせられてジ・エンドだしなぁ。
よく相手を観察せねば…観察………………でかい…。
「なぁサイム…重要なことに気づいた。」
「多分俺も同じことを思ったぞ。ソライ。」
「よく見たらあいつ…ニッちゃんより数段…かなり巨乳じゃね?」
「そうだな。なかなかにでかい。バるんバるん揺れるな…」
ハナビを含む今までのロボットがかすんで見えるレベルの…
「「ぐはぁ!」」
後ろからニッちゃんが俺らを殴りつける。
「まじめにやる!なんですか、シリアスしたら死ぬ病でもかかってるんですか?
あと私に対しても失礼です!胸が何ですか!胸がすべてじゃあないんですよ!!」
「いてて…。自然と男なら目が行く部分だぞ!!」
「…ん。サイムあれ…。」
「?」
ソライが殴られた背中を抑えながら、ブランを指さす。
「ふぇ…ふ。ふぁ…ぇぁ…。し、しちゅれいなやつめ!!」
んん~~??もしかして仮面越しであまりわからない、が…
改造されて、こんな口調でこんな感じだけど…
まさかとは思うが、恥ずかしがってるぅ???
ということは…今がチャンスだ!!
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俺は急ぎで駆け出す!目標はブラン。
「まぁ実際、問題、あいつのところに安全に行くためには…こうするしかねぇんだよなッ!」
「ふ、ふん。とと突撃か!だが無駄なことォ!」
俺の上空で待機していた大量の金属類が俺へと降り注ぐ。
目の間にはパイプ椅子やステージの破片。
「サイムさん!」
ニッちゃんが大声で叫ぶ。
…
「よっと!」
だが俺は目の前に来るパイプ椅子に対して右へ急速転回しよける
俺は、その動きを完全に見切っていた。
「なにィ!?」
こんなのは持ち前の反射神経と、次に『相手なら』金属を落とす順番を、ある程度考えることができる。
さっきのブランの恥ずかしいという反応。ノーツーの怒りや、モンブの舐めた感じ。
こいつらは改造されたとしても感情はなくしていない。
さらにこいつはその中でも感情むき出しで、めちゃくちゃわかりやすい『直情型』。
ブチぎれた相手に効果的にダメージを当てたいって感情なら簡単にわかる。
「ならばこれはどうだ!」
お、バリケードを張るつもりだな?目の前に鉄塊が積みあがっていく!
「無駄だあああああ!!」
だが俺はジャンプ力にはかなりの自信がある。
たとえ、いくら鉄塊が道をふさごうと!!無駄なんだよ!!
「うおおおおおおおおおおお!!
高達流喧嘩術!鮪の稚魚!!」
そのまま、ジャンプをしてブランのもとまで行き、その顔面を思いっきりぶん殴る!
ブチブチという腕の音とともに俺のパンチはブランは顔面から地面に着地する。
同時に俺の右手に重たい衝撃が伝わる。腕の筋繊維がブチブチと嫌な音がした!!
「ぐぁああああ!!ッ!いってぇえええ!!鉄を思いっきりぶん殴った感じがする!!」
自分で言っておきながらそりゃそうである。ロボットを殴ったんだから。
ブランがいきなりのことで動転しながらも立ち上がる。
「やるなお前!ただのセクハラ野郎じゃあないのか…だがまだまだ!
ここからは俺も本気を出させてもらう。NS 磁場フィールド!!最大出力!!」
ありとあらゆる金属が浮き始める。俺らのベルトにはまっているガジェットも浮き始める。
ブラン自身も宙へ浮き始める、
「少し本気を出してやるぜ!!磁力巨砂!!」
ブランの、身体のありとあらゆる四肢のパーツが幼児が遊ぶブロックの玩具みてーにバラバラになっていく!!
さらに言えば、周りの砂鉄やら金属やらが体にまとわりついて、ボディそのものも巨大なもの見える!
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VS.『磁場のブラン』
▲▲▲▽▽▽▽▽
「いくぞォ!!『敵対者』ァ!!」
まずい。攻撃を当てようにも空中にいるんじゃ、どうやってすればいいのんだ!?
それにあいつの周りの砂鉄………
電磁石でパチンコ玉とかを射出するコイルガンってのを、昔ソライに動画で見せられた。
あれと同じ原理を持つ、アルミ缶を突き破るレベルの威力の砂鉄。
それがあいつの体の周りにある。まず到達しても体中がハチの巣だ。
つまり、単純にさっきより攻撃が激しくなるってことじゃねぇか!
「おらぁああああああああ!!!」
やっぱり来た!手足のパーツで殴り蹴りつけ、さらに金属も迫ってきてる!
「チッ!」
右!左!次は後ろと上か!
なんとか転がり、首を傾けかわしながらよけるので精いっぱいだ!
いったん戦線から離脱しよう!俺は全力でニッちゃんたちのもとへ引き下がる。
▽▽▽▽▽▽▽▽
「はぁはぁ…」
「サイムさん。大丈夫ですか?」
俺は降り注ぐ手、足、金属の中から何とか観客席まで逃げていった。
「危なかった。あいつの磁場の範囲は約20mくらい、それが奴の範囲だ。
だがこのままだと身動きの取れないハナビが…。」
「なんとか後ろを向かせられるか、あいつを戦闘不能にできたらいいんだけど」
背中にはあいつら、改造されたロボの弱点である外部パーツがある。
「振り向かせようにもなぁ…」
「うん、あいつの体には砂鉄や鉄塊がまとわりついていてとてもじゃないが近寄れない!
下手すりゃずたずたになるよ。その右腕のようにな。」
………やっぱソライは気づいていたか…。
さっきのパンチで実は負荷のせいで血だらけになっている。
少なくとも今日は使い物にならない。
どう攻略したものか。
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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~
~恋識の海老は養殖より天然物が多いぞ!~




