第二章_彼女との前置き"午後4時の夢"
※この『物語』は『フィクション』です。
※それなりに『意味なくゲラゲラ笑う』気持ちで読んでください!
第二章【心へ向かう物語:西方都市動乱、お前ノるか?ソるか?編】
――俺の目の前に、少女がいた。
その少女は俺のよく知ってるセーラー服を着ており。
俺に向き合っていたが何故か目が見えない。
場所は…中学時代の屋上…。
よくよく見れば俺は大人の姿なのに。
その姿は俺のよく知るそいつの姿のままで
よく知ったやさしい声音で、こう、訪ねてきた。
「ねぇサイム?」
――俺はいつも通り
“なんだ?”
と答える。
どこか懐かしさを感じる返事。
気の置けないつたないくだらない会話。
「あなた…今、幸せ?」
“ああ、お前と共にいる限り、ずっと幸せだ。”
俺は馬鹿のように笑って答えてしまう。
いつも通りな馬鹿な返事。
一生…大切な時の後悔を繰り返す返事。
「でもさ…それだとあなたは前に進めないじゃない。」
“どういうことだ?何を言っている?”
いつだって俺はお前とともにいる。前に進んでいるはずだ…。
なんでそんなこと言うんだ?
「だってあなた…いつまでも私から離れられないじゃない…」
“…俺はお前を今でも…”
少し怖かったが言葉を続けようとする。でもそれから先の言葉は出ない。
「ええ、私もよ。でもね、『愛』って時には、残酷な結末をもたらすのよ。」
“なぁ何言ってんだが俺にはわかんねぇよ…”
「貴女の求めている夢を思い出して…逃げないで…受け止めて…」
手を差し伸べた彼女の手を取ろうとしたとき。
花火の様に世界に光が瞬いて――――――
~~~~~~~~
――そして目の前には天井があった。
「はぁ…はぁ…」
俺は目を覚ました。あれは…夢なのか?
じゃあこの途方もない後味の悪さと寂しさは何だ?
あいつとの妙なやり取りのせいで、じっとりと汗を流す。
…いや…頬を伝うこの雫は汗なのか?
ソライに笑われるな…。
まだ…こんな思いをしてしまうなんてな…。
花火大会を見たからか…。
…
時計を見てみると夜の4時だった。
そばではソライが歯ぎしりを立てて寝ており、反対側の隣では昨日から居候しているハナビがすやすやと寝ていた。アルゴニックは奴のサイズぴったりでぶちこんでいた布団から、寝相が悪いのか床を高速でゴロゴロと転げまわってた。
下手すりゃ怪奇現象だ…。
まぁ時間的に、当然なのだが俺だけが起きているようだった。
これが俺の今だ。
「…もっかい寝るか。」
――俺は一息をついて、もう一度床につく。
寂しさを少し振り切る用に寝る。
~~~~~~~~
…また夢…か?ぼんやりする…。
なんだか不良千人ぐらいと戦っていた気がする。
遠くからサイレンが聞こえる…。
さっきまでニッちゃんたちがいた気がする…。
ふわふわする…。血なまぐさいけど…。
俺の目の前に肌色が見える。
おへそだぁ…。
朦朧とした意識の中で筋肉質の
誰かのお腹とへそが薄目を開けた先に拡がっている。
なんていうか…いい…。夢なんだしもう少しこの光景を見たい…。
なんでこんな夢を見ているのかはわからない…。
でもこういうのいいなぁ…。ぬくもりもあるし…。
誰かのお腹…ちょっといいものを見た…。
なんだか好きになったかも…。
おなか…忘れないように…。
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