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俺の友達。




 俺は夢を見ていた。

「…」

 学生服に身を包んだ小さな一人の少年が机と椅子に座って泣いていた。





「どうしたんだ?」

「みんなが俺をいじめるんだ。」

「そうか。」

「友達なんて薄っぺらな繋がりだし、家族も俺の成績が悪いからひどく怒られるし。

とても哀しくて辛くって仕方がないんだ。」



◆ ◆ ◆ ◆ 





「じゃあ俺が本当の友達になってやるよ。」

「…本当の友達?」

「ああ、薄い関係なんかじゃない。

とても強いつながりで、いつでもお前を支えてやる。」



「本当?」

「本当さ。」

「裏切らない?」

「裏切らない。」







「じゃあ俺の友達になってよ。」

「ああ、約束だ。俺の友達、必ず、どんなに離れていても、俺らは友達だ。」

 少年が笑う。まるで不思議なものを見ているかのように。





「ありがとう。俺の友達。」

「おーーーい。何してるんだよ!今日もだべりながら部活しよー」

「早く行こうぜ!」

「おい、このラノベ読んだかーー?」

「せんぱーい!部活いきましょー」

「くっくく。今日はどんな魔改造しちゃおうかな?」

「ちーーす。今日もだらだらしよぜー」

「今日は音楽でも聞きながら、ゲームしようぜー!」

「うん、今から行くー。じゃあ呼ばれているから

また、会おうね。俺の友達。」





「ああ、またな。」





 俺は友達の輪の中に入っていく彼を見ながら。

「なんだ。こっちにもちゃんといるじゃないか。友達。

薄っぺらなつながりって言ってて、ちょっと不安だったんだぜ?

でも、問題はない。

どれだけ多くの別れや絶望を繰り返したとしても

俺がいる。

俺がお前を諦めない。

俺がお前を信じる。

互いを認め合って信じあってみせる。

これが俺の心だ。」









 俺は読者おまえの目を見つめる。





「頑張れよ。いつでも俺はお前の…いや、

【お前たち】のすぐそばにいるからな。

いつでも困ったら『依頼たのみごと』を出してくれよ。

【お前たち】が心で決めて進む道が、未来へつながるなら

武山冒険社おれたち』がその『依頼たのみごと』、成功失敗は置いといてさ

こっちの世界からだから『お前たち』の助けになるかわからねぇし、

邪魔になったり、間違いを犯すかもしれねぇ、

でも依頼を出すんなら『心次第きもち』で受けて叶えて見せる。

きっとな。きっと…。」





 俺は過ぎ去っていく、友達を眺めて手を振る。





★★★★★★★★



「は!」

「あ、サイムさん!!起きた!!」

「もう心配したじゃないの!!」

「お前突然ぶっ倒れたんだぞ!」

「アルは!!?サンアは!!?」

「あっち!」

 ハナビが指さしたほうへ見てみる。







 そこには二人が混じり合った一人がいた。



「ありがとう。僕の友達。」





 俺らは真っ先に《『そいつ』》へ飛び掛かる。



 こうして俺らの旅は幕を閉じた。




 次回、ノヴァアージ、エピローグ『さよならを言う日』

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