【巨】への解答/【力】への解答/【医】への解答
次についたのは海に面した岩場…
おそらくはエレデ島。ユウジが修業したあたりか…。
「数日前のことなのになんだか懐かしいな。」
「ああ、そうだな。」
そこには小さな子供サイズの虹色の歯車エレデと
手がない赤い歯車レツ、そしていかにも悪そうな黒い歯車クロがいた。
「お、エレデにクロ、レツ発見。」
「この間ぶり、サイムさん。我々はイプシロン、デルタ、ガンマです。」
「少々、今困ったことがありましてね。
速くアルゴニックに合流しなくてはならないのですが…
そのー…質問に答えてくれませんか。」
「俺ら自分がわからなくなりそうで
イライラして仕方ねーんだわ。
頼む。」
「おk~いつでもいーよ!」
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「我は人に対する優しさや感謝を考えるものなり汝らに問おう、
そして、優しさを忘れてはいないだろうか?」
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「我は人との本当のつながりと対価を考えるものなり
人と人は本当に心が繋がっていると言えるか?」
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「我は涙の重みと命の重みを考えるものなり
涙を流すその重みを知っているか?」
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俺が前に出る。
「優しさは忘れない。
ニッちゃんやみんなと過ごしたあの優しい日々は絶対に忘れない。
なぜなら優しさや温情ってのは、俺の心を埋めてくれた大切なものだからな。
そんなの忘れてたまるかよ。」
ユウジが前に出る。
「人と心が本当に通っているか。
そんなこときっと神様だってわかんねぇんじゃねのか?
でもよ、心は通っていなかろうと言葉は通わせられる。
互いが互いの想いを伝え、それを理解し合うこと、それが心を通わすってことにはなるんじゃねぇのかなぁ。だから人は想いを伝え繋がっていられるはずだ。」
ハナビが前に出る。
「涙をハナビは流せないよ。時折涙を流せる人間たちを羨ましく思う。
正直、涙を流そうとするその重みは、涙を流す心と言うのは誰よりも理解しているよ。
だってつらいときとか、哀しいときとか、切ないときとか、うれしいときとか、本当は誰よりも涙がほしいなって思うもん。だから私は知っている。涙って流せなくってもハナビにとってとても『あい』のあるものなんだ。
だからその『あい』の重みを大事に持っておきたい。」
俺らの解答を聞くとクロは少しにやけやれやれといった感じで。
「…はぁーまぁこれでいいんじゃねーのかな?」
「ちょっとクロさん。
せっかく答えていただいたのにその反応はないんじゃないでしょうか?
あなたたちの優しさ、人との繋がり、涙の重さはわかりました。
我々も一緒に行きましょう。」
「あと、もうそろそろアルゴニックが近づいてきました。
あともうちょっとです。頑張ってください。
あなたたちの日々と涙と思いに優しさあれ。」
ガンマ、デルタ、イプシロンが仲間になった。
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優しい誰かになりたい。
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「皆さん大丈夫ですか?」
「地震ひどかったね。」
「まさかこんな朝にここまで大きいのがあるとはね。」
「ナイス声掛けでした。『みんな動くな―!』って。」
「震源地どこーー??」
「…あんまり遠くねぇ!!」
「はぁ………この近さでこの程度で済んだのは奇跡だな。」
「余震に注意です。皆さん大丈夫ですか?」
「安否確認は大事です。
災害時に一番重要なのは、災害への用意ではなく助け合いです。
災害時こそ一番、人の心が露呈します。
下手な災害よりも人の心の醜さで心を炒めるなんて愚の骨頂です。
冷静に行動しなくてはならない場所です。」
「だな。」
「エレデ、余震次第ではお前の体の中にみんなを詰めるがいいか?」
「大丈夫、元々あなた方がそういう設計の元
私を創り出したってのはよく知っています。
大きな災害に見舞われた際はランドセルのように背負って避難所へ待機ですよね?」
「ああ、みんな避難の手順確認。」
「頭を守る。」
「揺れがおさまったらスマホ、財布を持って時と場合によってエレデをもって外に出る。で、エレデを持つかどうか、できるだけ余震が来るまでに状況を見定めるってのが重要。必要とあれば災害セットをエレデに備え付けるのは簡単だしな。」
「そう、後は地面の安全確認をする。」
「俺らの家は崖上にあって、津波の心配はないがやばくなったらエレデをタイムカプセルみたいにガチガチに固めて、俺は避難所に行く。だ。」
「で?今回の場合は?」
「深度4…多分…大丈夫だけど、用心しよう。エレデを改造できる材料だけ出して12時間様子見。」
「了解です。」
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俺が最強の勝利者。
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「立った!!立ったよ!博士!!」
「「「おお~~~」」」
「おはよう・・・初めまして・・・」
「?」
「わからないのか?そんなわけないんだが・・・」
「ほら、こっちだよ。」
「オハ・・・ヨウ?コンニチワ・・・?」
「そうだよ。いいかい?君の名前は『クロロボ』。
君はこの家のお手伝いロボットだ。俺は君の制作者。
今日から一緒に暮らすんだよ。」
「く、くろ・・・ろぼ。」
「そうだよ。さぁおいで。俺、ロボット大好きだから
君と一緒にいられるのが楽しみだったんだ。」
「タノシミ?」
「そうだよ。これからもっと楽しいことが待っているよ!
町のみんなにも紹介してあげる!さぁ一緒に行こうか。クロロボ!」
「うン!」
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生活習慣病は常日頃から。
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「うーーーん。新しいロボが生まれるんですね?」
「うん。」
「まさか、まだ私達がシロさん達に教育したことが続いているんですね…。」
「思えばよぉ。レツ…。もう10年以上たつんだな。
俺が好き勝手やった結果、それを支えるレツが創られて。」
「ええ、私とクロさんから始まり、そして生まれたばかりのシロさんやグーベーに、仕事やこの家のいろんなことを教えてあげて。」
「最初は手探りだったな。」
「そうですね。わからないことをわからないなりに伝えるのが精一杯でした。
まぁ我ら第一世代故に、少々拙い感じでしたが。」
「んなのはどーでもいいんだよ。俺が言いてぇのは教えあうってのがずっと続いているってことなんだよ。俺らがずっと昔に始めたことが10年たった今でも続いている。
それスゲ―ことだろ?」
「ならもっとスゲーことになると思います。
昔以上に今ではしっかりと教えてますよ。新人君たちは。
あれにマニュアルもテンプレートもありませんから。」
「だな。」
「常日頃から経験してきたものを教えてきているだけです十年間ずっと。
きっとこれからも。」
「まぁこっからどーなるか。期待大だな。」
「ええ。」
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誰かにやさしいって思われたらうれしい。偽善かどうか判別することは重要ではないと思います。
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難しいこと考えるの俺馬鹿だからわかんねーけど、鼻ほじって屁をブッこけば大体生きているってことだろ。俺、鼻ないし屁出ないけどいつもそのつもりで生きている。
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穏やかな心でいるのは、案外健康の一歩なのではと最近気が付いてきました。
たまにはリフレッシュすることをおすすめ致します。




