心へ向かう物語:ハナビ_蒲公英は明日へと照らされる。
俺はタケヒコへ先導され、どことも知らない場所を
歩いていると前方に見知った人物がいることに気づく。
「…ハナビ。」
「…サイムさん。」
俺はハナビの前まで歩く。
この子の背は伸びない。そのわりには大食いで。
なぜかあのロリコンにぞっこんだ。
だけども、この旅でとても成長した。
出会った時は逃げ惑い、不安そうな声が多かった。
だけども今はここに自分の足で来た。
立ち向かい、みんなと連携を取り色々な場所を見てきた。
「サイムさん。えっと、私、私ね。
サイムさんについていくことにしたよ。」
「本当か?」
「サイムさんやアルさんが心配っていうのもあるけど、私自身、サンアに思うところがあるんです。このまま、サンアを放っておいたら、私自身とても後悔する気がするの。」
「後悔?」
「だってサンアは『困っている、苦しんでいる、哀しんでいる』から、そんな人を放っておいたら私たちの旅のやってきたことを無駄にしちゃう。
私を叱ったり、つらいってときに差し伸べてきてくれた、みんなの心を裏切っちゃうような気がしたから。
だから私も何とかしたい。サンアを救いたいんだ。」
本当に俺らにとって自慢できる誇れるそんな存在になった。
とてもたくましく、底知れない。
この子の名前は蒲公英 花火。俺が名付けた名前の通り
道端に生えている蒲公英の様に雑草根性たくましく。
そして風に乗ってここまでやってきてくれるきれいな花のような子になった。
「ありがとうな。ハナビのまっすぐな心確かに受け取った。」
「…いい仲間を持ったなサイム。」
「ああ、そうだ。ハナビ、こいつはタケヒコ。」
「誰もいないよー?」
「サイムよ。我は精神生命体。
普通の人には見えぬのだ。
超極人である貴殿にしか見えぬのだ。」
「…そうなのか。そうだ、ハナビ、今、アルが大変なことになっているんだ。あいつ歯車を落としながら戦っているらしく、歯車を回収しながらアルのもとへ向かわなくっちゃならねぇ。
だが歯車はサンアの精神汚染にやられていて混乱しているんだ。
解くためには歯車の質問を答えて精神汚染から脱却しなくちゃついてこねぇんだ!」
少々荒い説明だが時間がねぇ…。
「質問に答えればいいの?まかせて!」
ハナビが合流した。
「さぁ次の場所へ行こう。」




