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【完結】nOva urGE/ノヴァアージ ~みんなと心を信じあう冒険~   作者: ラクルドゥ
最終章:第21話-リベラ・デュナミス-
201/273

第21話その4『リベラ・デュナミス:始まりの再会』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『気分最上級な』気持ちで読んでください!

※後書きに大切な情報載ってます。



▽▽▽▽▽▽▽▽

『リベラ・デュナミス』ベースキャンプ_第3宿屋

▽▽▽▽▽▽▽▽



 ――午後12:05

9月16日、旅39日目



 ――世界滅亡まであと3日





 さてと、会議も終わったし…。

少し散策したいところだ。どうやら俺らの出発時刻は18時半と遅めらしい。

ずっと昨日も闘いっぱなしだったタマシイなりの配慮だろう。まぁ、まずは合流。

仲間が第3宿屋にいるって、マチルダさんから聞いたんだが………。





 ロビーを歩き回っていると聞き覚えのある声が聞こえ、駆け寄ってみる。

お、いた………………なにしてんだ?あいつら。

「お姉ちゃん!!痛い~~!!痛い~~!!」

「ハナビ~~!!別々の場所からのスタートだけど必ず合流するねぇ~~!!」

「お姉様!!妹から離れて!!公衆の面前!!

そしてあなたたちも離れなさい~~!!」

「ハナビ~~!!変な豚みたいなモンスターがいたら言うんだよぉ~!

あたいが串刺しにしてやるから~~!」

「今生の別れじゃあないんだし今までも別行動だったし…。

…べ、別に怖くも、寂しくもないのよ!!」

「あ~~…………。

ハナビ困っているみたいだし、磁場で引き離した方がいいか…な。」

「いやなのです!ハナビ姉様は、あたくしのものです!!

姉様たちは離れてよ!じゃないと太陽ぶつけるよ!!

さ、姉様一緒にお食事とお人形遊びしてから攻略に………。」

「やぁだぁぁ!!ハナビは僕の!!」

「おさないでぇ~~!!ひっぱらないでぇええええ~~!!」

 何、この現状…姉妹がハナビを取り合っている??

つか、ソライは………鼻血出して大の字で気絶しているし…。

ユミはもう呆れかえってる。

アルとユウジとニッちゃんはなぜかこの場にいない…。





「何この状況…。」

「あ、サイム…。」

 ユミすでにやつれてないか?

「なんだか、あたしたちって遅い出発じゃない?

で、この子たち姉妹も出撃するんだけど、早い出発なのよ。

でもハナビは冒険社として参加するから、残り時間で誰がハナビと遊ぶか、ご飯を食べるかでもめてるところ…。」

 想像以上にくだらない理由で言い争ってた…。

俺、買い物行きたいんだけど…交渉担当のソライがこの状態だしなぁ………。



「ていうか…全員で行けばよくね?

そっちの方が逆に動きやすいだろ…。」

「「「「「「「あ………。」」」」」」」

 気が付かなかったのかい!!

三人よりば文殊の知恵と聞くが、こいつらは例外らしい。

「じゃあねぇ~!サイムさん妹は借りてくよ~!」

「え、ちょ…。」

「やぶさかではないけど、せっかくのご厚意感謝しますわ~!」

「お姉ちゃん!?」

「ラーメン食べたい!行こうぜ!」

「ま、待って!」

「妹成分を補給するのよ!」

「妹成分!?何!?」

「ここのみんなにあたいの自慢の妹を見せびらかすんだ!」

「ハナビは見世物じゃないよ!」

「はぁ~~~…!あのソライ(うざい犬)がいない姉妹、水入らずで素敵な事をしましょうね~姉様~~~フフフ。」

「素敵なことって何!?

お姉ちゃんたち、ハナビがいない間にエプちゃんにどんな教育をしたの!!?」

「「「「「………内緒。」」」」」

「時間までにはかえってこいよー。」

「うわあああああん!!」

 ハナビは姉妹にがっちりホールドされつつ、足をジタバタに動かしながら

遊びに強制連行された。

「………やれやれ、ところでニッちゃんとユウジとアルは?」

「アルはタマシイと雑務をしに。

ニッちゃんはご飯を買いに。

ユウ君は………なんだか、知り合いがいたらしく、そこの角………階段のところにいるわ。」

「知り合い?」

「男の人だった。」

 誰だ………???



 俺は少し気になり寝転がっているソライをまたいで、階段へと向かう。

どうやら、喫煙場らしく二人の人影がいた。

一人はユウジと…もう一人は…・。



▽▽▽▽▽▽▽▽



「やめとけやめとけと言ってもあいつらは、やはり聞かないな。

事前情報でも裏ですでに動き始めている…。

とんでもないことしやがって、上は相当焦ってるぜ。」

「だろーな…お、サイム。」

 ユウジとそこにいた人物。それは裏カジノで助けてくれて、リギョクを狙う執念の公安警察『同僚』だった。

「ひさしぶりだな。結構大変だったぜ。公務員としてな。」

「ああ、すまない。」

「一服吸うか?」

「いや、いらない…。」

「誘っても楽しいんだか、楽しくないんだか…。

ま、この世界が終わっちまえば何も思わなくなるし、『追えない生活』になる。

それはごめんだ。」

「ああ、そうだな。」

 同僚は少し哀しそうな顔で、タバコに火をつける。

「オレは同僚こいつと少し話してから合流する。

向こうで待っててくれ。」

「おう。」



 俺が振り向くと同僚が一言だけ声をかける。

「期待している。

途中であきらめるのだけは、やめとけやめとけ。

世界滅亡させた友人を追うのなんて面白くないからな。

そういうのも本官らの仕事だからな。頼んだぞ。」

「あいよ。」

 俺は同僚に背中を向け、階段の喫煙場を後にする。



▽▽▽▽▽▽▽▽



 戻ってみるとニッちゃんがたこ焼きを持っていた。

つか、すでにユミとソライはすでに食い始めている。

「サイムさん~!お疲れ様です~!」

「おう、ニッちゃん。たこ焼き買ってきてくれたのか?サンキュー!」

 俺はニッちゃんからたこ焼きを受け取る。

「ええ、このたこ焼きは台風にも負けない、私がオオガサ観光に行ったときに発見した自慢のタコ焼きです!」

 なんでニッちゃんが自慢げなんだろう………???

まぁいいや…。

「いただきます!」

 ………

「あつぁぁ!」

 ホカホカじゃないか!!でもうめぇ!!噛んだら舌が溶けるような生地の感じだ。タコも弾力がいい。皮もカリっとしてるし…これうまいな………。





「今戻った…あ、たこ焼き食ってる。」

 俺が大半を食い終わったころ遅れてユウジがやってくる。

「お前のは、ほとんど残ってないよ?」

 ちょうどその時だ。

「サイム?それに武山冒険社。

疲れているところ、ちょっといいかしら?」

 俺達のすぐそばにマチルダさんがやってくる。

「あなたたちを、『ある人』に頼まれて

『とある場所』に案内しなければならないのだけど?

ついてきてもらえない?」

「???」



▽▽▽▽▽▽▽▽

『リベラ・デュナミス』ベースキャンプ_中央指令室

▽▽▽▽▽▽▽▽



 アルとハナビを除く俺らはマチルダさんについていくと映画とかで見る

列車の運行ダイヤとか、ロケットの発射を制御しているような場所へやってきた。

大型のディスプレイとか、ヘッドセットを付けた人達が個別の画面で何らかの支持をしているようだ。



「マチルダさん?ここは?」

「ここは中央指令室。ダンジョンの進歩具合や、様々な連絡を円滑にダンジョンを攻略するための指令室。私もここであんたたちをサポートするわ。」

「え?マチルダさんが俺らを補助するのか?」

「いままでそうやってきたじゃない?何か変?」

 すげぇたんぱくに受け答えするが、ようはロボットもののアニメとかで見るオペレーター的な存在だろ?すげぇな…。

「ここからダンジョン内でのサポートをするわ。何分今回は連携が重要視されるし…。あの人はまだ来ていないようだから、ほかに知りたいことは何かないかしら?」

「はーーーい。」

 ソライが手を上げる。そういえば忘れがちだが目を覚ましたんだったな。

なお、マチルダさんは白いバンダナをつけている。



「僕らは赤いバンダナだけど、他のバンダナは何を指しているの?」

「あら?まだ知らなかったの?色は八色

黒色が、政府関係者。

白色が、オペレーターなどの冒険社のサポーター。雑務もこなすわ。

青色が、食料補給や飲食関係。

緑色が、電子機器や工学系などのメカニック。

黄色が、護衛系の冒険職、主に後方担当ね。

紫色が、ギミックや発掘とかのマップの調査を全般をする調査班

そして水色と、あなたたち赤色が、攻略最前線ね。

まぁ最前線にも二種類あって、このダンジョンの攻略を主とした

『ブブカブ最前線』…こっちは水色

そして最終目標のエイドスドアルームの攻略を主とした

『エイドスドアルーム最前線』。これが赤色」

 ほーーー結構考えられているな………。

「俺ら責任重大じゃないか…。」



「その通り。この作戦で最も重要な役目は君たちだ。

道はみんなで開く!だからこそ!君らが暴れなくてはならないのだ。

武山冒険社!」

 俺の後ろからさっき聞いたばかりの声が聞こえた。

「やれやれ…やっと来たわね。」

 マチルダさんの声で目的の人物へと振り返る。

その人物は赤と水色二つのバンダナをつけていた。





「あ、あんたは………安藤あんどう 礼徒れいと!?」

「ええ!?A級冒険社のあ、あのアドバンスライトのレイト社長!!?」

「う、嘘!?テレビで見たことがあります!?」

「どうも初めまして、レイトと申します。」

「な、なんでこんなところに!?つかサイム知り合い!!?」

「大物じゃない!!?」

 みんなはさっきの会議を受けていないからすごい動揺だ…。

「え、えっと何でしょうか…?」

「アドバイスさ!僕は君らにこのダンジョンについて

直々に体験したことを伝えに来た。」

「………は、はぁ!?」

 わざわざ!!?



挿絵(By みてみん)



▽▽▽▽▽▽▽▽



 レイト社長はディスプレイを指さす。

そこには以前アルがソナーでこの場所を調べたのより詳しく奥まで描かれた地図があった。

「まず簡単に説明する。このダンジョンは大きさは約190㎢とされている。

そして構造は主に『八層』。だがこのダンジョンを僕ら先遣隊は『三十八の顔』を持つダンジョンと称している。」

「三十八???」

「説明にあっただろう?ここと七つのダンジョンを同時に攻略するって。

そして七つのダンジョンと、スイッチとかのギミックが連動している。

一つのスイッチをオンにすると他のスイッチは全てオフになる。

それによってダンジョンがいきなり溶岩地帯になったり、海のように水没したりする。

ようは環境が変わるんだ。

だが六層からが厄介でね…。」



「待ってください!つまりもうすでに五層まで

ダンジョンを踏破したんですか!?」

 ニッちゃんが質問する。

「いい質問だ。お嬢ちゃん。

その通り、五層までのギミックはすでに解いて誰でも渡れる。

なんなら五層まで、罠とモンスターは出ない。」

 A級すげーーーー!!




「だが六層目で複雑なギミックが本格化してくる。

七層目以降のモンスターなんて一匹も倒せていない。

逃げ回るのが精いっぱいでね、力業で僕だけが何とかたどり着いた

八層目におそらくボス部屋…あるいは箱舟そのものと思われる扉があったんだ。

だが、そこで七つのダンジョンを完全攻略しないと開かない、

そんな鍵だったんだ。

八層目は手の付けようがなかった。」

 なるほど…。俺らがいない準備期間でそこまで………。





「それでだ、我々は今から君たちの出撃時間18時半までに、

A~L級、冒険職の130社で、このダンジョンを完全攻略する。」





 ………。



「え…。今から5時間で…?」

「このダンジョンは準備期間中、僕らが大体調べた、あとは全体を指揮するオペレーターの誘導次第だ。タマシイ君が言っていただろう?

あれは僕らが、制圧するまで『待て』ということだ。

ここで時間を取られるわけにはいかない。君らは連戦続きだ。

体を休めつつ、ここで僕らの活躍を腰を据えて

見物していってほしいと思って呼び出したのだ。」





 え………………俺らこのダンジョンで出番ないってことか!!?





 俺らがこのダンジョン、発見したのに!?

そういえばさっきから気にも留めなかったが、妙に赤色の出番が少ないと気づく!

タマシイが言っていた赤色のバンダナを除くってのは

エイドスドアルームを攻略するために、体力を温存しとけって話だったのか!

「え、ほんとに手伝わなくていいんですか?」

「ああ、あとは僕らが箱舟を操作してここまで持ってきて、君らを含む赤色のバンダナ、約280社をエイドスドアルームに運ぶ!

箱舟っていうくらいだ。乗り物だと思うし、ダメだったら君らのところの創造主様を借りるよ………。」

「………。」

 ………………ちょっとっていうか、だいぶ拍子抜けだけど…。

でも確かに分担で攻略しなければ、あの街くらいあるバカでかいモノを

落とせないだろ…。連続で高難易度ダンジョンをクリアするのは

現実的じゃないし、常軌を逸しているしな…。



▽▽▽▽▽▽▽▽



 レイトさんの言葉を聞いて、さすがに疑問に思ったのか、ユウジが口を開く。

「なぁレイトさん、なんでA級のあんたが、オレらへそんなに加担する?

あくまでオレらはハジマリなだけのはずだ。この作戦のかなめを任せるのもおかしい。

わざわざ指令室で、動向を見守れって言うのも含めてだ。

一流の社長であるなら、なおさらオレらを信じるのが疑問だ。

なんで………??」

 確かにユウジの言う通り、俺らに対してこの人は贔屓しすぎだ。

理由なんて思いつかない。何故だ…?








 レイト社長はただ、天井を見上げ目をつむり少し俺らの方へ微笑む。

「恩返しさ。」



※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!


~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~

~レイトさんは実は奥さんがいるらしいぞ!~



※大切なお知らせ(多分消します。)

まだ完全には決まっていません。



 明日、1部6時投稿

明後日(土曜日)、3部

明々後日(日曜日)、2部投稿予定



 来週、月~水曜3日間

1部ずつ6時投稿



 話の関係性的に木~金曜

1日5部くらい投稿予定。



 そして…。7月30、31日

大量投稿して

最 終 話まで予定しています。

予定が狂うかもしれませんが最後までお付き合いくださいませ。

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