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【完結】nOva urGE/ノヴァアージ ~みんなと心を信じあう冒険~   作者: ラクルドゥ
第六章:第18話-ヒルベルトエレデ-
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第18話その終『ヒルベルトエレデ:クランクアップ』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『大いなる』気持ちで読んでください!



 ドクン!!ドクン!!ドクン!!ドクン!!と脈動する虹色の空の下。

小さな岩と砂でできた島に、あの空の上にいた島民と俺ら7人とモンブは

数秒前までただひたすら立ち尽くしていた。

それが今は………。

「わ~~~~い。ソライさん一緒におままごとしましょー」

「うん。するー!」

「ユミ~好き~」

「ユウ君~好き~」

「私おなかすいた!でも幸せ~」

「ねーねーわたし、みんなすきー。」

「あたしはねーみんなといっしょにごはんたべるのがーしあわせー」

「お姉ちゃんといっしょにごはんたべよー!」

「おれね、みんなともっとあそぶんだ。」



 もしこの光景が小説とかの文字だったらどれだけよかったろう。

字だったら幼稚園児の子供達のような光景として想像できるから、まだほんわかできるだろう…。

実際は『20代』を越えたおっさんとかが、赤ん坊のように喋っているのだ。

正直、ドン引きする。本人からしたら子供同士に見えてるのかもしれんが…。

もはやここは砂浜ではなく幼稚園や公園の『砂場』じゃないのか?

しかもたまーに荒波に驚くニッちゃんや島民たちが泣きわめくものだから、『老若男女問わず』をあやす俺とアルのその姿はまるで『保育士』かと思い始めている。



「さいむさん、よしよしーいいこー。」

「ゆうじーごはんたべたーい。」

「いいよーおりょうりするー。」

「わーい。」

 そしてすぐにこのテンションに戻る…。



▽▽□□□□□□



「さいむさん、よしよしいいこ、いいこ。」

 さっきからニッちゃんが俺の頭を撫でていて思う。

「こいつら完全にガキだな。」

「いいか、サイム。こいつらは今、俗にいう麻薬のトランス状態みたいなものだ。」

「なぁアル。なんで俺らはこいつらみたいにならないんだ?」

「ああ、それなIdのせいなんだよ。」

「Idの?」

「Idはもともと、【概念を歪めて能力を発揮している。】

【新しい概念を生み出す力。】ともとらえられるんだが。

それにより俺らはこの現象の【概念を歪めて回避している。】ってことなんだ。」

「言ってることがよくわからん。」

「まぁ俺も原理は完全にはよくわかってないんだがどうやらIdが原因っぽい。」

 Idって能力は【概念をゆがめている】ってことがなんとなく分かった。

一応この経験を覚えておこう。



▽□□□□□□□





 虹色の脈動が終わる。空は虹に包まれ、荒波さえも静かになってきた。

ついには胎児の様に丸まり何も話さなくなっり『行きつくところまで行きついてしまったみんな』が砂に転がる中。

俺とアルは空を見上げ二つの歯車の結末を見届ける。

「サイム、読者さん覚えておけ、

この愚かな姿をした世界こそが、《戦争と飢餓と殺戮》を繰り返した【人間】が求め続け貪り続ける幸せと安定、繁栄の理論上の終了地点ハッピーエンドの一つなのかもしれんと俺は思っている。ちょっと怖いことだがな。【史上最低最悪の幸福の終末ポストアポカリプス】。

これを目指すかはお前らによるがな。真の幸福とは自分でつかみ取るものだ。」

この気味の悪い虹色の空の下。これが人間の願いの果ての世界か…。

「そうだな…ちょっと気味悪いよこの世界。

愛も、本当の意味での心の思いやりもないんなんてな。」

「………さてと…そろそろ、これからエレデが反撃するぞ!」



主観変更side_《鬱》の歯車%

□□□□□□□□

宇宙エレデ

□□□□□□□□


 くそが!!

ここまで己らはダメージを与えてきた。

そうだよな右半身!そうだよな左半身!

だがここまで大きくなったのは想定外だ!

異常すぎる

宇宙がどこへ行っても幸せそうな色

虹色の宇宙空間だ!

これじゃあこの虹色の中に、ただよう己らはまるで過去形じゃないか!!



 気が狂いそうになる!

くそが!

ん?

なんだ!?

あの前方の虹色の弾は!?

まるで白血球だ………!





 やめろ!!



 くるな!!くるなああああああ!!





 すごい量だ!

やめろ!

くそ!くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!







 気が狂いそうな虹色の宇宙空間で逃げ回る!!

もがく!!だがッ追尾してくる!!

躱しても躱し切れない!!ただただ恐怖が勝る!!

そもそも躱しているのか!?躱していたという過去形ではないか!?

動いているのか!?動いていた過去形ではないか!?

なんだ!!これは何なんだ!!?









 …あれ?そういえばさっきから己は動いているのか!?

あれは攻撃なのか!?攻撃であったはずの過去形では!?

攻撃の過去形は過去形???己は何言ってる!?目の前の攻撃なにかは???

おそらくこれは、ガンマの超高次元からの攻撃なにか!!??

くそ!!!!気がおかしくなる!!己らは過去?で今はいなくて過去形が己らは今攻撃を受けているけど受けていて…




 あああああああああああああああ…ああああああ…ぁぁぁ…ああああああ!!!!…あああああ!!!あああ…あああ、あああああ!!!ああ





 あ





 そうか、己らは大量の虹色の弾にぶち当たり、なすすべなくズタズタに『された』。





 いやすでにズタズタに『されていた』んだ、直前の記憶をずっと見続けていた。

もうすでに攻撃は当たっていた。

己らがこうやって思考を開始したころには、

すでに身体は何度も引きちぎられた後だったのか。

状況描写も少ないわけだな。

ああ、なんだ。そうだったんだ。すでに…







 おのれらという過去形だったのか………。






主観変更side_『巨』の歯車γ

□□□□□□□□



 必殺。天潰し。

あなたは永遠と多次元に収束しつつ引っ張られ潰されながら

宇宙空間をさまようのです。

僕の大切な人を傷つけたバツです。




 …そういえば………【ニーイ】というのは、干渉…して…

いえ、ここでも…おそらくされていますね。概念下…なので…

ニアリーイコールにも手が出せませんし………。

数百年はこの大きさにもなれそうにないですね…。



 …


 さてと、元の大きさに戻りますか。



 みなさんが待っています。






主観変更side_コクゴク(リギョク)

▽▽▽▽▽▽▽▽



 ふぅーーー………。ようやくおさまったか………。

虹色の空は雲と青空に戻りつつある。

私は今、傘を開いて空中をゆっくりと降下中だ。

戦闘中に巨大化を始めた時点でこうなるのが察して、かなり恐怖を感じた。

隙を見て高度10㎞を飛んで大正解だった。

なぜなら私のパラシュート代わりの傘一本に私を含めて4人が群がっている最中に、Idを保有していない3人が幼児化してしまうのだもの。喚く3人をあやすのは実に苦労した。



 そろそろ地上だ。海が見える。今は眠りながらしがみついている三人も海水にたたきつければ少しはマシになるだろう。



▽▽▽▽▽▽▽▽



 しかし、なんだこのもやもやは。まだ解決した気がしない。

あの少年と死神を名乗る妖怪は『結局、何がしたかった?』

島のどこにもいなかった。

河童の抜け道は全部、燃やしたはずなのに何故まだある?



 嫌な予感がするでありんす。



 おそらくトシツキという少年、死神、そしてその裏に『変』の歯車ウプシロンがいる。

そう仮定したとしてなぜ、超越の歯車が敵対している究極の歯車の封印を解く?

まだ何かいる………。本当に《敵》はこれだけなのか?

究極の歯車の封印を解くことによって《発生するメリット》は何だ?

今回は『巨』の歯車の巨大化によって何とかなったが………。



 ………………………。

………究極の歯車にとって厄介な存在…それが『巨』の歯車偉大なるガンマ…。

もし迎え撃つためにはどうすればいい?………。

もしもだ………。





 仮に《鬱》の究極の歯車パーセントが、将棋で言う『捨て歩』だとしたら?





 まさかな………。





主観変更side_サイム

▽▽▽▲▽▽▽▽



「うーーーーーーーん。頭痛い~~~~」

「お、みんな、大丈夫か?」

「なんか、すごく疲れてます。」

「当分、動けねぇわ…」

「正直すごくひどい船酔いをした気分…」

 虹色の空から元の空へと戻った。みんな遺跡から戻ったばかりと同じようにだいぶ酔っている。まぁ、これで安心だ。究極の歯車も倒したし一件落着。



 そして空中から、ズドーーーーン!!と、エレデが降ってくる。

一応、島…というか頭も元居た場所へおさまり巨大な腕で砂浜が載った岩盤を手繰り寄せる。

「皆さん。お待たせしました。」

「エレデ!」

「なんか、みんなすげぇ大変な感じだったぞー。」

「それは仕方がありません。皆さん時期に元に戻ると思いますので。」

「正直吐きそう…」

「本当にご迷惑をおかけしました申し訳ございません。」

「で、それで、パーセントは倒せたのか?」

「はい、なんとか。結構ぎりぎりの戦いでした。

僕が大きくなるのがあと一分遅れてたらやられてましたね。」

「まぁ勝てたんだし結果オーラーイ!ってことで。」

「はい!ですが異次元にいるニアリーイコールは倒せませんでした…

申し訳ございません。」

「いいってことよ。」

「エレデさーん。」

「レッター。すまないけど僕を運んでください。」

「はーーい。」






 雨が降りそうな天気の中。






 エレデが俺らにフラフラと歩み寄ろうとする。








 俺らもようやくこの闘いが終わろうとする。

そんな感じでエレデ島での戦いが終わる。








▲▲▲▲▲▲▲▲







 そんな時だった。

「絶望死滅切り。」

「え?」

 エレデの体を巨大な鎌のようなものが貫く完全な不意打ちだ。

「エ、エレデええええええええええええええええええ!!!!!」



 アルが絶叫する。



 どさっとエレデが倒れ。

その奥から現れたのは巨大な鎌を持った

本体は25cmの、丹色の歯車がこちらへその相貌を向けていた。



挿絵(By みてみん)





 アルは今までに効いたこともないような怒りの声で。

「お、お前はああああああああああああああああ!!

オングストロオオオオオオオオオオーーーームゥウウウウウウウ!!!」

「ぎゃーぎゃーうるさいです。出来損ないのガラクタが。

皆さま、初めまして。《究極の歯車》のリーダー。《殺》の歯車。

《人の生存価値の無さを訴えるもの》、

《オングストローム》でございます。

死にゆくあなた方の冥土の土産にでもしてください。」




 アルが人間体になり、場に緊張と絶叫が走る。

「貴様ああああああああああああああ!!!

くそが!!!!俺の家族を!!」

「まだ彼は死んではいません。」

「テメェだけはこの世界から徹底的に叩きのめす!!!」

「『殺す』のはわたくしの専売特許ですよ、薄汚いガラクタ。

命にすがる愚かな願望器め。」

 俺もこいつ…突然現れてスゲーーーむかついてきたぞ!!




時間停止タイムストップ!!………………あれ…?

なぜ………。時間停止タイムストップ!!時間停止タイムストップ!!」

 何故だ………。アルの時間停止が発動してない!!?

「時間停止を《殺した》までです。」

 は…歯車の能力が効かない?あいつは何もしてないのに?

能力を殺す?どういうことだ!?



 まさか歯車の能力を、あいつは打ち消すことができる歯車なのか!!?

島に上陸していた時に話していた、あいつが超越の歯車達の《天敵》か!?



▲▲▲▲▲▲▲▲





「まだ手当てをすれば助かります。アルゴニック。ここは私も戦います。」

「俺も戦うぜ。」

 俺と『医』の歯車レツ、そしてアルが互いに肩を並べる。

「僕もたたか、う…ダメだ力が出ない。」

「みんなはじっとしておけ。まだ動けねぇだろ。」

「おや、ガラクタと、医者と、人間ごときが相手ですか…

ですが三対一少々厄介なことには変わりません。」

「いや、五対一です!!

助けてくださいッッ!!!!!!クロさんッ!!!シロさんッ!!!」

「…」

 レツがそう叫んで一瞬の静寂が訪れる。

だがそれに反応するかのように空から、全てを引き裂き、ものすごい勢いで何かが

こっちに向かって迫ってきている。



▲▲▲▲▲▲▲□



 ズドオォンという轟音とともに、エレデ島の中央へ不時着する。

そしてそれは力強く山を蹴り、砂浜までミサイルのようにやってくる。

「…来ましたか。我ら最大の宿敵!」

 そいつは手が異様に長く尻尾も長い。平の頭に。身長は25cm程度。

真っ黒なボディをした歯車だった。



挿絵(By みてみん)







「なんだこいつ!?敵か?味方か?」

「クロさん!!」

「クロォ!安心しろサイム!こいつは味方だ!

こいつこそ話に出てた『力』の歯車、俺らの希望である史上最強の歯車、

『デルタ』またの名前を『クロ』!!」

「ほぉーやっぱりレツがした約束っていうのは本当だったみたいだな!」

 これが最強の歯車…効くところによると正確は最悪らしいが最強の力があるらしい。

このタイミングで来てくれたのは本当に心強い!俺の修業は最終段階をクリアしてない!



 この際、誰でもいい!【頼ることができる!!】ってのは本当にありがたい!!








「クロ!エレデがやられた反撃するぞ!!」

「…」

「クロさん?」

「ごめん。」

「え?」

 クロは俺らのほう正確にはレツのほうへと向き直る。

そしてゆっくりとレツのほうへ進んでいき。

「どうしたんですか?クロさん…?」

「すまんなレツ。俺ら、パートナーだよな。親友だよな。」

「え、ええ。」







「だから許してくれ。」







 クロはその後レツの耳へ小声で何かを言うと握りこぶしを作る。

クロは思いっきりレツをぶん殴る!!!!

そのパンチの衝撃波は後ろ前、ありとあらゆる方向へ拡散していき

風圧が発生するほどだった。



 次の瞬間にはレツはさきほど不時着していた山に埋もれており。

俺らはクロを二度見した。

「まさか、そんな!」

「え?なんで殴った?」

「クロ…まさか、お前!!」




 


 その場にいた全員があっけらかんにとられる中。

《殺》の歯車は嘲笑とともに絶望を言葉にする。

「そのまさかですよ。『その馬鹿』は《究極の歯車》のほうへ寝返りました。

あははははは」

「…」

「…」

「…」



▲▲▲▲▲▲▲▲



「さてと、まだこっちに駒はいます。ウプシロン!」

「おけー☆」

 そうオングストロームが口にすると見たことのある『変換』を司る黄緑色の歯車

『変』の歯車…@が砂場から出てくる。

「そして人間とそれについた妖怪も。」

 オングストロームが鎌を振るうと空間に亀裂が走り、

狸の獣人であるトシツキ君と、その周りに黒いもやのようなものが出てくる。

あれが死神だろうか?

「「………。」」






「さてと、簡単な《足し算と引き算》をしましょう。

あなた方は『医』の歯車がいなくなってたったの2つ。

対するこちらの戦力は私を含めて5つ。

二対五です。

いやぁ『巨』の歯車の、《鬱》の歯車への攻撃はそこに転がっている邪魔者の多くを戦闘不能に、陥らせてくれて本当に助かりました。不意打ちも成功。

最小の手間で完結する、すばらしいことでしょう?私は余計な手間が嫌いなので。」



 ………ニッちゃんたちが動けない今、状況が悪すぎる。

最強の力を持つ歯車、『力』の歯車クロ。

歯車を無効化する歯車、《殺》の歯車オングストローム。

変換を司る歯車、『変』の歯車@。

俺と同じ世界最上位の能力Idを保有している獣人少年、トシツキ。

彼に憑りついた謎の妖怪、死神。





 まずい………。今までで一番理不尽で残酷すぎる!!



「あっはあはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!

さぁ!絶望の実感を受け止めなさい!!!」




 場に静寂が訪れる。





 ぽつぽつとまた雨が、降ってきた。さっきまでいい天気だったのに。







 世界が静かに『幸福』から《絶望》に、支配されるような気分がした。



▽▽▽▽▽▽▽▽

挿絵(By みてみん)

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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~

~オングストロームは概念以外のすべてを屠れるぞ!~

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