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第14話その2『未来への漂流者:The City』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『時計の音を聞く』気持ちで読んでください!




 ――……は!?




 何だったんだ?今のは?駄目だ・・・すごくあいまいなことしか思い出せない…。

俺は確か4thカラーっていう、時間とか空間とかを操る歯車にぶった押された…。

そして『おまえ』と再会し、意味の分からないことを言われた。

…ある決断が行われた後の世界??

俺は体を起こすと目の間にはユウジとソライが頭を抱えながら立っていた。

つーか妙に寒いし息苦しい…。



「お、サイムも起きたか?」

「サイム、おそよう。」

「ユウジ。ソライ。」

 なんだかすげぇ困った顔をしているが何があったんだ?



 そんな俺を見かねて、ユウジが俺の肩をつかむ。

「サイム!落ち着いて聞いてくれ。」

「お前が落ち着け。何があった?」

「まず、ニッちゃんたちの姿がない。

『女性陣+アル』と『俺ら男性陣の馬鹿三人』とチームが分断された!」

「は?」

 俺は辺りを見渡す、確かにさっきまでそこに倒れていたはずの

ニッちゃん、ユミ、ハナビ、アルの姿がなかった。

さっきと見た感じ同じ場所にいる俺ら。普通に考えれば拉致られたってことか!?

「次に重大なことだ。家がどこか行った!」

「は、はああああああああああああああああああああ!?」

 確かにさっきまであったはずの家もなかった。





「オレの予想だと、4thカラーと戦っているときに何らかの事柄ことがらがあって、

ユミが操縦して逃げ出したんだと思う。デカいモンスターが出たとか…。」

「待った!ユウジ、それだとおかしいよ。タイヤ痕がないのはなぜなのさ?」

 ユウジの予想にソライは異議を唱える。

「…確かにそういわれればそうだな。決めつけはよくない…。」

「まるで、『最初からなかったみたい』なんだよね。

それにさっきから色々と変だし…。この気温とか…。」

 …さっきから薄ら寒い。曇り空だし。

秋っていうより冬に近い気がする…半袖だからかなぁ……?




「まぁ場所は同じ場所なんだよな?

突然、違う場所に転移させられたっていうパターンもあるけど。」

「パッと見て同じ場所っぽいんだけど。一つ、違うものがあるんだ。

それが一番変だって言える要因だったり…。」

「と、いうと?」

「「あれ」」

 ソライ達は崖の下のほうを指さす。







 それは信じられないような光景だった。



 そこには割と近場に、巨大な街があった。

明らかに未来的な建築物で、先ほどまで走っていたはずの、むき出しの崖はガードレールで覆われており、何もないはずの場所に大都市が突然出現していた。

しかもだ。どうあがいても俺らが行ったどの都市よりも近未来的な建築様式だ。

かなり巨大だし、ビルはここから見れるほど高い…。

「ははは…」

 そんなものがなんの脈略もなく突然現れたもんだから、笑うしかない。

冷や汗が出て、目は笑えないタイプの変な笑いが出る、ああいう感じだ。



▽▽▽▽▽▽▽▽



「…ははは…………あんなものあったけ?」

「いや、さすがにあんなにバカでかい都市があるなら僕も気づいていたよ。

というより道中に確実に寄ってアニメショップで買い込んでいる。」

「オレも女を一人は恋に落としている自信がある。」

 ウチのマヌケ共の感想は置いといて……

ここにいる三人ともあんな都市は知らない。

地図にあんなバカでかい都市が載っていないのおかしいし…。

「何なんだろうなあれ…っていうか、ここら辺ってこんなに空気悪かったけ?

あとうすら寒い。」

「そもそもここに都市って、なかった気がするんだけど。…へっくち!」

 …まぁうだうだ言っていても始まらない。あそこを探索しよう。

消えた4thカラーの謎も気になるし…。

それにここにはいない女子組+アルが、もしもあの都市にいるとして、あそこを探索しないのはちょっと変だし…。







 ――あと、純粋に腹が減った…。





 襲撃されたのが晩飯前。カレーが煮込まれていた時だった。

あそこに行けば飯にありつけると思いながら、謎の都市を目指すことにする。



「うし、謎は残るばかりだが、まずは行動しないと始まらねぇ。

とりあえずニッちゃんたち探しに行きがてら調査しに行くぞ。」

「「了解。」」

 俺たちは突如出現した崖下の謎の都市へと調査しに行くことになった。





▽▽▽▽▽▽▽▽





「ニッちゃんー」

「ユミー!」

「ハナビちゃんー!アルー!」

 俺らは崖を降りて都市に入り、みんなの名前を叫びながら辺りを歩く。

幸い、俺らが戦っていた崖上からあそこまでのそんなに遠くはなく、

ガードレールで舗装された通路もも出現してるくらいだからと、

探してみれば崖を降りるための階段もあった。



 あそこからエアボード(※3話等に登場)に乗り、30分弱ですぐに都市についたのだが…。





「みんな、どこ行ったんだろう?」

「4thカラーにもしかして拉致られたりして?」

「あーそれありえそう。」

「ところでさ、いろいろと突っ込みたいことがある。」

「俺もあるぜ」

「僕も」

「なんで人、一人いねーーーーんだよ!!この街!!」

 この都市…近未来的だが誰一人として人がいない!

電気も通っている様子もない!信号もエレベーターも作動せず!

高層ビルはコンクリと金属の『ただのでかい棒』みたいな感じでしか役割を果たさない!

とにもかくにも人がいない!ずっと放置されっぱなしの無人の都市って感じだ。

さっきまで俺らはこんな都市見たことも聞いたこともないから気味が悪い。

この都市は一体何なんだ!?





 ……まさか…『おまえ』の言った通り…

ここは『未来の世界』なのか?



▽▽▽▽▽▽▽▽



「あとなんか閑散としているよね。なんていうかゴーストタウンって感じ。」

「いや、このレベルの街だとむしろゴーストシティって感じだな。」

「…なぁ……お前ら、気が付かないのか?」

「気づくって何を?」

「ユウジどした?」

「例えばあの店、なんか変だとは思わないか?」

 ユウジがガラス張りの『シャレオツ』な店を指さす。

「…いや、普通の廃屋に見えるけど。」

「そう、廃屋だ。

だがところどころ『銃弾』で窓が割られているんだよ。」

「あ、ほんとだ。」

 ユウジが指さすショーウィンドウには明らかに銃弾サイズの穴が空いている。

それも何発も…。



「ほかの建物にも刀でつけた傷や、爆弾の後がある。

つまりここで戦闘が行われたってことなんだよ。」

「さすがユウジ。よく気が付いたな。」

「さすユウ。」

「ふふん。もっと褒めたまえ、崇め奉りたまえ!!」

「ん?ということはこの都市では、武器が使える?」




「試してみますかい?サイム。ギアパス。」

「ほらよ。」

 俺はさっきの武器合成で使ったソライのギアを渡す。

「おk、ガジェットギア・セット!」

 ソライのギアはいつもの刀に変わる。



「うーーーんこういう都市ってさ。基本、武器発生不可の妨害電波出ているよね…」

「暴動でもあって電波発生装置が破壊されたとかか?」

「決めつけるな。この都市には謎が多すぎるぞ。」

「気をつけろよ。まだこの戦闘痕がいつできたものなのかわからない。

サイム、オレにもギアパス。」

「ほらよ。」

「ガジェットギア・セット。」

 ユウジは銃へ変形させる。

「俺もガジェットギア・セット。」

 俺も槍へ変形する。

「ニッちゃんたちが心配だね…

だって今、ギアはサイムの手元に一か所に集まっているわけでしょ。」

 …そういえばカオスミックスで全員の武器を混ぜてしまったんだ…。





「確かに、あいつらは今、無防備だ。心配だ…。」

「はやく探してハナビちゃんをなでなでして、抱っこして、不安だろうから目いっぱい僕が甘えさせてあげなきゃ。」

「さすがロリコン、発想が犯罪者っぽくてキモイ。」

「いやいやそのキモさなかったら、胸を張ってロリコンと言えないからね。」

「もうお前、いっそすがすがしいよ。」

 ソライはこんな不気味な都市でも上機嫌に笑う。

「はっはっは!きもくて当然!つるペタ幼女&少女&ロリ巨乳サイコーーー!」

 ああ、ニッちゃんがいたらこいつにお仕置きができるんだが…。

昔は俺の元カノのヒトメがこいつを殴っててくれたが…。




 そんなことを考えていた……その時、急に突風が吹きあれる。

「わっぷ。」

 そしてソライに性犯罪者的発言したバツのように汚い新聞紙が顔面に張り付く。







 ソライが顔に張り付いた新聞紙をはがす。



「まったくごみを捨てるなんてよくないなぁ…

……………

……………

……………

……………

……………ん?ええ!!!?」

「どしたソライ?」

「これ!この新聞紙の見出し見て!」

「…はぁ!?」

新聞紙にはこう書いてあった。

『人類滅亡のカウントダウン!!』

「はぁ?滅亡?」



「それに…こ、ここ!これ!!」

 ソライはあることに気づき、そこを指さす。

それは新聞紙の上の欄、発刊日。

「2038年9月…!?」



▽▽▽▽▽▽▽▽



 ……………今は2021年9月。

新聞に書いているのは2038年9月。

17年後………………。

「え」

「「えええええええええぇぇぇぇぇ!?」」

「つまり今はみ、未来って事かぁ!?」

「ウソダドンドコドーン!」

「17年の間に、一体何があった!?」



「まて落ち着け!おそらくこれは巧妙などっきりかなんかなんだ!

きっと仕掛け人はニッちゃん。」

「いや、でも。どうしてどっきりなんか仕掛けるんだよ!おちつけ社長!」

「いやいや、ニッちゃんのことだからそりゃないでしょ!サイム!少し冷静に!」

「じゃあまさかまさかまさか!!これはマジなのか!?」

「うーーーん信じられないことだけど、本当っぽい気がする。

だってさっきまでこの都市なかったでしょ?」

「ああ、確かに。ソライ!新聞にはなんて書いてんだよ!?」

「よ、読んでみるね。」



▽▽▽▽▽▽▽▽



『我らは忌々しい【エイドスドアルーム】により人類滅亡まで追い込まれている。

エイドスドアより生み出された超生物『オドロ』の影響により人類の4/5(よんぶんのご)まで激減!!

今や我が国の10の大規模シェルターのうち3つは崩壊まで追い込まれた。

まだ生き残っている人々よ。

希望を捨てるな!我が国はオドロを駆逐するための、プロジェクトはすでに動いている!

すべては日のもとに、照らさんとする心のままに!!』





「だってさ…」

「わけわからん。俺らの国ってこんな感じだったっけ??」

「してない。鎖国はしてたはずだけどなぁ…」

「そもそもシェルターって……なんで人がそんなところで生活してんだ?」

「それもわからん。」

「ん?なぁなぁこのオドロってソライの実家で聞いた奴と同じじゃないか?」

「いわれてみればそうかも。」

 そもそもエイドスドアルームってのも最近、ソライの実家で聞いた。

あの神話の城だ…。




「なぁ、ソライ、ユウジ。提案があるんだが。」

「ん?何?」

「ここが未来って事なら未来の俺たちに助けを求めればいいんじゃね。」

 SF漫画あるあるな展開だが。だが実際に考えてみてほしい。

こういう状況下、頼れる存在って何かと聞かれれば、未来の自分たちが適任なのだ。

なぜなら未来の自分たちなら帰り方を知っているはずだし。

裏切ることもそうそうないだろう。




「確かに、未来の自分なら過去の自分を助けてくれるものかも。

ついでにちょーっと競馬のあたりを、教えてくれれば一生、お金には困らないね。」

 それもある。

「いやいや、競馬のあたり予想教えてくれないだろうし。

そもそもオレら生きているかわかんねーぞ。」

「うーーーむ。………まぁとりあえずの目標は人に出会うことだな。」

「そうだな。うだうだ言ってても始まらねぇ。とりあえず歩くか。」



▽▽▽▽▽▽▽▽




 ――歩きまわること、30分…



「しかし、本当に人がいないな。」

「ユウジ~~、エイドスドアルームって何だと思う?

僕の実家ではアルが現れた大扉がある城って言われてたけどさ~。

そもそも敵ってなんだろ?オドロしかわからないし…。」



「何だろうな…その城の中に自動で動く機械があって、

だからこそ…案外、人の奴隷が欲しいとかか?」

「でもそんなに便利なら別に人いらなくない?

オドロはエイドスドアルームから現れたんだろ?オドロを奴隷にすればいいだけじゃん。

そもそもそんなマシンみたいなのが敵なのかな…?」

「じゃあ国家間の戦争とかか?」

「うーーーん…。」

 ソライとユウジの会話を聞いてふと気が付く。

「……なぁ…そもそもオドロってなんだ?」

「「?」」

「僕の実家では確か、『不定形』で『毒』を持っていて『人間』を『多種族』へ変貌させる種族。

って聞かされたよ。」

 ……それって。

「それってさ。スライム…じゃね?」

「でも多種族へ変貌させるスライムなんて聞いたことないよ…。

ゾンビウイルスか何かかい?」

「ただ会った時のことは考えておこう。無策は危険だ。」

 ユウジは唐突に俺とソライの肩をがっしり掴んで言う。

たぶん、とりあえず攻撃すればいいとか考えている、俺達を見透かしているんだろう。

…実際そう考えていたから何も言い返せない…。

俺らは一時、足を止めていったん戦略を練る。





「まず第一にソライ…お前は今は攻撃するな。」

「え?なんで?手負いだから?」

「それもあるが、近接攻撃事態が危険な可能性がある。

お前の攻撃は刀…中距離じゃない。

スライムのように多種多様な能力を持つトリッキーな奴の場合、攻撃が回避しずらいだろう。

特に今はベストの状況じゃない。逃げられなかった時点でアウト。

なにせ多種族へ変貌させる生命体だ。サイムも近接攻撃は極力避けたほうがいい。」

「…わかったよ。でも僕一人だけ戦闘に参加しないのは嫌だなぁ…。」

「……それもそうだが…。

最悪カオスミックスで刀を中距離武器に改造するしかないな…。

…サイムペナルティまであとのどのくらいだ?」



 俺はユウジの質問に対して右手の親指のみを折り『四本指』を向ける。

カオスミックスの副作用ペナルティまで最大9回

未来に来ちゃったし、今日?って言っていいのかわからないが、不発含め6回使った。

つまり24時間中に使える俺の能力 カオスミックスの回数はせいぜい『残り3回』




「ふぅむ…あんまりうかつに連発できないな…。

下手に使って訳の分からない武器だった場合やばいし…。」

「そうだな…とりあえず謎の敵対生物オドロってのに会ってから、ニッちゃんたちの使ってない武器を混ぜてしまおう。敵を観察してみることは大事だし、敵に対して有効なソライ向けの中遠距離武器ができるかもしれない。」

「そうだな。」

「あとはこの街のことだけど…。」

 ソライは眼前の摩天楼を指さす。

駅かと思われる場所やショッピングモールのような場所。

一番高いビルは40階建てはありそうだ。

だが無人だ。ここらを全部探索せにゃならんと行けないのかと思うと、面倒だという気持ちがせりあがってくる。

「うーーーーーん。悩んでいてもわからないしぃ~。

人がいそうなとこ」



 俺がそう言いかけたその時!






 少し先から

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッッッ!!!

という銃声が聞こえてくる。



「今のは…」

「銃声だな。こっちの方角から聞こえたぞ。」

「行ってみよう。」

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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~

~世界はたまに物理法則を無視した現象が起こっているらしいぞ!~

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