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第四章_古き前置き『儚キ昔、浅キ夢見シ人間道、其ノ心』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『わっひょいな』気持ちで読んでください!

第四章【心で戦う物語:古の里への謀反、貴女に勝つんだッ!編】


 ――今は昔、混迷成る闇の世にて、

我ら旅し、この言の葉を後世に残さんと文に記す。

我ら六人は旅人、原初の旅人也。

此度、筆を取りし理は、いずれ来るべき世に、我らが仇敵かの荒魂(あらみたま)が蘇りし時、子々孫々の人らに我が心を伝えんとすため筆を取った。



 口伝にて語られし我が名は、我宙(がちゅう)

又の名を雉武彦(きじたけひこ)という。



 ではこの面妖な物語を読みしもの。心せよ。



▽▽▽▽▽▽▽▽



「なーにぼーっとしておられるのでしょう?主殿。」

「いや、なに。我らの旅を後世に伝えんとするがため、寝物語なり唄なりにしたとすれば、いかように伝えるべきか悩んでおった。」

「HAHAHA!我が盟友は愉快コミカルでござるな~!」

「紙と筆はあるよ~。」

「鍛錬に飽きたらよいかもしれぬな。」

「また、面妖なことを考えましたな。いっそ、文にでもして残しておけばよいのでは?」

 愉快に皆が言ふのを見て、我は少しばかし微笑む。



「それもよいな…。」

 我がぽつりとつぶやくと、黒髪紅き片目の黒い模様の者が笑う。

「では、はやくこの世を平和にせねばな。皆が笑える世へ。」



 それを聞きし、編み笠を付けた単眼なる人型は、模様の者へ寄り添い。

「そーだよね。コクちゃん。」



 我の呟きに筋骨隆々の異国の緑髪は大笑いをする。

「HAHAHAHA!ジャルマスが文を書くとはこれは、ケッサクではないか?

字を覚えたばかりであろうに、もしのちの世に一世紀センチュリーデモ、残ったら驚愕アンビリバボーでござる!」



 その異国の緑髪に、豪快に肩を叩かれし、狼なる獣の者はいらだちを隠さず威嚇しつっかかる。

「ワシの肩を叩くのをやめんか、カイラ!あと主様であるタケヒコ様をジャルマスというな!

この人は我らが英雄であるぞ!軽率な言葉は、侮辱であると思えと言うてろうに!」

「Pardon?」



 異国人は獣人を煽るかのように、ふざけた顔をす。

「くぅうう!!このうつけ脳筋の阿呆があああ!!!

斬り倒してくれよう!!

首を出せェ耳長ァ!!」

「HAHAHA!!存の字、YOUじゃ、おいの首は取れないネ!

おいはそこな友ジャルマスで互角だったのダ!HAHAHA!!」



 それを見かねたのか三本の角生えし鬼の娘がこう言う。

「やめぬか。うつけども。魔物は音に敏感。それに残りの兵糧もわずかという

このような時に、貴様ら遊ぶな。わても酒を飲めぬというに。」

「「…あいよ~。」」



 言い忘れたが今は冬、宵の始め。

あまたの魔物存在す森にて、火で暖を囲んで飯食らう時。

先ほど、鬼の娘申した通り、兵糧が尽きかけておる。

というのもこの森に迷い込んで、十余り四日。

旅に出てもう一年は経つ。





 我らが目的は各地の『超越せし歯車』を入手し。

今は眠りについた創造主を目覚めさせ、混迷たる世界を平和にせんとすることである。







 だが我らは残り歯車七つという所で、このような山の中で行き倒れそうになっているとは

故郷の者はよもや思うまい。情けない話である。



「『キンガ』よ。この山を抜けると、どこへ着く?」

 我は仲間である単眼なる人型の絡繰り少女『キンガ』へと尋ねる。

「うーーーん。あっしのコンパスが正しいのならここから日出の方へ進むと、

故郷の『照町てるまち』へと着くよ。その前に猛獣の草原を、抜けねばならないけど。」



 我が友、緑髪の異国人『カイラ』は手を打ち、にやりと笑う。

「Oh!久々でござる!しかし金の字には、コンパスもついているでござるか!グレイト!」

「カイラにぃは、コンパスがわかるんだねぇ~。」

「ザッツライト。まぁいまいち使い方はわからなかったでござるが!」

「…よくここへ、避難民として移住できたね…。」



 黒い模様の者『コクゴク』はキンガの頭へ手をのせて自慢げに笑う。

「そいつぁそうさ。『馬鹿ばカイラ』である君よりも、キンガのほうが優秀に決まっている。

……そうだ、キンガ。その『こんぱす』ってのは何なのか。前みたいに教えておくれよ。

もっと学ばせておくれよ。」

「いいよ!コクちゃん!」

「ふふ。やはりキンガはめんこいな。」



 コクゴクがキンガを撫でるのを見て。

狼なる獣の者『ゾンガイ』は呆れたようにつぶやく。

「まったく…コクゴクはキンガのことになると、いつもれだ。

貴様はキンガに甘すぎるぞ。愛欲が深い。我らがいるのは常に戦場ぞ。」

「戦場であるが故ぞ。ゾンガイ。

あと、お前はいささか乱暴が過ぎる。斬るしか能のない女はいつまでも嫁にいけぬと思え。」

「余計なお世話だ淫乱!」



 三本の角生えし鬼の娘『ジンコ』は錫杖で地面を揺らし、皆を制止す。

「だーかーら、主殿の御前で狼藉をすな!と言っておろうにこの馬鹿どもめ!」

「HAHAHAソーリーソーリー!」

「すまない。」

「たくッ」

「はは。まぁよい。この地の未来は明るく温かい阿呆どもが笑う心ありし平和な土地になる。

いずれそうなるのだ。このくらいのこと、笑い飛ばせジンコ。」

「…主殿は、甘すぎます。」

 ジンコは頬を染め少し笑う。病であろうか?

と思ったが、元の顔に戻った我の杞憂であったようだ。



▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▲



「HAHAHAHAまったくちんちくりんはHAHA……。

…Shit…………!」

 カイラも感じ取ったのだろう。水をかけ暖の火を消す。



 東にわずかに聞き覚えありし、悪なる者の気配アリ。



「わての声のせいか?」

「否、音の方角は、まだ遠い。この感じは《オドロ》と思う。」

「数は?」

「おおよそ、二百…五百……いや千超えし。移動しておる。」

「多いし…。こっちの方角はよくないな…。ソナーによると位置は猛獣の草原。

向かっている先は人家…照町があるよ。」

「…ベリーハードでござるネ…HAHAHA。」

「ついに動き出したか。荒魂(あらみたま)め…。

皆、止めるぞ。六対千。故郷を守る。

思い人を我らが守らずしていつ守る?」

 我がそう号令をかけた武士もののふ共は、士気が上がる。



 我らは一斉に古代の武器を構え前を見る。



「「「「「「超越なる歯車(レガシーギア)装填セット」」」」」」



「行きましょう。我らが里を守るのです。そして奴らの敗北を酒の肴にしてやるのです。」

「この『鏡』の力宿りし七支刀。『鏡開き』で、全て斬り伏せようぞ。」

「HAHAHAHA!戦ぞ!

おいがいる限りはアヤカシ、ケダモノの風情がWINNERを飾ることなんて無いネ~~!」

「このような《目と肌》に変えた報いを受けてもらうぞ。魔神の先兵!」

「あっしは使命を果たします!そして友や忠義の限り、皆を守りましょう!」

「さぁ皆!」


「「「「「「いざ!」」」」」」

 我らは獣の道、夜をかけ敵を屠る。



▽▽▽▽▽▽▽▽



 これは今は昔。

人と魔による戦の日々。

世が混乱を迎え旅をした、六道りくどうを歩んだものの話。



▽▽▽▽▽▽▽▽




 戦が終わったのかいつの間にか眠っていた。

空を見上げると、忌々しいものが目に飛び込む。



 それはエイドスドアルームと呼ばれているものだ。



 寝起きの脳は闘志にあふれかえり斧の切っ先を向け、

言葉を発せずうなる。この心はきっと忘れることがない。



 原初の旅人。我らが生きし、かの日々。



 儚き日々。我の在りし日の心残りを……どうか…。





挿絵(By みてみん)

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