消えゆく世界
突然、空から声が聞こえた!
この世界はあと7日で終わります・・・
誰もが言葉を失った!時間が経つにつれ、怒りが込み上げてくる!
「ふざけるな!俺たちの3年間は何だったんだ!」
そう、その3年間は俺にとってかけがえのない時間だった…恋人、仲間、ライバル、そして取り柄のない俺の武器『努力』で作り上げた強さ!
全て消えるのか…いや…それとも死ぬのか…
俺は仲間達と7日間必死でこの世界を終わらせないようにした。
だが無情にも時間が過ぎてゆく…
そして運命の7日目が来た!
「結局何も出来なかったな」
「そんなことないよ。ゆうきは頑張った!」
俺は最後の7日目、午前中は仲間と過ごし午後は恋人のさくと過ごしていた。
この世界に来て3年、始まりの街から共に成長してきた。さくはショートカットのかわいい子だ!なぜか俺のことを好きでいてくれる。
さくがじーっと俺を見ていた。
「何?」
「私のこと、好きでいてくれる?」
「好きだから付き合ってると思うんだけど?」
「そっか…絶対ゆうきの努力は無駄にさせないよ!」
「え?…うん、ありがとう!」
何かさくの様子がおかしい、何かを決意した顔だ。
時間はあと1時間を過ぎようとしていた、この世界に来てさくとこんなに話すのは初めてかもしれない…
あと30分…
「この世界が終わるってことは私たち死ぬのかな?」さくが寂しそうな顔で聞いてきた。
「わからない…でも後悔はあるよ」
「この世界を救えずに終わらせてしまった。あとはさくと結婚出来なかったことかな!」
さくは優しい笑顔でうなずいた。
あと5分…
俺とさくは優しく抱き合った。
「ねえ、もし新しい世界が待ってたら、私を見つけてくれる?」
「ああ、必ず見つけるよ!そして今度こそ、みんなで世界を救おう!」
だが、そんな保証は何もないのだ、このまま終わりかもしれないし、何に転生するかは決まってはいない。
あと1分…
辺りは段々暗くなっていく、そんな中でもさくの笑顔が崩れない。
(ああ、良かった最後にさくと一緒で…)
「さく、ありがとう…きっとまた会えるよ!」
「そうだよ!ゆうきだけじゃなくみんなも私がきっと…」
さくが何か言いかけたときに声が聞こえなくなった。
もう終わるのか…何も見えない世界で確かに俺はさくとキスをした!
そして転生して3年で世界と共に俺たちは消えた…