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ネコ化男子の非日常

作者: 春紫苑

霧雨が、外套などお構いなしに、肌にまとわりついてくる。

顔に霧吹きを吹きかけられているような不快感。手で拭うと、思った以上に濡れていて、水滴が、顎から喉を伝っていった。

目を開けているのが、結構辛いのだが、見ておかないことには話しにならない。隠れられる場所はここしか無く、標的のいる部屋は、二階。


「なんでこんな日に限ってでてくるかな」


腹から、そんな声。僕以外には、にゃーとしか聞こえない。


「そんなの、ターゲットに言ってよ。天気を選べって」

「言えないから君に言ってるのに」

「僕に言われたって困る」


外套の内側、僕の上着の中に丸まって、ぬくぬくしているくせに、文句言うなよと言いたい。

だけど、この天気の中ついてきてくれただけ有難いと思うべきなのか……猫だしな……濡れたくないのは本能だからな……。


「……帰ったら、鶏皮あげるから、今は我慢の子だ」

「しょうがないなーっ、君のためだもの、付き合ってあげるよーっ」


急に上機嫌になった……。ゴロゴロと喉を鳴らし、フニフニとお腹を押してくる……。

くそっ、カリカリに焼いた鶏皮、僕も好物なのに……。


そんなやりとりをしていたら、フッと光源が消えた。おっ。


「やっとおやすみみたいだな。半時間待ったら、行くよ」

「はいはーい。じゃあそろそろ、憑依しておく?」


そう聞くと共に、ありえないような小さな隙間をすり抜けて、黒猫の顔が、外套の首元からにゅっと、飛び出す。


「外から見ると、怖いからやめなさいって」


猫の生首にしか見えないんだよ……。


「細かいことは気にするなよ、そろそろ夜目に慣らしておいた方が良いって。

ギリギリまで待ってると、また酔っちゃうんじゃない?」


猫の目に慣れてないと、普段見ないものが見える感覚に酔う。

だけど酔う理由の大半は、憑依されることへの違和感だと思う……。

だって、鼠とか、蜥蜴とか、美味そうって思っちゃうんだよ……絶対食いたくないのに生唾が……。もし誘惑に負けたらとか思うと凄い怖い……。だって猫はゴキ◯リすら口に含める生き物なんだぞ⁉︎

しかも憑依の仕方がもう、あれだしなぁ……。


「なあなあ、憑依しようよ。君の身体、早く入りたい。なぁ、もうそろそろいいじゃん。なあなあ」

「わかった、分かったから静かにっ!……はい、どうぞ」


上を向いて、大きく口を開く。ついでに目は閉じる。

間違っても、見ていたくない。気持ち悪さに吐きそうになる。

すると、胸元からするりと何かがすり抜けていく感覚の後、口内を喉の奥に向かい、空気の塊が通るような圧迫感。

そして胃の中から、全身にブワッと、血が急に増量したような感覚の後、指先まで神経が行き届いたのが分かる。

……もし見ていた人がいたとしたら、僕が猫の踊り食いをしていたように見えたろう……。


目を開くと、今まで藍色に染まっていた闇夜が、まるで曇り空の日中みたいに、見渡せるようになっていて、その違和感は毎度のことなのに、慣れないよなと思う。


「ははっ、やっぱ楽しいなぁ。世界が小さくなった。ほんと、面白い」


口が勝手に言葉を紡ぐ。僕じゃない意識が、僕より僕を支配してる。


おい、はしゃいでないで、大人しく隠れておけってば。


「はいはい、だけどさ、もう寝息しか聞こえないよ?寝てると思うけどな?」


そう言われて耳をすますと、何かざわざわするものが聞こえる。


「あ、そっちはネズミの声。それじゃなくて、もっと低い音だよ。ふーうーって、聞こえてる方」


いろんな音がありすぎて、正直全然、聞きわけられない……。


「まあいっか。とにかく、寝てるよ。だからもう行こう?」


そう言いながらも、僕の制止なんてどうせ聞いていないこいつは、さっさと隠れていたゴミ箱の陰から出てしまい、外套を脱ぎ捨てた。

黒装束に身を固め、頭巾をかぶっている僕は、更に懐から、目元を隠す仮面を取り出す。

何重に隠したって不安は拭えない。僕だって痕跡は、絶対に残したくない。


「絶対にバレないと思うけどなぁ。瞳孔が縦に長い人間なんて、いやしないんだからさぁ?」


くすくすと笑う僕の瞳は今、少しの光源で、きっとギラギラ光って見えることだろう。

そして瞳孔は縦長にスッと細まるはずだ。光源がない今は、人には無いくらい、丸く大きくなっていることだろう。


トントンと、軽くジャンプを繰り返してから、数歩後退し、ちょっとの助走から、ふわりと体が宙に舞う。高い塀に手を引っ掛けて、少し足りない高さを腕の力で補って、カエルみたいな体勢で、塀の上に着地する。降りるのかと思いきや、そのまま細い足場を、背を低くして走り出す。

お尻がスカスカすると感じるのは、きっと尻尾が無いせいだ。だから、猫でいる時よりちょっと、運動音痴になってしまう。

塀の上を走った勢いのまま、またジャンプ。部屋から離れてどうするのかと思っていたら、玄関上の屋根に飛び乗り、傾斜を登って屋敷の外壁に到着した。だけど……目標の部屋まで、どうやって行くつもり……?


「え?露台があるじゃん?」


あるけども……遠いじゃん。


「もう何度もあれくらい、飛び移ってるのに……」


普通に考えたら飛び移れない距離なの!


くすくすと笑いながら、体が傾斜のある屋根の上を走り、また飛ぶ。

途中にあった窓枠。その細い奥行きを足がかりにして、更に飛んだ。

なんの苦もなく、露台に到達し、ここまで来ると確かに聞きわれられる。規則正しい、息遣い。


そのまま僕の体は、右手を腰の後ろに回す。細い針金を取り出して、窓の隙間にそれを差し込む。

上に持ち上げると、掛けてあった留め金が持ち上がる、かすかな音が耳に届く。


「おじゃましまーす」


小声でそう言って、部屋に入る。

視線を巡らすと、あった。ターゲット。

装飾品が並ぶ宝石箱。仕切られたその枠のうちの一つに、入っていた。

虹彩が黄色い目玉。見ていて気持ちがいいもんじゃない……。


「なんでこんなの、後生大事に、宝石箱にしまえるかな」


心底楽しそうにそう言って、その目玉に手を伸ばす。

それはね、僕らには目玉に見えてるけど、他の人にはそう見えないからさ。


「どう見たって目玉なのにねぇ?なんで宝石に見えるんだろう」


人間って、ほんと不思議。そう言ってくすくす笑う。この目玉は回収させてもらうしかない。だけど、ただ持って帰ると、泥棒に入られたと大騒ぎになってしまう。

じゃあどうするかって?それを考えると暗澹たる心地になるんだよね……。


「仕方ないじゃん、ほら、やるよ」


くぱぁと、口を大きく開いて、目玉を放り込む。

ブルリと身が震えた。

違和感が半端無い……だってもう憑依されてるのに……更にもう一つ、異物が放り込まれた。

ボゴッと、左目が膨れるような違和感。ああ……これ、左眼なのか。


別の意識が、僕の中で僕を圧迫してくる。けれど、それは彼が牽制してくれた。


「おいたしちゃ駄目だよ。ちゃんと帰してあげるから。

ここに居たくないんでしょ?なら、協力してくれないと」


そう言うと、左目の違和感が小さくなる。

だけど、目からこぼれ落ちそうなくらい、張り出したままなのが分かる。

僕の手が、頭巾と仮面を外した。顔が露わになる。ああ嫌だ、怖い、顔を晒したくない。だけど、隠したまんまじゃきっと説得力がない。

外したそれは、懐に突っ込む。もっと丁寧にやって!万が一落としたら、そこから僕まで、辿られてしまうかもしれないのに!


「そんなことないって。

まあ、分かったからそんな、泣きそうな気配にならないでよ」


一人芝居みたいにブツブツしゃべって、頭巾で仮面を包み、懐奥にしまう。

そうしてから、寝台に眠る、持ち主の方に向かった。

フワッと跳躍して、やや乱暴に着地する。ギシッと寝台が軋み、揺れる。

寝ていたこの家の住人は、その違和感に、無理矢理意識を覚醒させられる。


「こんばんは。とても良い夜だよね」


自分を跨ぎ、立つ黒ずくめの人物に、その人はヒュッと、呼吸を止めた。

驚きと恐怖に、瞳が最大限まで見開かれる。

その表情に満足したかのように、僕の顔は愉悦を含んだ、満面の笑顔になる。


「僕がなんでここにいるのかってことが気になるのかな?

それはね、君が手に入れた、僕のものを返してもらうために、わざわざ出向いて来たからなんだよ。

君が今日、宝石箱に移したもの、あれ、僕の左眼なんだよねぇ……返してもらうよ?」


そう言って、愛おしげに、左頬に手を添える。

張り出した左眼。それがぎょろりと、不可解な動き方をしたのが、見える視界の動きで分かる。

右眼と全く違う方向を見るものだから、視界が中心から左右で違う……。

右眼は恐怖に歪んだその人を見下ろし、左眼は部屋の中をぐるりと見渡している。

ううぅぅ、酔いそう……脳が映像処理に追いつかない……。

僕の気持ち悪さがどうにも体に影響してしまった様子で、笑みの形につり上がっていた口角が歪む。


「おっといけない。うっかりしてると、つい君に噛みつきたくなっちゃうよね。

正直、僕の左眼を奪われた腹いせくらい、しても良いと思うんだけど……」


口元の歪みを誤魔化してそう言うと、寝台の人はブンブンと首を振った。


「うん、分かってるよ。君はこれを買っただけって言いたいんだよね?うん。だから僕も我慢してる。

だけどねぇ……これ、どうして買ったのかって部分だよね?

呪いの宝石とか言われたんじゃない?

それで、呪いたい相手が、あそこの写真の子たちなわけだよね?」


左眼が見ている先、壁に貼り付けられたたくさんの写真には、顔に無数の針を刺された女性が何枚も貼られている。えぐい……気持ち悪い……平然とそれをしてしまっているこの人の思考が怖い……。


「人を呪わば穴二つ……って言うんだよ。自分だけ都合良く、おいしいとこだけ貰えるわけないじゃない。

だけどまぁ、今回は、これを買い取った大金に免じて、一回だけ、許してあげることにするよ」


その言葉に、ほっと胸をなでおろす気配。

すると、左眼がぎょろりと動いて、その人を見た。またヒッと、慄く。


「一回だけ。だよ。もう顔も、匂いも、覚えたから。

次が、早くやってくることを願うよ。君はどうせ、また手を出すでしょう?

別の新しい何かに……。

呪ってみたら良いよ。その結果がどういったものか、体感してみたら?

そうして最後は僕が、君を、食べに来てあげるよ……」


腰を屈め、顔を近付けて僕は笑う。ぎょろぎょろ動く左目も大人しく、その人をじっと見据える。

恐怖に引きつったその人は、次の瞬間意識を手放した。

白目を剥いて動かなくなる。


「じゃ、おやすみ〜」


寝台から降りた僕は、そのまま露台へ。そしてひらりと、飛び降りた。

塀に一旦足をつけて、塀の外にふわりと着地。脱ぎ捨ててた外套を拾って、身に纏う。

そうしてからその場を離れた。





「これ、結構便利だねー。別々の場所がいっぺんに見えるって凄い役立つと思う。たまに貸してもらえないかなー?」


目玉を転がして遊ぶ黒猫……。シュールだ……。

間違っても僕は、もう一回やりたいなんて思わない……あれからほんと大変だった……。


猫の彼は、手足があるし、僕の腹から自分で出てきてくれるんだけど、目玉は手足が無い……水をがぶ飲みし、喉に指を突っ込んで吐き出そうと頑張ってみたけど出てこない。

結局もう一回彼を丸呑みして、腹の中から目玉を咥えて出てきてもらう羽目に。

しかし、丸呑みがギリギリできる彼が目玉を咥えると、喉を通る時の違和感が半端無い……。


「もうしたくない……」


目玉が出てこなかったらと思うと怖い……。

抜けなくなった指輪じゃないんだから、切断して終わりとか出来ない。腹を割って取り出すとか絶対嫌だ。腹に異物があるから割腹して取り出して下さいなんて医者に言えないし、レントゲンに目玉がどう映るのかとか、腹の中から目玉だか宝石だか出てくる状況を医者にどう説明したら良いかも分からない……。手術代もきっと高い……。

じゃあ諦めて、目玉を受け入れるとどうなるか……。

僕の目が僕の意思に反してぎょろぎょろ色んな方向見てたらうかうか外に出られない……学校行けない……。

ただでさえ出席率低いのに、進級できなかったら、学校滞在期間が伸びる……そして学費が嵩む……。

もう、怖いことしか起こらない。


「次はこの目玉の持ち主探さなきゃだ……面倒くさい……なんで僕こんなバイトしてるんだろう……」

「霊媒体質だからじゃない?天職じゃん、能力を活かした仕事、憧れるね!」

「目玉や猫を丸呑みするの天職にしたくない……」


だけど、彼のお陰で、僕は妙なのにとり憑かれなくなった。

奇行に走り、病院や警察のご厄介になることがなくなった。

だからギリギリ、この街での生活が成り立っている……。

夜更かしするから、なかなか学校に行けなかったり、怖い思いもしたりするけれど、ただ好きに弄ばれているよりは全然良い。彼は、ちゃんと僕に体、返してくれるし。


「まああれだ。意思の薄弱なものはあまり気軽に飲み込まないように気をつけようか。

よくよく考えたら、飲み込まないでも、そのまま脅せばよかったかもしれないし」

「はぁ⁉︎」

「いやでも、あれが一番安全だとも思ったんだよ?

あの目玉、手に握って走って、途中で落としたって嫌じゃん。

飲み込んでたら腹の中だもん、絶対に失くさないでしょ?」


せっかく見つけた収入源……もとい、ターゲットだ。あそこまでして落として失くすとか、絶対嫌だ……。


ため息を吐いて、メジャーで、目玉の直径やらを図る。

それをメモに書いて、タブレットを操作。


失せ物探し、承ります。そんなありきたりな名のサイト。

現在収集してある品一覧。

そこに写真と、直径やら虹彩の色やら書き込んで、送信。

そうしてから、収集一覧の中に、欲しいという要望が無いかを探す。

今日は動いてない……。

目玉を手頃な瓶に入れて、封をする。それを陳列棚に並べた。

見えない人には、珍品を収集してる変人のサイトにしか見えない。

黒い背景に黒い文字を使い、極小文字で書き込まれた詳細にも、気付きにくい。

見える人は、この画像をコピーしようとしたりする。

すると僕が、この珍品を、別の何かとして見ていることに気付くのだ。

今回のは宝石に見えるからまああれだけど……芋虫にしか見えない指とか、キクラゲにしか見えない耳とか、欲しがる人はまずいない。だけど本来の持ち主は、凄い熱意でもって食いついてくる。


「変なご時世だよねぇ……妖怪が部品を盗まれるとか……それをお金払ってでも回収したいとか……」

「それくらい需要があるんだよ。だって高性能な呪いアイテムなんだもん。

最近の人間、腹の中腐ってるやつ多いからねぇ。昨日のあの人だって、普通にしてりゃ綺麗なのにさ、腹の汚さが顔に滲み出てるって気付いてないんだから笑えるよ」

「盗んでるの……本当に人間なの?」

「妖怪は妖怪の部品なんて盗まないよ。なんか手先の器用な奴がいるのさ、そういうのは、昔っからいるよ」


その盗んだ部品を、宝石やら護符やら、お守りやらって言って売ってる。願いが叶う、ライバルが自滅する、幸運が舞い込む、そんな触れ込みを、何故か信じて購入する。

悪い意思にまとわりつかれた部品は悲鳴をあげる。ここから逃れたいと願う。それをたまたま、通りかかった僕が嗅ぎつけ、発見したら、彼らと一緒に回収に向かうのだ。

妖怪は人に手出しをしちゃいけないって、決まりが出来てしまったらしいから、人の僕を通してしか、回収が行えないらしい。僕みたいな協力者も、ちょこちょこいるらしい。


「書き込み終わり……眠い……」

「じゃあちょっと休みなよ。今日は学校行くんだよね?時間が来たら起こしてあげる」

「うん……ありがと」


布団に入る。そうして瞳を閉じた。

前は、この時間が怖かった……眠った僕は無防備で、ありとあらゆるものが僕の口から、無理やり僕を侵食してきた。だけど今は、彼がいるから……こうしてゆっくり眠れる。

たまに、寝ている間に体を使われている感覚もあるのだけど、そこは容認していた。

彼は僕の意思を、そこまで無下にはしないから。


数時間の眠りでも、頭はずいぶんスッキリした。

起きて、シャワーをしてから、制服に着替える。食パン一枚と牛乳という、簡素な朝食を済ませ、鞄を持って玄関に。


「いってきます」


誰もいない室内にそう言葉を残し、外に出る。

彼はというと、僕の上着の内側。いつもの定位置に収まっている。

この隙間にどうやって入り、どう張り付いているのかは知らないけれど、器用にここで、一日うとうとして過ごすのだ。


バス停でバスを待つ。

ぼーっとしているとおはようっ。と、声を掛けられた。


「お、おはよう……」

「また寝癖ついてる。今日は左跳ねだね」


クラスメイトの女の子。いつも何故か、話し掛けられる……。

恥ずかしくって顔を上げられない。この子、凄く可愛くて、屈託ない。僕みたいなのにも物怖じしないで話し掛けてくる。正直居た堪れないのだけれど、彼女は気にしない。僕が休まない限り、いつもこんな風に、毎日が繰り返される。

他愛ない会話を、一方的に楽しまれつつ、バスが来たのでそれに乗り込んだ。


「っあ……」

「ん?どうしたの?」

「あ、いや、なんでも……」

「そう?あっ、あそこ空いてるから、座ろう!」


袖を掴まれて、引っ張られ、二人用の座席に連れていかれる。

あわあわ言ってる間にその子が奥に座り、僕に隣を促す。


その座席の一つ前、座っている、同じ制服の学生……持っていた。嫌な気配がする。

どこだろう……あ、耳か。うわぁ……耳に、何かの牙が、刺さってる……。


ああ、今日もまた、夜更かし決定かな……。

憂鬱な気分で、その人を長い前髪の間から、ちらりと見た。

そう、こんな風に、誰もがいつの間にやら、手を伸ばしてる。


そんな混沌とした世界が、僕の日常だ。

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