第三話 借金をチャラにする試合
「こんばんは!」
「いらっしゃい…あら美咲ちゃん!久しぶり!なんか買い物?」
「いぇちょっと鷹に用が会って!」
「あらぁそう!今安君も来てるから!二階に上がりなよ!」
「ありがとうございます!おじゃまします!」
ガチャ
「こんばんは!」
「おぅ美咲!こっち座れよ!」
安孝がイスをだす!
「鷹久しぶり!」
「おぅっ!」
「なにその気の抜けた返事は?まったく幼なじみが遊びに来たのに!」
「うるせぇなぁ!別に頼んでないだろ!」
「あっそれ言ったなぁ!」
「おぅ美咲!落ち着けよ!」
「まったく!そうだあんた夏帆になんか言ったでしょ?」
「はぁ?別に何も言ってねぇよ!」
「夏帆さっき泣きながら電話かけてきたよ!」
「!?別に…」
「まったく試合くらい出て上げたら?豪も出るんでしょ!」
「なに豪も出るのか?あいつ野球辞めたんじゃないのかぁ?」
「あぁ!やりたらないんだってよ!」
「だったらあいつなら内の高校に編入すれば良いのに!」
「さぁ?いつもの気まぐれだろ!」
「そんな事より鷹虎!試合に出てあげなさい!」
「でねぇよ!たくっあの女!美咲にチクリやがって!」
「あっ夏帆の悪口言ったなぁ!」
「うるせぇなぁ!」
「まぁまぁ!美咲落ち着けよ!」
次の日 多摩川第二グランド
「鷹虎くん来ないなぁ!」
「大丈夫だよ!あいつは来る!さぁ試合開始だよ」
その頃
「ちょっと鷹虎!あんた何やってんの?」
「あぁ?何って昨日録画したビデオ見てるんだよ!」
「あんた今日試合でしょ?」
「はぁ?試合って俺関係ないし!」
「あんたねぇ!たまには私の言うことも聞きなさいよ!」
「うるせぇなぁ!」
「じゃあんた今すぐ貸してた五千円返しなさいよ!」
「!?それとこれとは関係ねぇだろ!」
「関係無くないわよ!五千円貸した時なんでもします!って言ったでしょ!」
「それは時効だろ?」
「じゃ試合に行ってくれたら五千円チャラにしてあげる!」
「!?本当かぁ?」
「うん!」
「ハァ〜わかったよ行きゃ良いんだろ行きゃ!」
鷹虎は立ち上がり歩き出した
「ありがとう!」
ガチャ
「あっもしもし安ちゃん?なんか鷹虎が試合行く見たいだから!うん!じゃ駅集合ね!」
その頃多摩川第ニグランド
藤川野球同好会は三回終了時点で5‐1で負けている
「ほら!ドンマイですよ!」
三島がメンバーを激励している
「ハァ〜こんなの勝てないよ…」
ショートの金子が言った
「大丈夫ですよ!まだ勝てますよ!」
豪が言う
「でも豪君…僕がピッチャーじゃ…」
一応ピッチャーを勤める二年の高杉がいう
「大丈夫ですって!高杉さん以外ピッチャーは考えられないですから!さぁ攻撃ですよ!」
藤川高校は三者凡退
「さぁみんな!守備ですよ!」
メンバーがトボトボ守備に着く
「白井君このままじゃ…」
「う〜んそろそろやばいかぁ…来やがったな!」
三島が振り返る
「桐島君!」
鷹虎がベンチに入ってくる
「言っとくけど今日だけだからな!」
「うん!はいこれ!」
三島がユニホームを渡す
「わかったよ!」
鷹虎はユニホームに着替える
「おい審判!ピッチャー交代だぁ!」
「!?誰とですか?」
「高杉に変えて桐島だ!」
「桐島…すみませんが試合開始前に提出されたベンバー表には名前が無いので…」
「まぁ固いこと言うなよ!公式戦じゃないんだから!」
「おい!あんた!ピッチャー交代だ!」
「わかった!君に託すよ!」
「後は任せろ!」
「良し鷹虎!ウォームアップだ!」
「あぁ!行くぞ!」
鷹虎は振りかぶりボール投げる
ヒュン
ズドーン
「痛ててぇ…最初から飛ばしすぎたよ!」