交番
僕達一行はダンの家から離れ、各々の自宅に帰ろうとしていた。
そこに、一人の警察官の格好をした、中年の男が近づいて、僕達に話しかけてくる。
「君達、この家の前で何をしてたんだ?」
「俺らは何もしてね……してないっす。 ただ友人のダンに用が有ったので、インターホンを鳴らして呼んでいただけです」
「ダン……その子については知らないけど、この家の人達が昨日の夜から居ないって、通報があったんだよ」
「昨日の夜? ダンは昨日学園に来てたよな?」
「あぁ、昨日もダンとは話したから居た筈だ。 てかマイクも話しただろ?」
「そうだっけ?」
「……とにかく昨日は学園にダンは居ました」
警察官のような男は、一瞬頬を緩ませたように見えたが、直ぐ元の表情になり、こう告げてきた。
多分頬が緩んだように見えたのは気のせいなのだろう、きっと。
「なら捜査通り夕方から夜までが失踪時刻か……少し質問したい事が有るから、交番のほうに来て貰ってもいいかな?」
交番。 つまり警察官の格好をしているのでは無く、本物の警察官なのだろう。
しかし、その人が本当に警察官なのかは分からないし、僕には見当も付かない。
……よく分からない思考が頭を巡る最中、マイクが小声で、僕に話しかけてくる。
「なあ、バル」
「どうした?」
「これってさ、所謂任意同行なんじゃね?」
「バカ言うなって、僕達が何したんだ?」
「例え何もしてなくたって、拷問なり何なりで無理やり自白させれば、それだけで罪を俺らに着せる事だって出来るんだぜ?」
「ははは……拷問は恐ろしいけど、幾らなんでもそれは違うだろ……そもそも僕達を任意同行した所で、何になるんだ?」
「そ、それもそうだな……此の儘連れてかれるか?」
「危険になったら逃げればいいだろ……まあ魔法は使えないだろうけど」
「MDCか……あれは厄介だよな」
「でもあれのお蔭で多少平和に暮らせてるから、文句は言えないよな……」
「でもMDCが置いてあるのって店とかだろ? だからそこまで平和になったとは思えねえけど……」
「でもMDCが置いてある場所に入れば、物理攻撃以外では攻撃を受けなくなるんだぞ? 十分だと思うけどなあ……」
「ま、まあそれも一理あるな……」
「ちょっとそこの二人、あんた達はどうするのよ?」
「あ、僕は付いてくよ」
「俺は他の三人が行くんなら付いてってやる」
「なら決まりね」
「それじゃあ案内するから私の後に付いて来てくれ」
僕達は警察官の導きの儘に、交番へ連れて行かれた。
外見はかなり小さな建物だが、中は広く、まるで空間を操作しているかのようだった。
「ただいま。 今部屋は空いてる?」
「パトロールご苦労様っす。 今は誰も来てないので何処でも空いてるっすよ」
「ジョージ……普段はまあ良いとして、職務中はなるべく口調に気を付けてくれ……」
「あ……ええっと、兎に角部屋は何処でも空いてるのでご自由にお使いくださいませ」
「それも何か可笑しいだろ……まあ君達はこの先の突き当たりで左に曲がった所に有る部屋の中で、座って待って貰ってもいいかな?」
「あ、はい」
「あと椅子が置いてあるから自由に使っていいよ」
「椅子を自由に……か?」
「い、いやマイク、常識の範囲内で自由に使えよ?」
「分かってんよ。 少しボケてみただけだって」
「……」
「な、なんで黙るんだよ!」
「まああんたなら椅子で遊ぶだろうと、普通は思うわよ」
「俺は何だと思われてるんだよ!」
「あ、あの……迷惑なので先に部屋へ行った方が……」
「そ、それもそうわね……」
「確かに交番の前で騒いでても仕方ないな……とりあえず部屋に行くか」
「お、おい! 俺は何だと思われてるんだよお!」
そんなマイクを余所に、僕達は指示された通りの部屋に入り、椅子に腰掛ける。
部屋の中は閑散としており、ごく普通のパイプ椅子が一〇脚程と、大きめの白いテーブルが一脚置かれていた。
「交番の中だから何か有るかと思ったが、特に面白いもんはねえな」
「あったら可笑しいでしょ……多分取調室の一種でしょここは」
「だろうな……」
「せめて椅子が回るとか有れば暇潰しにはなるんだけどな」
「だから遊ぼうと思うなって……」
「すまない。 待たせた?」
「いえいえ、そんなに待ってないです」
「分かった。 じゃあ少しおじさんと話してもいいかな?」
警察官の視線は、ピノへ向けられている。
確かに、この中で一番幼く見えてしまうので、それは仕方が無いのだろう。
しかし、その顔は何か含みのあるかのような、そんな血相をしているのだ。
しかし、ピノ自身はその事に気付いていないらしく、周りをきょろきょろと見渡して、自らの出る幕を伺っているように見える。
と、その時マイクが口を開ける。
「話すって何の話なんですか?」
皆が分かっているようでわかっていない事だ。
ここまでの流れだと、ダンの事についてなのだと言うのは分かるが、ダンの何を聞くのかなどは一切説明を受けていない。
「話してほしいのは、君達の居る学園や学校と君達の関係について。 その二つはまあ今回の捜査には関係無いんだけど、重要なのは、そのダンって子の事と、その他に誰か同じように居なくなってる人が居ないかって事かな」
「一つ気になったんですが、捜査してるって事は、既にダンについて分かってるんじゃ無いのですか?」
「確かに、家族構成とかについては分かってるんだけど、実際の友達視点での情報は欠けてるんだ」
「友達視点か……」
「それに、捜査メモに記載漏れが有るかもしれないから、そういうのを確認する為にも必要なんだよ」
「そ、それで、先ず何を申し上げれば良いのですか?」
「あ、別に敬語使わなくていいよ。 友達感覚で話して貰えればこっちとしても楽だし」
「あ、はい……」
「そ、そうか、敬語使わなくて良いのか……ふう」
「何息を吐いてるんだよ」
「いやさ、俺そんな敬語に慣れてねえし」
「あのなマイク、素に戻り過ぎだ……」
「気にしなくていいって」
そういう警察官の顔は、若干の苦笑いを浮かべている。
「あ、最初に名前を教えて貰えないかな? 私の名前はハロルド。 ハリーとでも呼んでくれると有難い」
と言い終えると、懐から小さなメモ帳とボールペンを取り出し、机の上に置いた。
「誰から話す?」
「とりあえずバル最初で良いだろ」
「別に僕はそんでもいいけど、その後はどうする?」
「俺最後な」
「……まあいいわよ。 ピノは二番と三番どっちが良い?」
「あ、私は別に……」
「……よし、じゃあ私が二番にするわ。 だからピノは三番をお願い」
「うん……」
「大丈夫だって。 簡単に名前と愛称言っとけば良いからさ」
「あ、順番決めてたようだけど決まったのかい?」
「ええ。 一応」
「それじゃあ順番に名前を教えて」
「えっと、なら僕からか。 僕の名前はヴァルビンで、皆からはバルと呼ばれています」
「バル君ね……次」
「あたしはポニーって言って、普通にポニーって呼ばれてるわ」
「ポニーちゃん……次」
「……え、えっとその、私はピーノってにゃま……えで、その、皆からはピノって呼ばれてます!」
噛んだ事に気付いた辺りで、ピノは顔を赤らめ、若干話す速度が上がった気がした。
「えっと、ピノちゃんね……最後」
「あ、俺はマイケルっつって。他の奴らからはマイクって呼ばれてる」
「おい、マイクも緊張してるだろ絶対」
「いや、最後だぜ? そりゃ緊張もするだろ」
「お前自ら最後選んだよな?」
「……何も覚えてない」
「あはは……えっと、マイク君っと。 名前を教えてくれて有難う」
「いえいえ、そんな例を言われる事でも――」
「でも最近はマナーの成ってない人達が多くて、私達も結構大変なんだよそれが……」
「は、はあ……」
「おっと、そういう話は今関係無いね。 えっと、とりあえず四人はどんな関係なの?」
「ああ、俺ら四人は友達っす」
「強ち間違っては無いけどな……一応同じ学園の同じクラスで、ダンとも同じクラスです」
「四人とも?」
「そうよ。 四人共よ」
「成る程成る程……じゃあクラスや学園内で、例の失踪事件に巻き込まれた人って居たりする?」
「例の……」
「神隠しとか言われてる奴だよな?」
「そ、そうそう」
「あのさ、マイク」
「なんだよ」
「一応相手は年上だからさ、もう少し節度を持った方が良くないか?」
「いやいや、気にしなくて良いって」
「ほら、気にしなくて良いって言ってるぞ?」
「……本当すみませんこんな奴で……」
「何バルは俺の保護者振ってんだよ。 まあそれは置いといて、マックがその事件に巻き込まれてた筈だ」
「マック……それって、マクミランって子の事?」
「そうっすね」
「なら一〇番目の失踪者も同じ学園出身なんだね?」
「そうだけど、捜査してたんならそのくらいは分かってたんじゃないの?」
「……そ、そういやそうだね」
「なんか胡散臭くなって来たぞ」
「胡散臭く無いからね! 私一応ここのお巡りさんやってるから!」
「ん? お巡りさんって事は、この事件に直接係わって無いんじゃね?」
「それもそうだな……」
「いや、一応アウステヌス内の警官は皆この事件に協力しているんだ」
「そうなんですか?」
「そうなんだ。 流石に市民が次々と疾走する問題が重大だと判断した上層部からの言伝だ」
「難しい事はよく分からねえが、とりあえず協力してこの事件を解決しようとしてるって事か?」
「そういう事さ」
「そ、そうなのか……」
「えっと、次の質問良い?」
「あ、問題無いです」
「それじゃあ、居なくなる前や居なくなった後、ダンやダンの周りで不自然な事や変わった事があったりした?」
「不自然な事や変わった事……あ」
「そういや今日の掃除時間に見つけたのがあったな」
「あの訳の分からねえ紙か……でもアレは関係無いだろ?」
「何かあったのか?」
「え、ええ……」
「とりあえず見せてくれないか?」
「良いですよ」
僕は、バッグの中に入っていた紙を取り出し、机の上に広げて置いた。
その紙には、「52324352216281635221412152827493216243422152439163818252327363」と言う、訳の分からない数字の羅列が綴られていた。
「……なんだろう」
「何か分かったんですか?」
「いや……流石に数字だけしか書かれてないのに、これが何なのか当てろって言うのは少し厳しいかな……」
「そ、そうですか……」
「ですよね……」
「うーん……でも、何か手掛かりになるかもしれないから、コピーを取らせて貰ってもいいかな?」
「はい。 どうぞお構い無く」
と言うと、ハリーは机の上に置いてあったその紙を手に取り、別の部屋に有るコピー機の所へ向かった。
数分後、ハリーは元の紙の他に、小さな紙を五枚持って、僕達が座っている部屋に戻って来た。
「お待たせ。 ちょっと小さな紙しか在庫が無かったから其れを使わせて貰ったよ」
そう言うと、ハリーは僕達にコピーした紙と元の紙を渡した。
「さて、と。 そういや私ばっかり質問して悪かったね。 君達からは何か質問は無い?」
「質問……あたしは特に無いけど、あんた達は?」
「俺か? そうだな……そういや犯人の目星とか付いてるのか?」
「犯人か……それが、被害者が何処でどうやって消えたかがさっぱり分からないせいで、犯人が誰で、どういう手口を使っているかが分からないんだ」
「でも監視カメラの映像とか、魔法を利用した探索方法で、どうにか犯人を見つけ出す事は出来るのでは無いのですか?」
「それがね、監視カメラの映像は見たんだけど、消える瞬間とかが映ってる映像が、無かったんだよ」
「……犯人は監視カメラの位置を熟知した人物なのでは無いでしょうか?」
「な、成る程……」
「確かにその可能性も有るけど、それだと三番目の事件が気になるんだよね……」
「三番目の事件……バスが崖下の海に落ちたって言う事故の事ですか?」
「そうそう。 只、あの事件の車両も、溺死したとされる死体も上がって無い事から、この事件も一連の失踪事件に巻き込まれたと考えているんだ」
「で、なんでその事故だか事件だかが気になるんだ?」
「いや、その事故だけ、目撃者が居るんだよ」
「目撃者? 何人位だ?」
「それが、一人二人とかじゃなくて、後ろに居た車とかも含めて一〇人位は……」
「一〇人もか……」
「それでどう言ってたのよ」
「え、ええっと……」
と言いながら、ハリーは机の上に置かれていたメモ帳を確認する。
「あったあった。 少し長くなるけどいいかな?」
「別にいいわよ。 ねえ?」
「あ、ああ」
「そ、そうだよな」
「……と言う訳で大丈夫なそうよ」
「……分かった。 じゃあ話すよ」
そう言ったハリーの眼は真剣さに満ち溢れていた。
その顔には、この警察官と言う職に誇りを持って、職務を全うしている、そういうような顔をしているのだ。
「先ず、事件現場は海沿いにある国道の、緩やかな右カーブになっている所なんだ」
国道はこの町に二つしか通っていない。
一つは町の中心部へ繋がる道。
もう一つは、海岸沿いにある、崖の隙間を通る道だ。
三番目の事件は後者の道で起きたそうだが、この場所は落石事故が偶に起きており、地域の住民は怖がって、余り近づかない道なのだ。
「カーブか……曲がり切れずにそのまま落っこちたのか?」
「いや、そうじゃない。 何故かそのバスは左側に曲がって落ちたそうなんだ」
「ひ、左側にか?」
「そうだ」
「なんで左側に曲がったんだ。 そのバスは……」
「そういや、落ちたってのは何故分かったんですか? 一連の失踪事件なら、バレないように落ちている途中で消したりすると思うのですが」
「それなんだけど、少し遠くに居た車にまで聞こえる程の大きな音を立てて、海に着水したそうなんだ」
「そ、その他に何か目撃情報って有るのか?」
「確証は無いんだけどもう一つあってね……後ろのほうに居た人は、崖の上で何かが光ったって言っているんだ」
「何かが……光る?」
「それは流星の類じゃないのか?」
「正直、私もそういうのを疑ってるが、その人曰く、崖の上が光った直後にバスが左側に曲がって落ちたそうだ」
「そ、そうなんですか……」
「因みに他の一連事件の詳細ってどうなってるんだ?」
「すまない。 流石にそれはプライバシーの問題とか機密情報の問題とかで教える事は出来ないんだ……」
「ならなんで三番目の事件の事はそんだけ言う事が出来たんだ?」
「其れは特に問題無いと思ったし、其れに君達に訊かれたから……」
「なら、その他の事件の事も気になるな」
「……よし」
ハリーは何かを決め込んだのか、深く息を吸い込み、吐き出した。
「只の一般人ならお断りで通す所だけど、君達の友人が事件に巻き込まれてるからね……。 もし、この事件の捜査に協力してくれるのであれば、プライバシーの侵害やらなんやらに当たらない程度で話そう」
「ほ、本当か!」
「流石にこのタイミングで冗談や嘘は言わないさ」
「……分かった。 で、捜査に協力って何をすればいいんだ?」
「そんなに難しい事は要求しないよ。 若し何か分かった事が有れば私に連絡して伝えて欲しいってだけだ」
「わ、分かったけどどうやって連絡するんだ?」
「とりあえず、マイクは捜査に協力するって言ったけど他の御三方はどうする?」
「あ、あたしは暇だから付き合ってあげるわ……ピノはどうする?」
「え……わ、私も協力します……」
「……仕方無いな。 僕も協力するよ」
「お前ら、悪いな……」
「……え、えっと、なら全員協力するって事で良い?」
「はい!」
「よし、それじゃあ全員ケータイかそれに準じた何かを持ってる?」
「俺ら全員ケータイ持ってたよな?」
「そうだな。 壊れた人とか居ないよな?」
「だ、大丈夫です……」
「ええ。 問題無いわ」
「全員ケータイ有ります」
「分かった。 なら僕の仕事用の電話番号とメールアドレスを渡すから、君達のも教えてくれないかな? あ、でも無理なら片方だけでも構わないから」
「問題有る奴!」
「……」
「全員平気だってさ」
「じゃあ紙に書いて――」
「あ、それなら赤外線通信したら良いんじゃない? あたし今持ってるわよ」
「……おいポニー、なんで学園にケータイ持って来てるんだ?」
「あれ? 学園ってケータイ持ち込み禁止だっけ?」
「いや、禁止では無いけどさ。 色々危険だから持ち込まないほうが良いって度々言われてるじゃんか」
「平気平気。 そういう魔法持ちの人の近くに持っていかなければ良いだけなんだから」
「そ、そういうものなのか……」
「そういうものよ」
「あ、えっと……私も一応持ってます……」
「ピノもか」
「はい。 両親が危険だから持っておけ、と……」
「そうか」
「……マイクは?」
「今はねえな。 割と絡む奴でそういう能力の奴が居るからな」
「え、えっと、じゃあ二人持ってないようだし、とりあえず紙に書こうか?」
「い、いえ。 あたしが後でこいつらに連絡先を送っときますよ」
「わ、悪いね……。 じゃあケータイを出して貰える?」
「あ、はい、これね」
「わ、私のはこれです……」
赤外線通信と言う機能は、魔法の発現現象が起こるより前から存在していた、過去的なテクロノジーの一つだ。
その通信方法は、ケータイ以外でも用途は多々有るが、どれも至近距離で無いと通信を行えないのが難点だ。
なので、この通信を行う場合は、対象となる物に使用する物を近付けて行わなければならない。
「あ、ピノの分も私がやるわよ」
「あ、ありがとう……」
そして今、ポニーが机を跨ぎ、尻を突き出してハリーのケータイに対してに近付いている。
ハリーの持っているケータイは黒の「ガラケー」と呼ばれる、この国では広く普及されているケータイだった。
最近は全く違うタイプのケータイが売り出され始めているが、未だにガラケーは、携帯電話業界では健在だ。
「連絡交換出来たわね」
「そうみたいだね……それじゃあ頼んだよ」
「分かってるわ」
「それなら本題を話そうか」
「はい、お願いします」
「まず一人目がアウステヌス南部で暮らしている少女で、彼女はインビジブルの能力を持っている」
「インビジブル……テレビとかでも言われてたな」
「二人目がアウステヌス北西部で暮らす少女。 この子は所謂未能力者だ。 三人目はさっき話したから省略して、四人目は――」
数十分、ハリーは話し続けただろう。
ここまで話した事を要約すると、町の至る所で毎日一人ずつ失踪してると言う事、犯人の目星は付いていないが、相当の実力を持った発現者の可能性が高いと言う事だ。
「こんな感じだね。 捜査するにしても、くれぐれも危なそうな人に近付かない事と狭い路地裏とか人混みのない所は避ける事」
「分かりました」
「それじゃあ私は仕事もあるしここら辺で仕事に戻るとするよ。 若し何か分かった事があったら電話で知らせて」
「はい、有難うございました」
「気にしなくていいから。 それに、早く捕まえないとどれだけ民間人に被害が拡大するか分からない。 その為に君達に協力してもらう事にしたんだから。 それじゃ」
ハリーはそう告げると自身の持ち場へ戻っていった。
僕達も帰ろうと言う事になり、交番を後にした。
現在ここまで