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ほのぼのとした日常

僕の名前はヴァルビン・ジョプス。

この国立マーシュ学園に通う二年生だ。

二年生と言っても、この学園は中高一貫校なので、一年生から六年生までの生徒が在籍している。

「おはよ~バル」

「嗚呼、おはようマイク」


 彼は僕の友人で、物心が付く前から一緒に遊んでいた幼馴染のマイケルだ。

皆にはマイクと呼ばれている。

 クラスの中で一番背が高く、優に一七〇センチを超えている。


「今日の宿題やったか?」

「宿題? そんな物あったか?」

「あったよ! 若しやってたら見せて貰おうかなと……」

「すっぽり忘れてたよ……まぁ学園に着いてからやればどうにかなるんじゃないか?」

「それもそうだよな……あ」

「どうしたんだよ急に」

「いや、きっとポニー辺りなら見せて貰えるかなって思ってな」

「確かにポニーとかピノ辺りなら宿題をやってそうだ」


ポニーやピノは僕やマイクの友人であり、小学校からの幼馴染だ。

 ポニーは僕より少し身長が低くて、強気な性格の子だ。

また、既に魔法が発現し、完璧に使いこなしている。

 と言うより、ピノを除いては既に魔法が発現している。

 ピノは無能力者と言う訳では無く、そもそも二次性徴が始まってすらいない為、発現するかどうかはまだ分からないらしい。

 こう言うと異端なように思えるかもしれないが、実際成長の遅い子はどこにでも居る訳で、僕のクラスにもピノ以外に二人ほど性徴が始まっていない子が居る。

 ピノも含めてそうだが、その子達は皆背が低く、よく小学生と間違えられている程だ。


「だろ? ……そうだな、ピノ辺りを脅かして見させて貰うか」

「流石にやめてあげろよ……と言うより幼馴染なんだし普通に頼めばいいだろ?」

「面白味が無いじゃねえか」

「頼み事に面白味を求めるな……」


そんな些細な会話を楽しんでいると、上空を颯爽と駆け抜ける一人の男性が僕達の真上を横切った。


「いいよな。 フライを使える奴は」

「確かにな……でもフライに目覚めても、免許を取らない限りはああいう風に空を飛べないらしいよ」

「マジかよ……地味に面倒臭いな」

「でも車の免許みたいな物だからそこまで問題じゃないでしょ?」

「そうだよな、車の免許くらいなら……ってポニー、いつの間に居たんだ!」

「いつの間にって失礼ね。 たまたまあんた達を見つけたから話に紛れ込んだのに」

「そ、そうだったのか……」

「で、マイクはポニーに頼み事があるんじゃなかったのか?」

「ば、バルが訊いてくれよ」

「なんで僕が訊くんだよ」

「なに? あたし達の前でこそこそ話をし出して」

「あたし達? ……若しかしてピノも居るのか?」

「あ、はい……」

「そ、そうか、それなら……」

などと呟きながらマイクはピノの後ろに回り、そして――

「だーれだ」

「……マイクさん、ですよね……?」

「ふはは、それはどうかな?」


「あのバカは何やってるのよ」

「今日の宿題忘れたから誰かに見せて貰いたいんだってさ」

「……ただそれだけの為にこんなくさい芝居してるの?」

「多分な」


「じゃあ誰なんですか……?」

「そ、そうだな……お、俺は昔のマイクとは違う。 ふはは、ふはははは」

「いつまでそんな茶番をしてるんだ!」

バシンと言う大きな音が鳴り響く。

「いたっ、何すんだよバル」

「何すんだよじゃねえよ。 普通に宿題見せてくださいでいいだろ!」

「それバラすなよ!」

「バラすなってならお前は何をしようとしてたんだよ」

「ちょっとしたスキンシップを――」

バシン!

「なんでまた叩いたんだよ!」

「スキンシップするなとは言わないがそういう風なスキンシップするな!」

「……宿題ぐらいあたしが見せてあげるわよ」

「ほ、本当か!」

「なんでそんなに眼をキラキラさせてるのよ……」

「だって今日の教科の担当ってあいつだぞ」

「あいつって言うかリチャード先生よね」

「そうなんだよ! あいつが担当の時だけは忘れずやろうって思ってたんだが、ついうっかりな……」

「リチャード先生は厳しい人ですからね……」

「そうなのよねぇ……あいつったら些細な事でもねちねちねちねち言ってきてね……」

「まあポニーの父さんがアレだしそういう事言われても仕方ねえよな」

「なんでうちのお父さんは普通の人じゃ無いのかね……」


普通の人。

この世界での普通の人とは何なのだろう。


「でもそのお蔭でポニーは色々楽出来てるじゃんか」

「楽出来てるって言っても、あたしはそこまで魔法を使いたいと思ってないわよ」

「そ、そういうもんなのか……」

「まあ、ピノも含めて全員が魔法を発現したら、見せ合って、伝導とか言うのもしてみたいわね」

「で、伝導ってキスすんだろ? そんな度胸あるのかよ」

「き、キス……」

「何言ってんのよ。 あたしはべ、別にそういう事気にしないわよ。 幼馴染同士なんだし」

「声が震えてるぞ」

「な、何よ!」

「あ、あの……」

「どうしたのよ、ピノ」

「そ、そのですね……早く行かないと遅刻してしまうのでは無いのかな、と……」

ピノのその発言で三人は腕時計を確認する。

「あと一〇分で授業始まるじゃねえか!」

「走って何とかってなるがかなり不味いな……行くぞ!」

「競争って訳ね……良いじゃない。 じゃあビリの人がジュース奢りね」

「それなら本気を出さないとな」

「奢るなんて聞いてねえよ……まあ受けてやるが」

「あはははは……」

「よーいどんとか言ってる時間ねえから今からスタート……な!」

「待てマイク、フライングはいけな……って皆最初から飛ばしてるじゃねえか! 僕も早く走らないと!」


「な、何とか間に合ったわね……」

「そ、そうですね……」

「はぁ……はぁ……なんで俺らより女達のほうが速いんだよ……」

「俺らと言うよりマイクの体力が無いのが問題だろ……あとで何か奢ってくれよ」

「ほ、本当に奢らねえと……いけねえのかよ……」

「男に二言は無いわよね?」

「ぐっ……分かったよ。 でも後にしてくれ……」

「流石に分かってるわよ。 今買いに行かせたら遅刻扱いになって面倒な事になるってのは想像付くから……」

「じゃあ俺はコーラな」

「今じゃ無くて後でな……」

「うーん……特に飲みたい物も無いし……ピノ、何か飲みたい物有る?」

「……ならオレンジジュースをお願いします……」

「じゃあ私もオレンジジュースで」

「だから注文は後にしてくれ!」

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