表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

陛下の仰せのままに

作者: 尚文産商堂

私が植民地総督に任命されてから、期限は常に1つしかなかった。

それは、陛下の仰せのままに、という期限である。


銀河植民地帝国の皇帝陛下は、私を任命なさる時に、しっかりやりなさいと声をかけられた。

私は、ただただ、仰せのままにとだけ答えるのが精いっぱいだった。

そして植民地総督として、銀河のいたるところにある植民地をあちこち見回った。

なにせ、5万か所以上の恒星系で、約2兆人が住んでいる計算になっている。

そのため、全て回るとしても、途方もない時間がかかることになってしまう。

だからだろうか、私は、主要な恒星系だけに絞り、見回りをしている。


総督の任務は実に簡単で、皇帝の代理人としての全権があり、全ての植民地政府の上に位置している。

直轄領では皇帝陛下ご自身が行政、立法、司法の三権と、報道を含めた権限をお持ちである。

だが、植民地では、皇帝陛下がそれらの権限を行うには余りにも広すぎるため、私のように植民地総督が任命されることとなった。

なお、私は第16代目の植民地総督である。


だが、人が一人で総督をするには、あまりにも広過ぎた。

そのため皇帝陛下へ直訴し、さらに部下を付けてくれるように頼んだ。

その結果、植民地帝国皇帝の親任として、総督の上の役職が作られた。

植民地長官と呼ばれる役職だ。

私はその新設された長官のポストに収まり、部下を15人与えられ、それぞれに植民地総督として派遣した。


月日はたち、植民地経営がうまくなりゆくようになった頃、私は皇帝陛下に呼ばれた。

「……そろそろ後進に譲るべきではなかろうか」

「仰せのままに」

皇帝陛下が述べられるお言葉の通り、私は翌日、隠居した。

全ては、陛下の仰せのままに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ