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魔物が出現した世界で性転換して女魔族になりました。  作者: 大崎 狂花


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第2話 世界がどう変わったか

 さて、女魔族になってしまったことはこの際どうしようもないので、俺はこのイノシシくん・・・・・・


「そういえば、お前のことなんて呼べばいい?」


『ん?』


「名前とかないの?」


『ないな。好きに呼んでくれ』


「じゃあ、一本角だからイっちゃんで・・・・・・そういえばさ、イっちゃんは人間とか食べたことあるの?」


『ないな。俺は人間はそもそも食べない。というか、肉を食べない。菜食主義なんだよ』


「魔物にも菜食主義とかあるんだ・・・・・・」


 まあいい。人間を食べないならコイツとは仲良くできそうだし、このイっちゃんから魔物が現れてどのように世界が変わったのかについて聞いてみよう。


「お前ら魔物が来てから、この世界がどんなふうに変わったかわかるか? 人間たちがどんな対応をしたかとか・・・・・・」


『ああ、わかるぞ。ここに来た人間の兵士たちの会話からそういう情報は大体得られたからな』


 俺はイっちゃんから、魔物が現れてからの流れについて聞いた。


 魔物が現れてから、自衛隊とかが出動してなんとかしようとしたものの、流石に対抗しきれなくて被害は広がる一方だったらしい。


 しかし、そんな窮地にある人々が現れた。魔物出現と同時に常識外れの超自然的な能力・・・・・・結界を張ることが出来たりとか、炎を操ることが出来たりとか、時間を止めることが出来たりとか、そういうまさにファンタジーな能力が一部の人たちに発現したらしい。イっちゃんの考察では、魔界から俺たち(魔物たち)が侵入してきたことによる世界の歪みが原因かもしれない、とのこと。


 それで、自衛隊とその超常的な能力を持つ者たちが協力して、魔物たちの全てを、人が避難して無人となった一部地域に追い込み、その地域全体に結界を張った。


 つまりは、いくつかの無人地域に魔物たちを集めて、それらの全体に巨大な結界を張ることによって魔物の全てを封印したということらしい。魔物を全部倒し切ることは出来ないので、それを一時的な対処法としたのだという。


 で、日本は魔物が封印された地域──『魔物区』と、人類が生活する『人類区』とに分かれた。それで今日本政府は、魔物に荒らされた人類区の復興をどうやってするか、そして魔物区をどうやって取り返すか、人類区に再び魔物が現れた時はどう対抗するか、という3つの課題に頭を悩ませているのだという。


 日本以外の他の諸外国も大体そんな感じらしい。


「なるほど・・・・・・そんな大変なことになっていたのか。なんか全然現実味がないけど・・・・・・」


 この街の荒廃具合と、人っ子1人いないこの状況を見るにどうやら真実らしい。


 空を見上げると、わかりにくいけど確かに透明な膜みたいなものがある。今まで気づかなかった。


「じゃあ、俺はここから出ることは出来ないってわけか。魔族になっちゃったとはいえ、せっかく死の淵から蘇ったわけなんだし、親や友達に会いに行きたいんだけどな・・・・・・きっと死亡扱いになってるだろうし・・・・・・」


『まあ、そうだな。でも、これだけ巨大な結界なわけだし、どこかに綻びとかあるかもしれないぞ? 一度結界の果てを見にいってみたらどうだ?』


「確かに・・・・・・じゃ、一度見にいってみるか!」


 とりあえず、俺はその結界の果ての方を見に行くことにした。


「と、その前に、なんか服が欲しいかな。人がいないとはいえ、街の中で真っ裸っていうのはなんか恥ずかしいし・・・・・・」


『そうなのか?』


「うん。なんかね。・・・・・・それに、今の俺がずっと裸のままでいたら、イっちゃんの下の方の一本角も固くなっちゃうかもしれないからな!」


『・・・・・・? 下の方の一本角ってなんだ? どういう意味だ?』


「あっ。ごめん、なんでもない」


 下ネタが通じなかった時ほど辛いことはない。


 まあとにかく、服を探してから結界の果ての方に行こう。


 と、俺が街中を探索しようと歩き出すと、イっちゃんがこんなことを言ってくれた。


『ちょっと待て! よかったら俺の背中に乗っていかないか?』


「え、いいのか!?」


『ああ、いいぞ。もっとも、お前が良ければだが・・・・・・』


「全然いいよ! むしろ、乗っていいのかって感じだ。今の俺真っ裸だし・・・・・・生ケツをお前の背中に乗せるのもな・・・・・・」


『全然いいぜ! 俺は気にしないよ』


「そうか? じゃあお言葉に甘えて、遠慮なく・・・・・・」


 俺はひょいっとイっちゃんの背中に乗った。イっちゃんはけっこうデカめで、飛び乗るのはなかなかに大変かと思ったのだが、なんか軽々と飛び乗れてしまった。魔族になったことで身体能力が上がっているのかもしれない。


 で、イっちゃんの背中に乗ったわけだが・・・・・・


「んっ・・・・・・あっ、ちょっと待ってちょっと待って! んあっ・・・・・・」


『ん、なんだ? ひょっとして乗り心地が悪かったか?』


「い、いやちょっと、振動がヤバい・・・・・・!」


『え?』


「ひゃあっ! ちょ、ちょっと、もうちょっとゆっくり進んでくれないか・・・・・・?」


『お、おう。わかった・・・・・・』


「すまん・・・・・・あっ! あ、だめだ擦れて・・・・・・!」


 ちょっとヤバいので、俺は仕方なくイっちゃんから降りた。


「ダメだ。このまま乗ってたらイっちゃんの背中を汚しちゃうかもしれないからな。イっちゃんの上でイっちゃうから」


『・・・・・・? まあよくわからんが、力になれず申し訳ないな』


「いやいや全然。むしろこちらの方こそ色々と申し訳ない。・・・・・・ま、服を着れば多分乗れるはずだから、やっぱり服を探そう」


 俺はとりあえず街中を探索して、壊れたショップの中に落ちていた服を身につけると、改めてイっちゃんの上に乗った。


「うん。やっぱり服を着ると大丈夫だな」


『なんだかよくわからんが、よかった。それなら、とっとと結界の果てまで行こう。飛ばすぞ!』


「おう! ・・・・・・やべえめっちゃ胸揺れる! これクーパー靭帯大丈夫か!?」


 パンツは穿いたものの、ブラは付け方がわかんなかったので、胸がすごく揺れた。


 ちょっと心配だったものの、魔族のクーパー靭帯は人のそれと違って丈夫だったみたいで、無事に結界の果てまで辿り着いた。

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