白百合くんの幼馴染2
私は櫻井 篤実、
平凡な高校1年生だ。
高校入学から友だちが全然できず、
クラスでも、どうしてか浮いている…
今日は幼馴染の白百合 和葉の教室をこっそり覗きに行こうと思っている。
和葉の方も高校入学早々に浮いてしまい、
友だちができずに少々悩んでいるようだったが、
なんとその和葉に友だちができたらしいのだ。
休み時間、そっと廊下の窓から教室を覗いてみると、窓際の一番後ろの席で和葉と一人の女子が話していた。
(あの子が友だちかぁ〜…いいな〜)
そんなことを思っていた次の瞬間、とんでもないものが見えてしまった。
見知らぬ中年男性が和葉の友だちに抱きつこうと、教室の外から走ってきたのだ。
唐突な光景に思えるが、これは私にとっては日常だ。
なぜなら私は、あの世のものや、人ならざるものが見えてしまう特異体質で、
目の前で猛ダッシュする中年男性も、その一人のようだった。
和葉と友だちの2人や、もちろん周りには見えていない訳だが、興奮して走っており、トランクス一丁、どう考えてもよくないものだ。
どうにか止められないかと教室に足を踏み入れようとした、次の瞬間、
ッパァァーーン!!
という音と共に、恍惚とした表情で中年男性が空中に消えていった。
見えないものが見える私だが、このような光景は見るのが初めてだったので、
動揺して辺りを見渡すと、和葉の背後に数メートルはある、大きな女性の顔があるのが分かった。
大きな女性の顔は女神のように美しく、どこか和葉に似ており、彼を守るように何本もの手で覆い尽くしていた。
どうやら中年男性は、そのうちの一本の手が弾き飛ばしたようであった。
しばらく私が呆然としていると、大きな女性の顔がこちらを向き、ニコリと笑って消えていった。
「一体、何だったんだ…」
思わず声に出してしまった私だが、冷静になってよくよく和葉と友だちを見ていると、
和葉の友だちに向かって、無数の小さなよくないもの(悪い虫のような)が飛んできており、
それを一つ一つ、和葉の後ろから伸びる手が弾き飛ばしていた。
そして、弾き飛ばされたものたちはみな恍惚とした表情をして消えていくのだ。
とんでもないものを見てしまった…と思った私であったが、
もし和葉の友だちが私の所に来たら、優しく抱きしめてあげようと、心に決めたのであった。




