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白百合くんの彼女?

白百合くんはまごうことなき美形だ。


しかも彼は相手が誰であろうと忖度などはせず非常に素直な性格で、

裏表が無い。


そういった素質を持つ彼に惹かれる者も少なくないはずで、

そうなると必然、告白も何度も受けているはずだ。


ある日の放課後、

私、藤見小春ふじみこはるは気づいてしまった。

白百合くんに彼女がいるとしたら、私は非常に迷惑な存在なのでは、と。


一緒に昼食を食べ、休日にバイト先に遊びに行くなど、

(それがたとえ清掃バイトであっても…)

恋人からすれば迷惑極まりないに違いない。


しかし白百合くんのことだ、私に気を使うようなことはなさそうではあるが、

彼女がいてもいなくても、私に対する態度は変わらないはずだ。


とはいえ、“彼女がいるかどうか“など、今時デリケートすぎて気軽に聞ける話題ではない。


「困った…」

思わず声に出てしまったようで、隣の席で読書をしていた白百合くんが心配そうにこちらを覗き込む。


「どうしたの…?もしかして、お腹すいた…?」

心配してもらって申し訳ない気持ちもあったが、

以前昼食の際に、福神漬けをお裾分けしてくれようとしたことを不意に思い出し、

なんだかおかしくなって笑ってしまった。


「あはは、違う違う!」

「そうなんだ…じゃあどうしたの?」

白百合くんは心配そうな表情のまま、こちらをじっと見ている。


その様子を見ていて、

こんなに素直な白百合くんに、変に気をつかうことが間違っているような気がしたため、

いっそ正直に聞いてみることにした。


「白百合くんって、その…恋人とかいるの…?」


「え、僕に恋人?」

白百合くんは鳩が豆鉄砲を喰らったような表情をしていた。

すると白百合くんは考えるような素振りをして首を傾げた。


しばらく考え込んだ後、意外な答えが返ってきた。


「分からない」


「…は?」

予想外の答えに、思わず脊髄反射で声が出てしまった。


「分からないって…どういうこと?」


「僕のことを好きって言ってくれる人は何人かいてくれるし、そういう人たちは時々手紙やプレゼントもくれるんだけど…」


「だけど?」

なんとも羨ましい話な気がするが、白百合くんがあまり嬉しそうな表情でないのが気になった。


「恋人って、付き合うってことでしょ?付き合うって…なんだろうね?」

どこか物憂げな表情でこちらを向いた白百合くんのアンニュイな表情に、思わずうっとりしてしまった。


「な、なんだろうね…」

白百合くんに質問を質問で返されてしまったが、当然地味な私に恋人などおらず、

"付き合うとは何か"は答えられないのであった。

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