反省してマース
「いや、だから言ったじゃん」
暗い部屋に固いパイプ椅子。
そこに座る平均的な身長な赤髪のごく普通の子が隣に座る青髪の子に不満をぶつけるように言う。
「なにが、何がですか」
首を大袈裟に傾けて煽る様に赤髪の子、チハルに聞く。
青髪の子、サチはこれでもかと言う程にだらしの無い座り方をしている。
女の子なのに脚をおっぴろげて、肩を背もたれの後ろに回して、パイプ椅子の前部分を上げて悪態をついている。
「警察とランデブー」
「ぶふっ!な、なにそれ!」
チハルが前かがみになって頬をふくらませながらブスッと言うと、サチは笑い転げた。
その様子にチハルは憤慨する。
「いや、パトぶっ飛ばした奴じゃん!」
「はー!?でも誤解だよね?」
面会室のような場所の物置みたいなテーブルに肩肘載せてサチはチハルに文句を言う。
互いに互いを罵りあっている。
しかし、何故かそこまでの険悪な雰囲気は無い。
「誤解を正解にしちゃったじゃん!」
「うん、ダメだからね。どんな理由あっても罪は罪」
チハルがオーバーなリアクションでやってしまった事に言及したところで、いつの間にか面会室に来ていた婦警がビシッと正論を言う。
ビシッと言っては居るが終始眠そうなトロンとした目。
寝起きのようなテンションで手元の資料をパシパシ叩く。
「はーい」
「怒られちゃったじゃん」
「元々は」
サチがいかにも反省していませんと言う声音で返事をして、対照的にチハルはシュンとなる。
チハルはサチが余りにも反省していない所を見て小声で文句を言う。
ついでに脇腹を突く。
サチは脇腹が弱い。体を折り曲げて手を払い除けてチハルにまた何か言い出そうとしたところを婦警がぶった斬る。
「まって、まって。え、警察の尋問中に喧嘩する?」
流石に2人とも黙ったようだ。




