お風呂
あおいは自室にて、リンと話をしていた。
「あおいちゃんは、これからどうするの?」
「お金はあるし、お風呂のある宿屋に移動しようかなと思ってるよ。」
「そっか、寂しくなるなあ……」
「いつでも遊びに来てよ!」
「行ってもいいの?」
「勿論!」
二人は笑い合う。
「ねえ、リンちゃん。」
「どうしたの?」
「リンちゃんも、お友達手帳に入ってくれたら嬉しいなって。」
「いいよ!」
「ありがとう! じゃあ始めるね!」
あおいは杖を手に取り、呪文を始める。
「我が名はあおい、神の名のもとに力を行使する者。」
金色の魔法陣が浮かび上がり、あおいを淡い光が包む。
「汝を我の眷属とし、ここに縁を結ぶ。」
リンの足元に金色の魔法陣が現れる。宙に浮いた友達手記の、三ページ目が開かれる。
「如何なる制約もこの縁を断ち切れない。――イングレイヴ!」
リンを包む光が友達手記に吸い込まれ、リンの絵を刻んだ。
「リンちゃん、終わったよ!」
「私、ドキドキしちゃった!」
「リンちゃんが危ない目にあったときは、私がサモンすればリンちゃんを助けられると思うの。」
「その時はよろしくね!」
「うん!」
今日は宿屋を出る日である。あおいは身支度を済ませようと思ったが、物は全て無限収納に常にしまっているため、特に身支度をすることもなく、身一つで宿を出ることにした。
「じゃあリンちゃん、また会いに来るね!」
「あおいちゃん、待ってるね! 私も会いに行くから!」
「うん!」
二人は手を振り合い、あおいは女性店主に声をかけて宿屋を後にした。
あおいは、先日訪れた高級宿屋へと辿り着いた。話を聞くと、どうやらこの宿にはお風呂があるようだ。あおいは一週間の宿を取り、部屋へと向かった。
「広い!」
その部屋は、先日まで泊まっていた宿の十倍はありそうな間取りだった。勿論、部屋に大きな浴室が付いている。
あおいは早速湯船に湯を貯めると、お風呂に入ることにした。
「一人は寂しいな……」
久々の湯船に浸かりながら、独り言を呟く。
「お父さん、お母さんに会いたいな……」
あおいは一人、涙を流した。
部屋に戻り、部屋着に着替えると、あおいは大きなベッドにうつ伏せに寝転んだ。無限収納に手を突っ込み、神から貰ったコインを全種類、一枚ずつ取り出す。
「どれも綺麗だけど、緋緋色金っていうのが一番綺麗だな……」
赤く発光するそのコインを手に取り、まじまじと見つめる。
大きな窓を開けると、暖かい風が室内に入り込んだ。
「風の精霊さん、お話しませんか?」
あおいは風で髪を揺らしながら、呟いた。
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