帰路
「あおいちゃん、ブルー、ありがとう!」
リンはあおいに抱き着いた。その瞳は赤く腫れ上がっている。
「これから、どうしようか……」
子供達を集め、ステージ上で話し合うあおいとリン。
「ここが何処かも分からないし……」
子供達がブルーを恐れるので、あおいはブルーを友達手記に戻す。
「ねえ、あおいちゃん。」
「なあに? リンちゃん。」
「御伽噺でね、読んだことがあるんだけど……テレポートって、できないかな?」
「テレポート?」
「うん、瞬時に空間を移動できる魔法なんだけど……」
「でも、誰とお友達になればいいのかな……」
「空間を司る精霊とか……いないかな?」
「精霊さん……」
あおいは辺りを見渡す。
「空間を司る精霊さん……いますか?」
あおいは空間に向かって、声を、かけた。
「―――――私に声をかけたのはだあれ?」
ふと、あおいの元に声が聞こえた。しかし、そこには誰もいない。あおいは目を瞑り、何も無い空間に向かって声をかけ続ける。
「私の名前はあおい。空間を司る精霊さんですか?」
「私の名前はカオス……神。」
「神様……」
あおいの言葉に、カオスと名乗る神が答えたのだった。
「カオス様……私達を助けてください。悪い人たちに連れ去られて、今は何処にいるのかも分かりません。おうちに帰りたいんです。」
「助ける――私が、何故貴女達を助けなければならないの?」
「それは……」
あおいは押し黙る。神があおい達を助ける義理などないのだから。
「貴女からは神の匂いがする。貴女は一体、どんな存在?」
「私は、神様に助けられて……」
「その神の名前は?」
「知りません……」
「その力の根源は…………そう。あなたはあの神から寵愛を受けているのね。」
「知っているんですか?」
「知っている。」
「お名前は何ていうんですか?」
「何故教えなければならないの?」
「私が、知りたいんです。教えてくれませんか?」
「教えない。本人に聞きなさい。」
「分かりました。知らなくて、ごめんなさい……」
あおいは項垂れた。そして考える。
「カオスさん……私と、お友達になってくれませんか?」
「お友達?」
「はい。私は、この世界でたくさんお友達を作りたいんです。」
「お友達というのは、なろうとしてなるものなの? 仲良くなったら、自然とお友達になっているものじゃないの?」
「はい……でも、仲良くなりたいと思って、お友達になることもあると思います。」
「そうね……それで、私と仲良くなりたいの?」
「仲良く、なりたいです。」
「助けて欲しいから?」
「助けて欲しい、です。でも、そうじゃなくても、仲良くなれたら嬉しいです。」
「私と仲良くなってどうしたいの?」
「一緒にお話したり、遊んだり、したいです。」
「何して遊ぶの?」
「お買い物したり、一緒にゲームをしたり……」
「お買い物はできないわ。どんなゲームをするの?」
「しりとりをしたり……」
「私はしりとりをしたくないわ。」
「……駄目ですか?」
「あの神の寵愛を受けているんですものね。それだけで充分貴女がいい子だと言うことは分かる。だから、助けてもいいわ。」
「お友達になってくれるんですか?」
「お友達は……そうね、今はお友達にはなれないわ。もっと仲良くなって、自然とお友達と呼べるようになったら、なってもいいわよ。」
「分かりました。助けてくれるだけでも嬉しいです。ありがとうございます!」
「貴女達を、それぞれのおうちに返してあげればいいのね?」
「はい……私は宿屋に帰れたら嬉しいです。」
「貴女、寵愛を受けているとはいえ、大変な状況になっているのね。親もいなければ、家もない。力があるとはいえ、生きていくには不充分。隙も多い。……もっと自然を愛しなさい。向こうの方から、貴女とお友達になりたいって言って貰えるように生きなさい。」
「自然を愛する……」
「じゃあ、それぞれおうちまで送るわね。みんな目を瞑って……」
あおい達は、カオス神の力によって、それぞれ家に帰り着いたのだった。
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