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路地の先で行われていたもの

あおいとリンは、縛られたまま小さな牢屋の中に閉じ込められた。周りには他にも何人かの子供達が捕まっていた。

牢屋は男達が荷馬車へと積み、馬車は暗い路地を走り出した。

「んんんんん……」

あおいは必死に、縛られた腕で無限収納から杖と友達手記を取り出そうと藻掻くが、縛られた腕では上手くいかない。縛られた口では呪文も唱えられない。

そうこうしているうちに馬車は止まり、また男達が牢屋を持って移動し始めた。


どれだけ時間が経っただろう。夜の闇に包まれた建物の内部は暗い。そして、遠くから何者かの声がするのが聞こえた。


あおいの入った牢屋はまた運ばれ、今度は明るい大きな部屋へと移動した。そこには数多くの覆面を被った大人達がいた。

「今日の目玉商品、とある貴族のお嬢様だ。」

ある男がそう言って、あおいを紹介した。

あおいは牢屋から出され、屈強な男性に連れられて、ステージ上を周回するように練り歩く。そして中央に立たされた。

「この人形のように美しい顔、真っ白い肌、傷みのない黒い長髪。瞳は琥珀のように輝いている。こんな上玉は滅多にお目にかかれません。この美しいドレスもセットでの販売だ。さあ、十億ゴールドからスタートだ!」

「十。」

「二十。」

「三十。」

覆面を被った大人達は、手に持った番号札を上げながら金額を口にしていく。瞬く間に金額は跳ね上がり、とどまるところを知らない。

「百五十。」

「二百。」

「二百五十。」

「三百。」

「出ました三百。現在三百億です。」

あおいはその瞳から涙を流し、体を震わせている。

「んんんんんん……」

我が名はあおい、と呟く。

「んんんんんんんん……」

神の名のもとに力を行使する者、と呟く。

しかし魔法陣は現れない。

あおいは、その場にへたり込む。しかし会場の熱気は収まらない。

「五百! 出ました五百。現在五百億です…………他の方いらっしゃいませんか? 現在五百億です。この見目麗しい貴族の少女を、自分の好きなようにできるのですよ。さあ五百、現在二十七番、五百です。他にいませんか?」

会場は静まり返る。

「では二十七番、五百億ゴールドで落札です!」

木槌で木を叩く音が二度響き、あおいのオークションは終わった。

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