パズル
今日も一日が始まる。憂鬱で足が止まる。
なにをされてるのかな?なにを言われるのかな?そんなことばかり考えては地面に転がる石をなんとなく数えていた。
あたしが何をしたの?いっその事死んでしまおうか…。
学校を見上げて「あの高さは死ねない」重い足を動かしてゆっくりと正門をくぐるとそこは、ブラックホールのように見えた。真っ暗な穴の中に吸い込まれるとあたしの存在派、今日も死ぬ。靴箱の前に立つ…毎朝ここから始まる。
靴箱を恐る恐る開ける…いつも何かが入っているからだ。
先週は、鳩の死骸。先々週は、潰された蛙。
目を固く閉じ思いっきり靴箱を開けた。
「うっ…」
強烈な臭いがした。今にも吐きそうなくらいの臭いだった。
クスクスとこっちを見ながら笑っていたのは彩未と春菜。
後から来る生徒達も「臭い」とあたしを避けて通る。ハンカチを取り出し上履きを床に落とした。茶色い物質が上履きにべっとりと付いている。犬の糞…?
「くせー!!なんだよ!この臭い!!」
「やだー…何この臭い…超臭いんだけど」
靴箱の影に隠れるふたりは、もう既に居ない。
ハンカチで上履きを持ち上げて外の手洗い場に投げつけた。