十七戦記 03話 終戦にむけて
アリスが来てから2年経った。その間にこの前集落の生活環境はかなり上昇した。高性能望遠鏡、正確には超遠距離観測望遠鏡や、生物探知機 赤外線探知機?ができ、斥候の回数が減り、食料の備蓄に余裕が出来るようになった。
もちろん情報収集もしていた。そんなある日、村から南に300㌔ほど先でドワーフの航空艦隊とエルフの航空隊が衝突、戦闘後にきたキールとアリスはまず近くに他種族がいるかどうか調査してからドワーフの旗艦に入った。
旗艦はやはり大きく、都市サイズだ。この船の書庫に大きな機械があった。
「アリス、これなんだ?」
「それ、た、ぶん、投影機、」
「これが投影機というやつか。ということは、このボタン押せば」
投影機の側面に付いていたボタンを押した途端、世界地図に戦況、そして
「おい、これ、なんだ?」
なにかよく分からない兵器が表示され、世界地図にバツ印が付いていた。そこを中心に円が書かれていた。
何なのかは分からないがどういうことかは分かる。これは
「世界を滅ぼす兵器か。奴らどんだけ星を殺せば気が済むんだ!
バツ印はこの兵器の起爆予定地、この円は消滅予定地でこの兵器の名前は
「神爆」神を殺す兵器か。狂ってやがる。」
「キール、ドワーフ、語、読める、の?」
「ああ。ドワーフ語、エルフ語、デモニア語、ワービースト語はな。」
「なん、で、そんなに、おぼえ、たの?」
「情報があれば人間は生きられる。だが、手に入った情報が読めんかったら意味が無い。」
「じゃ、あ、情報があれば、人間は、いきて、いける?」
「それだけではないけどな。」
エルフの旧都市に来たキール達は、地下にあった研究施設で驚くものを見てしまった。
「おい、なんなんだよこれ?」
そこには、リトルボーイと書かれた、ファンタズマ自壊兵器というのがあった。
「アリス、ファンタズマ自壊兵器ってなんだ?」
「それは、」
ファンタズマは死ぬ直前に巨大爆発と連鎖爆発をする。連鎖爆発とは近くにファンタズマがいれば、そのファンタズマも一緒に爆発するが、普通なら威力がかなり低くなるようになっている。が、この兵器は強制的にファンタズマを自壊させ、理論上周囲のファンタズマも一緒に殺すことが出来るというものだ。
「ドワーフもだがエルフも狂ってやがる。いや、狂っていないやつなんていないのか。」
キールは、このまま行けば近いうちにこの辺、いや星から人間は必ず絶滅する。しかも戦争の余波で。
なら俺らがこの戦争を終わらせる事が出来るのか?いや、それは不可能だ。
そう悩んでいた時、アリスが口を開いた
「キール、見せたいものがある。」
アリスに連れられて東南アジアにある人の集落にきた。そこにいた人に声をかけた。
「なぁ、ここにあるっていう聖剣、見に来たんだがいいか?」
1人の男が「聖剣、あぁ、あれか。いいぞ。ていうかお前難民じゃねぇのか?」
「難民ではない」
「この辺に集落なんてなかったはずだがどこから来た?」
「はるか西から」
その集落は地下にあり、集落と言うよりは都市に近かった。かなり大きい。
男に聖剣の所まで連れていってもらった。
そこには、岩に剣が刺さっていた、というより、乗っかっていた。
「これが噂の聖剣エクスキャリバーか?」
「ああ。全ての種族を一撃で葬れる約束されし勝利の剣エクスキャリバー。でこいつを抜いたヤツがいるのだよここに」
「まじか!」
聖剣エクスキャリバー。それは、どんな種族でも一撃で殺せる剣。だがそれは神、創造神に選ばれた人にしか使えず、さらに選ばれてないやつが持っても効果を発揮しない。そういう剣だ。
で、選ばれた人はいると。
「これ、いけるぞ!」
「何がいけるんだ?」
「何がって?このくだらねぇ戦争を終わらせるシナリオが出来た!」
と大真面目にいった。
「お前も狂い始めたか。」
「いや、狂っちゃいねぇ。この大戦の終結方法は何もエルフとドワーフの決着だけじゃねぇ。決着方法は他にもある!」
と自信に満ちた声で言った。
「さあ、始めようかアリス。この馬鹿げた大戦を終わらせるぞ!」
集落に突如悲劇の声がでた。
「キール、西から無数のドラゴニアが来てる!」
「キールさん、北東からもドワーフ航空艦隊が接近してきてます。」
と観測係の二人がいう。
急いでどの辺が戦場となるのかをキール、アリス、タートルが計算して出した。
そして急いで避難を開始した。
俺たちは、旧集落を見ていた。
予測通り集落は主戦場の流れ弾で消滅した。
何もかも、跡すら残らないくらいだった。
それが人間の集落だ。
「ふぅ。なあ、タートル、もう、村長やめていいか?」
と重い声で言った。これを聞いたタートルは、もうキールが限界なんだと思った。
「いいよ。もう私がやるから。休んでねキール。」
「言質とった。」
と今までが演技だったような、いや演技だったくらい、声が明るかった。そして、
「よし、次の村長お前な。まぁ、頑張れ。あ、これが新しい村の位置な。」
と紙をタートルに渡した。
「ちょっ、私には無理よ。」
「大丈夫だ。一時的だ。何しろ新しい人類の王も決まったんだし、あとは合流するだけだ。あと、他種族の事だが、それも安心しろ。俺達が奴らを大陸から消す。」
何ゆっているのか分からない顔をするタートル。だが続けるキール
「つまり、俺らがこの大戦を終わらせるんだ。」
といい、アリスと一緒に、どこかにいってしまった。
机を囲むように座っている120人の男がいた。
この者らは、死んだことになっているものらだ。
「よし。まず今後の話をしよう。この大戦、終わると思ってんのかお前ら!」
静寂だ。
「いつか迎える終戦まで俺たちは黙って、逃げ続けて生きていけるのか?例え大戦が終わってもこんなクソみたいな大戦を続けてきた神らが世界を治めたらどうなる?今よりマシか?マシなわけがない」
そして大声で、
「このままでは俺たちに未来なんてない。俺たちに未来なんてねぇんだ!認めよう。俺たちに未来なんてない。」
この場にいたもの、いや、全人間が知っていた。だが口になんて出したくない。その言葉をゆった。
そしてみんな頭を下げっ放しだった。
「だったら、俺たちで未来を切り開こうじゃねぇか!俺たち人間が!」
一息つき、
「人の身で神に、地形を変えていく破壊の権化に挑んで勝つ!こんな馬鹿げた事を俺はやろうと思う。もちろん、戦場に喋る猿がいると噂がたっただけで人間は絶滅だ。俺たちの勝利か人間の絶滅か。たった1度のミスも許されない。ただ、俺達がこれに勝てれば、俺たちさ、最っ高にかっこよく生きたって胸張って言えるよな。さて、こんな馬鹿げた話に乗らない奴は帰ってくれ。帰ったって責めはしないぞ!」
と言って10分くらい待ったが、誰1人帰ることは無かった。
「本当にいいのか?お前らこんな馬鹿げた話に乗るのか?」
揃ってほかの人も言い出した
「こんな世界に賢者なんていないぞ。」
「あぁ。戦争を人間の身で終わらせる?出来れば最っ高に嬉しいじゃねぇか!」
「みんな。分かった。では作戦を話す。まずこの世に聖剣エクスキャリバーというのがある。それは、ど
んな種族でも一撃で葬れる。ただ、これを扱えるやつは一人しかいない。で、そいつを先日見つけた。で、そいつを人類の英雄王として扱う。そんで俺らは影だ。あいつが英雄として輝くために裏で動く影だ。俺たちは一切歴史にも残らない。では、手始めに、リトルからだ。」
話会いが終わった時、アリスが尋ねてきた。
「この作戦、の、成功、率、0.01%未満。」
「なあ、アリス。確率論にゼロはない。でもって0.01%ではない。」
「え?」
「勝ちか負けか。ほら50%だ。」
「暴論、」
「他にもな、例えばサイコロを6回降って6回とも6が出る確率は?計算するまでもねぇ。答えは100%だ!」
「ありえない。」
「そのサイコロを6しか出ないサイコロにすり替えれば可能だ。」
そんなことしてもすぐにバレる。なら、バレないようにすればいい。
俺たちはそういう行動をする。そうゆっているようだった。




