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十七戦記    作者: ヨロイ
最終章 古の大戦
28/33

十七戦記 01話 始まりの地獄

これは、語られることのなかった、古き古き物語り。そう、今から2000年も昔、天を灰で塞ぎ、地は火で真っ赤に焼け、秒単位で地形が変わっていく永久にも続くと思われた大戦。その末期の話だ。

真っ赤な空、血の匂い。そして至るところから聞こえる爆発音。

ここは、ユーラシア大陸の西 ヨーロッパ地方と呼ばれる所だったはずだ。

人のみではそれぐらいしかわからない。


「おい、宝はあったか?」


死んだような目をした若い男が言った。


「ここにはないみたいだ。ここ、ドワーフの旧市街地だろ?何かないのか?そっちはどうだ?」

年を取った、筋肉質の男が言った。


「お、ありました!これは、望遠鏡みたいです。」


この中で一番若い男が、嬉しそうに言った。


他の二人が、その望遠鏡をみた。

「これは、使える。」


「これがあれば、戦場になりそうな場所がわかるのか。犠牲が減るな。」


そんな会話をしていたら、はるか後ろの方で重い音がした。

音を聞いてすぐに岩陰に隠れた三人。

そのうちの死んだような目をした若い男が、


「この足音、デモニアの下級生物か?」


「どうしますか、キール隊長?」

答えはわかっているような顔をした筋肉質のバートン


「こんなところでデモニアに会うなんて、キール隊長、どうすれば?」

若い男は、ラーム

バートンは、答えを知っていた。

デモニアの下級生物に、人類がかなうわけがない。戦ってみないとわからないと言うやつもいると思うが、人類がどんな武器を作ってもあの硬い皮膚をツラム抜くことは不可能だ。


むしろ、下手にあいつを刺激すると、人類を狩り始めるかもしれない。

そうなると答えは簡単だ。 答えは


「バートン。ここで皆のために死ね」

とキールが何の表情も変えずにそう言った。


「ああ、あんたならそういうと思ったよ。俺の娘を守るためだ。妻を守るため、村を守るためだからな。」


この地獄のような世界で死ぬには充分すぎる立派な理由だ。


「バートン、何で?キールも何でバートンが死なないといけないの?」


「お前だってわかるだろう?キールは、村長だ。彼がいないと、俺たちの村は消滅するんだぞ。お前は、まだ若い。未來がある。だが、おれば年寄りだ。45年も生きたんだ。長寿なんだぞ俺は。こんな地獄のような世界で生きるのに疲れたんだ。休ませてくれ。」


「でも。」


「俺に、お前を、キールを、家族を、村を、 護らせてくれ」

と、泣きながら言った。


「う、バートン、」


「はやく注意を引き付けて。このままでは全滅する。」


「逝って参ります。」


そしてバートンは、岩陰からでて

「おい、そこのデカブツ!俺を捕まえてみろ!」


と大声で言った。このデモニアは、巨大スライムみたいな見た目だった。デモニアには、理解出来ない言語だが、バートンに向かって走り出した。


「今のうちだ」というような顔をキールに向けて、走って逃げた


できるだけ引き付けるんだ。そう考えながら走っていると、

娘と遊んだブランコ 娘と一緒に絵本を読んだ夜。妻と初めて出会った瞬間。そして妻と一緒に町に出たことをおもいだした。

「うう。これが走馬灯なのか。」

やがてデモニアがバートンに追い付き、捕まえ、食べ始めた。


「うあぁぁぁぁぁぁ」



なんとか帰ってきたキールとラーム

集落 といっても洞穴を拡張した感じ

「お帰り キールに、ラーム あれ?バートンは?風呂にでも行ったの?」

と聞いてきた巨乳の女は、タートル ヒール


「バートンは、死に」


「俺が死ねと命令した。」

とキールが割って言った。


「そうなの。そうだ、お風呂いってきなよ。疲れたでしょ?」


「ああ、入ってくるよ」


「ねえ、キールさん、パパは?」

と、小さい女の子、バートンの娘が聞いてきた。そばには妻もいた。妻は全て分かったようだった。


「バートンは、もう帰ってこないの。」


「何で?」


「バートンは、娘のために、妻のために、この村のために、死んでいったんだ。」


「うそ!パパは帰って来るって言ってたの。」

と泣き叫び始めた。


「こら、ニーチェ、すみません。この子、お父さんが帰って来るの楽しみにしてたの。」


そう言って、母親は悲しそうに家に 帰って行った。

自分の部屋に帰ったキールは、一人、悔やんでいた。

「俺はいつもそうだ。みんなが助かる方法もあったかもしれないのに、その可能性をいつも捨てている。何が皆のためにだ! この嘘つきが!」

と、自分に向かって言っていた。


「俺はこの口で、皆のために死ねと、40人に向かっていったんだ。」


この声をタートルは聞いていた。

「そんなことないよ。この村の人口は、今3000人越えているんだよ。普通なら、2000人越えると、餓死者がでたり、流れ弾で、間違いが消滅するのが普通なのに。それがここでは起きていない。たったの40人の犠牲だけでこの村残っているんだよ。犠牲者があまりにも少なすぎるのに。」


そう思っていたら、部屋からキールが出てきた。


「ちょっと出てくる。」


「早めに帰ってきなさいよね。」

キールは、ここから北にある、旧エルフの都市に向かった。なんでもここは、首都だった事もあったみたいでかなりでかい。だが、戦争によって滅びた都市だ。

人の身ではそんな事しか知らなかった。


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