十七戦記 24話XXXを訪ねて。 あの日の出来事
あの日、グリア湖で俺は右腕を失い、穴で隠れていたがやがて穴も壊れる寸前だった。
あの時、突然リコが
「あの遺跡ならこの槍が届かない可能性があります!」
「どういう事だ?」
「あの槍は魔法を消滅させる魔法ですが、あの遺跡には始祖の神の加護があります。始祖の神はこの星に魔力をつくりだしたので、その魔法を無力化することもできる可能性があります。」
始祖の神。この世界に魔力を生み出したものであり、聖剣エクスカリバーをつくったこともある。
「リコ、どうやってその場所に行けるのか?確か空間転移はある程度のスペースがいる。この狭さじゃ、無理では?」
そう、空間転移は万能だが、ある程度のスペースと障害物があると使えない。
障害物も一緒に転移してしまうだけでなく最悪音速以上のスピードで頭に飛んで来ることがあるからだ。
「大隊長、俺がしばらく盾となります。その間に逃げてください。」
「なにいってんだ幸太郎、あの槍は防御魔法全く効かないんだぞ。まさか、お前、」
「大隊長さえ、耳口さえ生き残れば、きっと大日は復活できる。そもそも俺たちは祖国のために戦っているんだ。そのためなら、この命だって」
「私も時間稼ぎしますよ。多分ここで私は死にますが、死ぬくらいなら、最後まで人の役に立ちたいです。」
「人間のために私もやりますよ。そもそもリコ以外の家族全員死んだんだよ。なんで長女の私だけ生き残っているの?っていう話よ。」
「谷口、リーファ、本当にいいのか?」
覚悟を決めた顔で
「ええ!」
と声をそろえて答えた。
そして最悪の作戦が始まった。
犠牲がでるのが前提の戦闘なんて俺がもっとも嫌いなことだ。
穴から出た途端大量の光の槍が向かってきた。
それを幸太郎が防御魔法をかけたが、もちろん無意味だった。囮程度の役割を果たしてはいた。
「あと4秒で空間転移できます。」
そのあいだに幸太郎の魔力反応が消えた。
「次は私だね。」
谷口はあるだけの魔力で防御魔法を展開した。また囮となった。
だが光の槍の量が多くなり、二秒しか持たなかった。
「では最後は私ですね。あの槍の解析終了しました。発射場所はヨーロッパ地方中央、妖魔族の一体、封印王サリアですね。あんな包帯男にやられるとは。十王になれなかったやつに、」
と怒りモードに入っていたが、
「まぁ、リコ、ねぇちゃんが全力で時間を稼ぐから。リコ、生きろよ!。この私が人間的思考するとは」
といい、持っている魔力で巨大な防御魔法、見たこともない、どでかい壁をだした。
あの光の槍の攻撃を防いだ。さすがリーファだ。かつて神をころしただけある。
「準備できました。では行きます。」
俺はリコの近くまで行ったが、リーファはこなかった。
「おい、リーファ、早くこいよ」
「私は行きません。ここで誰かが転移中の攻撃を守らないといけないからね。」
転移中に0.1秒すきがうまれるが、この光の槍ならその時間で死ぬ可能性もある。
「わかった。行こうリコ。すまないリーファ。」
「ええ。頑張って生きろ!」
と笑顔で見送っていった。
そしてこの遺跡にたどりついた。
もちろん光の槍は降ってきたがこの建物に光の壁がでてきて、攻撃を防いでいた。
「やっぱりありましたね。耳口。」
だが耳口は死んだ顔をしていた。それどころか倒れていた。
「おれは谷口を、リーファを、幸太郎を見殺しにしてしまった。本当は囮なんてしなくてもいけたはずだ。その可能性を捨てるなんて。」
「耳口、左足が!」
耳口の左足がなくなっていた。
耳口は転移直前、リーファが防御魔法で撃ち漏らした光の槍がリコを狙ったが、耳口はそれをかばおうと、自らの足を犠牲にした。
「俺は右腕と左足を失っただけなのに、幸太郎、いや、他の人も助けられたのにできなかった。俺のせいだ。」
これで俺は大日にいることはできなくなった。部下も守れず、こんな状態じゃあ、戦闘もできない。
「終わったな。俺の人生。」
近くでもの音がした。
「誰かいるのか?」
黒い服を着て、大きな鎌をもっていた。
どこかで見たことが、、あ、リアスか。
「久しぶりですねゴキブリ」
「久しぶりですね悪魔。デモニア」
「なぜこんなとこにいんのゴキブリが!」
「それはこっちのセリフよ悪魔が!」
とケンカを始めた。
「私はここで調べものをしていました。そうしていたら空が騒がしくなって、で今に至ります」
「私らはグリア湖で戦闘中にあれが来たのでここに逃げてきました。」
「あれ?他の人は?」
「みんな死んだ。俺のせいだ。俺の力不足だ」
と暗い声で言う耳口。耳口の左足をみたリアスは、
「血が止まってないよ耳口。リコ、なぜ回復魔法を発動しなかった!」
「あの光の槍のせいで回復魔法が効かないのよ。」
~~~~~
現在。
「それで俺の足と腕がない理由だ。」
話終えた耳口。
それを聞いていたロバート達はいくつか疑問がある。
XXXは100%特別戦闘班だ。なら
「質問だが、ハワイ、サンフランシスコ奇襲攻撃はあなたが立案したの?」
「ええ。俺だ。」
「なぜハワイだけでなくサンフランシスコまでやったんですか?」
「ハワイにいた太平洋艦隊は囮、それだけをつぶしたら奴らの思うつぼだから太平洋艦隊の唯一の補給施設があるサンフランシスコに攻めた。」
やっぱり合衆国のあの機密文書は本当の事だ。
そのあとは4時間くらい質問した。
その間にわかったことはやはり当時の大日帝国はやはり合衆国が言うほど悪役でなかったことだ。
フーリ共和国や王国連邦の植民地を支配した大日は、インフラを整備し、天然痘の予防接種もやったりした。
当時の植民地では、その土地の資源さえとれればいいという考えだったために、予防接種もインフラ整備もしてこなかった。
第三次世界後、再び各国が植民地支配をしようとしたら各地で大反乱がおきた。
やがて植民地はすべて独立した。
すべての謎が解けた。
そして
「取材協力ありがとうございます。ところでなんでずっとここで暮らしているんですか?」
「ああ。もうすぐおれは死ぬ。俺の知り合いはほとんど死んだんだ。それが戦争なんだが。太田、幸太郎、谷口、リーファ、機械族のやつら。」
「あれ?そこの羽が付いた人って、もしかして天使族?」
リコが
「ええ。天使族ですけど、もう魔力は使えないので飛ぶことも殺すこともできませんよ」
もう一人は死神族だと言った。
どうやら生き残ったとしても魔法は使えないみたいだ。
「さぁ、帰った方がいいぞ。もう時間だ。」
耳口が意味ありげにいった。
「時間?」
ダカーポ遺跡からでたロバートは先ほどいた耳口のことろから爆発音が聞こえた。
「自爆」
そう、耳口は自爆した。
他の人は気づいてなかったが、あの耳口の右肩と左足の付け根に呪いがあった。
たぶんあれは光の槍による呪いだ。
あれがたまたま一般人にあたり、呪いで死んでしまうのを見たことがある。
呪われたひとは魔力を吸われる。もちろん魔力なんてない。
その代わりとして命、寿命を吸っていく。
そして最後には、悲惨な死になる。その前に自殺か。
「あれこそ英雄の死なのかな」
そうロバートはつぶやいていた。




