十七戦記 14話 マキシマム王国
気が付いたら大きな部屋にいた。
「これは空間転移ですか。私達にしかできないはずなんですがどうやって会得したんだこのポンコツが!」
「空間転移ではなく偽空間転移です。」
「ほう、ポンコツらは猿真似を覚えたんですか。この下等種が!」
「リコ、なんで機械族が下等種なんだ?」
耳口が不思議に思ってリコに聞いてみた。
「それはもともと機械族は人間に次いで絶滅寸前の弱小種族だから。逃げ回ることしかできないポンコツだった。」
「リコさん。たしか教科書には古の大戦は機械族が天使族にいた神を殺したと書いてあるんだけど。」
谷口が聞いてみた。
「ええ、たしかに私たちもなぜ主がこんなポンコツに負けたのかがわからない。」
「いや、その前にここ、どこ?」
幸太郎はアリサに質問した。
「ここはマキシマム王国王都マキシナマムの宮殿の中の客来の間。ここにあなたたちを連れてきたのは、あなたのネックレスの謎と大戦の終結の本当の真実を伝える。あの人の継承者をずっと探していた。」
アリサはついてきてといい、図書室の奥の部屋まで案内した。
本棚の中の一冊を取り出し、本に挟まっている紙を取り出し、耳口に渡した。
「なんだこれ? 地図か。いつの時代だ?」
ぼろぼろの地図だが今の地図とはあきらかにおかしいところがあった。例えば、インドゥーの南に大きな島があったり地中海がなかったり、そしてものすごく精巧につくられていた。
「それは約2000年ほど前の、決戦直前の地図です。」
「いや、現代と変わらん技術が必要だぞこれ。」
「それを書いたのは人間です。そして色が塗り分けられてますがこれは各種族の勢力図です。」
確かに色は分けられていたが明らかにおかしい点があった。それは
「なぜユーラシア大陸のほとんどには色が塗られていないんだ?」
「それはそこに他の種類がいないからです。」
「やはりあの決戦は仕組まれていたんですね。」
とリコが確信したような声で言った。
「はい。すべてはあの人の計画どおりでした。」
「あの人って誰だよ。」
「あの人は当時大きな人間の集落のリーダーにしてわが主。人間が生きているなんてできないような環境の中でいき、私たちに生き残るすべを教えてくれて、そして最後に望みをかなえて死んだ人です。」
「もしかしてアーサー王か?」
アーサー王とは、大戦を終結させた男でもある。聖剣エクスカリバーを使い他種族を初めて殺したひとだ。
「いいえ、違います。アーサー王もまたあの人の指示で動いてました。」
「もしかしてあの印刷機もあの望遠鏡も?」
「はい。あの人と私がつくりました。」
「なあ、幸太郎、これが2000年も昔に作られたって信じるか?」
「信じられません。」
「でもなんでこれを俺らにだけ教える?」
すこし顔を赤めてこう言った。
「それはあなたがあの方の継承者だからです。では本題に入ります。」
そして覚悟をきめたような顔をしてこう言った。
「私と結婚してください」
耳口人生初めてのプロポーズを受けた。元の世界でもプロポーズされたことはなかったのだから突然の告白におどろいた。
「なぜ?」
「それはあの方の継承者だからです。」
「だからなぜおれが継承者なんだよ。」
「それはそのネックレスをもっているから」
「継承者だから結婚するのか」
「いえ、主とは夫のこと。ということは妻が必要になるのです。」
「俺は嫌だ。めんどくさいことが起きる」
「冗談はさておき、本当の本題にはいろうか」
え?なにそれ?とその場にいた全員がそう思った。
「ビルマにある古都に行ってほいんです。あそこにはいろんな資料がある。もともとあそこに行く予定だった。」
「まったく話についていけないのは私だけですか?」
谷が言った。
「大丈夫だ。俺もついていけないから。」
「俺もだ」
みんな話についてこれないようだ。
「どうやらまとめる必要がありますね。まとめると、古都に行って資料をとってきて。地図にものってないから特別なコンパスを渡すから」
「最初からそういえよ!」
みんながそう叫んだ。




