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中編

「ここが西都の正門たる東門だ。大きさは縦横共に10リート(約10メートル)と言ったところか。それでなぜここが正門と呼ばれているかといえば、この門を出たはるか東の先に王都があるからだな」

 朝食後に、人出の増えてきた東門へとまずは2人は移動した。西都を観光というならその最初の一歩となるのはここであるからだ。


「初めて西都に来た人間は、他の門を通らずにわざわざ外壁を回ってここから入街することが多い」

「それはなぜですの?」

「ここが正門だというのと、初代魔女(ウィッチ)がこの街に来たときにこの門から入ったのに敬意を示しているとも言われているな。ちなみに魔女(ウィッチ)っていうのはこの街を治めるエクロース公の奥方の代々の呼び名だ、公は代々貴族やなにやらを関係なく魔術師として能力が高い人物を妻として娶っているらしい」

「それは随分変わっていますのね」

「そうだな、エクロース公爵家が魔術の庇護と発展を司る家だと言うのが大きいのかな。そのためには恐らく魔力の高い血筋が必要なんだろう。ちなみに初代魔女は公に娘が生まれたときに対して二つの約束をさせたという噂がある」


 真偽の程は定かではないが、街の住人に伝わる噂を披露する。

「ひとつが娘が14歳になるまでは貴族の娘として、そして魔術師として育てること。もうひとつが14歳になった時に娘自身に進路を決めさせること。というもので、公がこれを破った場合は災いをなすと言うから約束と言うよりは契約、下手をすると呪いなのかもしれんな」

「その約束は守られていますの?」

「俺ら平民じゃお姫様が本当になりたいものなんてわからんが、初代魔女より300年近く街や公に災いが降りかかったという話を聞いたことは無いな。今代の上の姫様も王都に行って宮廷魔術団入りを果たしたと言うし、それなりに自由にさせてると言うのは本当なんじゃないかな……。っとあまり門と関係ないことばかり話してしまったな」

「いえ、とても興味深いお話でしたわ」

「今更だが、案内を生業としてる奴を雇った方が面白みがあると思うぞ」

 クラウスは一通り東門の説明が終ったところでそう言った。


「そんなことはありませんわ、楽しくお話を聞かせていただいております。それに信頼できる方に案内していただける方が楽しいですわ」

「そういわれたら頑張るしかないな」

 本当に楽しそうに言うセラに、クラウスも破顔して答える。


「さてそれじゃ次は中央広場へ向かおう」

「楽しみですわ」

 2人は東門を後にして中央広場へと足を進めた。







 中央広場はまるで市場バザールのように多くの露天が軒を連ねており。そしてその中央に魔法機構により高々と水を噴き上げる噴水が設置されており市民や観光客の憩いの場となっている。

「王都や商業都市の南都には負けるが、ここの賑わいも中々なもんだ」

「クラウス様は他の街にも言ったことがありますの?」

「この国の主要都市ならあらかた行ったことがあるな。あとは他所の国もいくつか行ったな」

「それは羨ましいですわ。それではその中でこの街はどうですの?」

「魔法により設備も整ってて暮らしやすくていい場所だと思うよ。緊張状態の西のシャウムブルク立憲国と場所が近いってのを除いてだが」

「あの国は鉄が欲しくて仕方ないですから、国境近くのハルティ山にある鉱山が諦められないのですわ」

「セラは博識だな。まぁその通りだ。シャウムブルクはこのエクロース公と同じように魔術を振興を進めている。そしてその成果としてゴーレム兵団を作り上げたが、その数を増やすには何をおいても鉄が、それもなるだけ良質な鉄が必要だからな」

「折角の魔法ですのに、このような噴水などを作って皆を喜ばせるものに使うべきですわ」

 セラは噴水から流れ落ちる水に手をやり、そんな風に言葉を返す。


「さて、それじゃあお次に行きますかね」

 少しきな臭い話になってしまった雰囲気を振り払うようにクラウスが促す。

「そうですわね」




「ここがこの街の聖教会だが、中を見ていくか?」

「遠慮しておきますわ、わたくしは神様よりも己を信じていますの」

「別に両方信じたって良いと思うけどな」

 ふたりは聖教会は表から少し眺めるだけにしてそのまま足を進める。




 やがてふたりは高さが3リート(約3メートル)ほどもある塀を持つ立派な門の前に立った。

「これが、この国で魔術師を目指すものなら知らぬ者はいないと言われる、エクロース公立魔術師養成施設だ。街の住民は単に魔法学校と呼んでるな」

「随分と立派な塀で囲まれていますのね」

 セラが学校をぐるりと囲んだ石壁を見上げて言う。


「ああ、中では教育だけじゃなくて重要な魔法の研究もしてるらというのと、生徒が逃げ出さないようにするためとも言われているな。どちらが正しいのか知らんが」

「わたくしはただ単に権力者の見栄ではないかと思いますわ」

「なかなか手厳しいな。確かに腕利きの密偵ならこんな壁あってないようなものだし、生徒はそこの門から自由に出入りできるしな」

 と、クラウスが門を指差した時に丁度3人の学校の生徒と思しき男たちが出てくるところだった。そしてふたりに気がつくと、なにやら笑いながら近づいてくる。



「おい。あんたみたいな貧乏人がこの栄えある魔術師養成施設の周りをうろちょろしてるんじゃねーよ。ここはまっとうに金を持ってる奴が来るところだ」

 年のころは17、8だろうか、その学園の生徒が横柄な態度でクラウスに話しかける。他のふたりはこの男の取り巻きのようにやや後ろに控えている。


「金が無くとも卒業後に10年間エクロース公の下で働くなら学費が免除されると聞いているが?」

 エクロース公は優秀な魔術師を育てるためにそのような奨学金制度ともいえるものを作っている。ただし、適用されるのはある程度以上魔力を持っているものに限定されているが。


「はっ。あんな貧乏人どもを甘やかす制度は公もさっさと廃止すべきだよ。魔術を使うのは我ら貴族だけで十分だ」

 どうやら目の前の男たちは爵位は不明だが貴族に連なるもののようだ。

 それに対してクラウスが何か言おうとした時、それを制するようにセラがすっと前に出た。


「わたくしとしては、貴方の様な低俗な精神の持ち主が魔術を振るうと言うことの方がよっぽど耐え難いですわ。魔術を学ぶ前に、もう少しまともな人間になる努力をされた方がよろしいのではなくて?」

「……おい、ガキ。ハラッカ子爵家の人間にそんな口をきいてただで済むと思ってるのか?」

 その生徒はセラの挑発としか思えない言葉に顔色を変える。


「どう済まないというんですの? お父様やお母様に泣いてすがって手でも借りるんですの?」

「ざけんじゃねぇ……。おい、お前らちょっとこのガキに痛い目を見せてやれ!」

 怒りに身を震わせた生徒が背後にいたふたりにそう指示する。


「お嬢ちゃん、悪いがちょっと泣いてもらうよ」

「おっと、貴族に手を出そうなんて考えない方がいいぜ」

 ふたりの生徒はにやけながらセラに近づく。剣を帯びたクラウスを気にしないのは平民が貴族に手を出せるわけが無いとたかをくくっているからだろう。

 しかし、それを見たクラウスが前に出ようとするが、セラの自分に任せてくれと言う目を見て引き下がる。


「手を出さなければよろしいのですわね? では――」

 セラはそういうや否や長いスカートを跳ね上げるようにひとりの生徒の股間を蹴り上げた。


「ぐぇ……」

 ろくに悲鳴すら上げられずに蹴られた男は悶絶する。

 その光景を見て動きが止まっているもうひとりのみぞおちに、セラはくるりと身を翻すと今度は横蹴りをめり込ませる。

 蹴られた男は涙と鼻水と吐瀉物を撒き散らしながら転げまわる。


「お望みどおり手は出しませんでしたわ」

 セラはスカートのすそを直しながら涼しい顔で残った生徒の前に立って言う。


「てめぇ……、ふざけるんじゃねぇ、ぶっ殺してやる!」

 生徒はとても貴族とは思えぬ物言いをすると魔法の詠唱体勢に入る。


「火炎よ、彼の者を―ー、がっ」

 セラは今朝の時のように軽やかに飛び上がると、今度はリボンではなく、格闘術の見本にしたいような綺麗な回し蹴りを披露する。

 その蹴りをこめかみに喰らった生徒は呪文が完成する前に吹き飛ばされ、昏倒する。


「貴方は魔術の前にもうちょっと体を鍛えた方がよろしいですわね。戦場いくさばに身を置くならば魔術師とて何があるかわかりませんもの」

 セラは気絶して倒れ伏す生徒を見下ろしながらに冷ややかに言う。


「それとそこの貴方、手加減して差し上げたのだからお立ちなさい」

 腹に蹴りを喰らい、未だに涙を流している男に声をかける。かけられた男は体をびくりと震わせた後によろよろと立ち上がった。セラは立ち上がった男に近づくとなにやら囁きかける。身長差で爪先立ちになっているのが場違いでなんだか可愛らしく見える。


「ひぃ、あ、貴女は……」

「余計な口をきくのはおやめなさい。それでは後は頼みましたわ」

「は、はい!」

 こちらを呆然とみつめる男を残してセラがクラウスの元へと戻ってくる。

「お待たせいたしましたわ。それでは次の場所へご案内くださいませ」

「……はぁ、そろそろ昼だ。中央広場に一度戻って軽く何か腹に入れよう」

 セラはまるで何事も無かったかのようにクラウスに話しかける。それを見たクラウスはため息をつくと諦めたような表情で休憩を提案する。


「それは良いですわね。先ほど広場に行ったときも良い匂いがしていましたし」

 満面の笑みで答えるセラを見て、クラウスはもう一度ため息をついた。







「栗をこのようにして食べるのは初めてですわ」

 ふたりは中央広場にもどると、手軽に食べられる焼き栗を一山買い、噴水の傍のベンチに腰掛けて食べる。ただの焼いただけの栗であるが、噛むとじんわりとした甘みが口に広がり、セラはあとひとつ、あとひとつと食べ続けてしまう。

 そんな様子をクラウスは微笑ましげに見つめている。


「なんですの?」

「さっきのセラ嬢の体術がなかなかすばらしかったのを思い出していただけだ」

「あれですの? あれは母から教わったのですがまだまだ未熟で、未だに母から一本も取れたことがございませんの」

 20年以上前に冒険者を引退と言っていたから、セラの母親はおそらく40を過ぎている事を考えると相当な腕利きだったのだろう。


「それは大したものだなセラ嬢の母君も、むろんセラ嬢も。その歳であれだけ動ける奴はそうは居ないよ」

 クラウスは心底感心したように言う。

「お恥ずかしいですわ」

「それじゃあ、この話はここまでにしておいて。これからどこに行こうか?」

「それなら公共施設を見てみたいですわ」

「観光でそれかい」

「この街に移住を希望する人間なら関心がある場所に違いませんわ」

「なるほどな、っと」

「あっ……」

 クラウスはそう言うと最後にひとつのこっていた焼き栗を摘むと、素早く皮をむいて口に放り込む。そして焼き栗のあった場所に手を伸ばしままの体勢で固まっているセラに、

「それじゃあ参りますか、姫様」

 と、声をかけた。







「さて、ここが街の重要施設のひとつの水道局だ、ってまだふくれているのか」

「ふくれてなんていませんわ。わたくしは焼き栗ひとつをそんなに根に持つような小さな女ではありませんわ」

 言葉と表情が裏腹であるが、クラウスは見なかったことにして説明を続ける。


「……水源たるトルネ川から水を引き、沈殿槽と魔術による浄化でを行い、水道管を通して街の各所に配水している。また下水も同じく浄化を行いトルネ川に流しているって話だ。流石にもとの水よりは大分汚れているらしいがな」

「話には聞いておりましたけど素晴らしいですわ、魔術はこのような事に使われるべきですわ」

 水道局、といっても重要施設だけあって兵士と管理する魔術師が多数駐屯しており下手な砦などよりもよっぽど強固である。

 そして今も感動に打ち震えるセラを水道局の四隅にある監視塔から見つめる視線がある。


「セラ嬢。あんまり不審な態度を取っていると兵士が飛んでくるぞ」

「ふ、不審とは失礼ですわ! 水道局のありように感動しているだけですのに!」

 クラウスがたしなめるが逆効果になっているようだ。


「まぁ、流石に中は見せてもらえないだろうし、次に行こうか」

「クラウス様、何か急に適当になっていませんこと?」

「そんなことはないない。ほら、次も魔術を平和的に使っている施設だぞ」

「なにかごまかされている気がしますわ……」

 クラウスはセラの背を押すようにして次の目的地へと向かっていく。







「今度も水がらのみの施設だ」

 クラウスがそう言って案内したのは西都最大の公衆浴場だった。

 入る人は楽しげに、出てくる人は満足げな表情をしている。


「このような大規模な公衆浴場が安価で利用できるのも、公が湯を沸かすための魔術師を派遣してくれているお陰だな。新米魔術師の研修的な意味合いがあるのは否定しきれないが」

「この中が全てひとつの湯船になっているんですの?」

「いや、流石にそこまで大きくない。男女共に湯船がふたつずつとサウナがひとつずつだったはずだ」

「男女が別れているのですよね」

「昔は混浴だったらしいが、不埒なことをする奴が時々居たらしくてそのうちに分かれるようになったとのことだ。どうだ入っていくか? 必要なものは中で全て借りられるが」

 クラウスの言葉を聞いてしばらく悩んだ様子のセラであったが、

「そうですわね。何事も経験をいいますし」

 そう言って公衆浴場へ入ることを承知した。


「入ったら係りの人間が居るから、そいつに声をかけて必要なものなんかを借りな」

「わかりましたわ。本当はクラウス様とご一緒したかったのですが」

「はっはっはっ。俺も残念だよ。それじゃあまた後でな」

 クラウスが子供にするようにセラの頭を撫でると男湯のほうへ消えていく。セラは少し不満げな表情で見つめていたがやがて女湯へと入っていった。




 浴場の中はまだ日が高い時間であるがなかなか混雑していた。どうやらこの時間は労働者よりも観光客のような層が利用しているらしい。

「ふぅ」

 湯船に入ると思わず声を出してしまうクラウス。

 ここで騒ぎを起こす輩もそうはいないだろうと考えたのか、足を延ばしてのんびりしているようだ。




「ほらあんた、湯船に入る前に体を洗わないと駄目だよ」

「は、はい。申し訳ありませんわ」

 浴室に入りそのまま湯船に入ろうとしたセラだが、その5倍の年月は生きていそうな女性に止められる。


「なんだいお嬢ちゃん。ここは初めてかい?」

「はい、恥ずかしながら自宅以外でお風呂に入るのは初めてなんですの」

「自宅に風呂があるのになんでまた……。まぁそれはいいさね。入り口で洗い布を借りたろ?」

「はい、これですわね?」

「そうそう、それで体をこすって垢を落とすんだよ。そうしたら湯で体を流してから湯船に入るんだ。他人の垢だらけの湯なんてお嬢ちゃんも嫌だろう?」

「無論ですわ」

「ならちゃんとしないといけないよ。それで湯船でゆっくりあったまったら終わりさ。あとはサウナに入るなり、出るときにしゃっきりしたければ水を浴びるなりすればいいのさ」

「ご丁寧にありがとうございますわ」

「何いいってことよ。でも、お嬢ちゃん」

 親切に説明してくれた老婆が、セラの姿をじっくり見るとそこで言葉を切る。

「なんですの?」

「ちゃんと食べてもうちょっと肉を付けないと男は喜ばないよ」

 そういって老婆は大声で笑う。

「よ、余計なお世話ですわ! わたくしはこれからもっと成長いたしますの!」

 顔を真っ赤にしたセラを見て老婆は更に笑い声をあげるのだった。







 クラウスが公衆浴場の壁によりかかるようにしてセラを待っている。そして1セクタ(約15分)もするとセラが出てくるが、風呂上りとは思えない浮かない表情だ。

「どうした、風呂はいまいちだったのか?」

「クラウス様」

 セラはクラウスの問いには答えずに思いつめたようにその目をじっと見つめる。

「どうした?」

 セラの真剣な様子に思わず姿勢を正すクラウス。

「クラウス様も豊満な女性が好みなんですの?」

 そしてセラの思いがけない言葉によろけそうになる。

「……急に何を?」

「いいからお答えくださいませ!」

 目が据わった様子のセラに、逆らうと危険なものを感じたのか、

「あーそうだな。まぁそれなりの体つきの方が良いな。ほら、あんまり細いと具合が悪いんじゃないかとか心配になるし」

 クラウスはそんな風にどこかいい訳じみたよう聞こえる言葉を返した。

「そうですの……」

「まぁそんなに――」

 クラウスが落ち込んだ様子のセラを慰めようと声をかけようとしたときに、何かに気がついたように言葉を止める。

「クラウス様」

 急に雰囲気の変わったクラウスを見て、セラも先ほどまでの落ち込んだ様子から一転する。




「市街を拡張中の地区があるんだが、これが中々興味深い場所でな、今日はそこを見て終わりにしないか?」

「そんなところがあるんですの? 是非見てみたいですわ」

 ふたりの姿を離れた場所から窺っていた男が走り去る。遠耳魔法を使えば今の会話も聞こえていたことだろう。


「行きましたわね」

「あれは今朝逃げた男だな」

「そうですわね。そしてシャウムブルクの密偵でもありますわ」

「……そんなこと俺に教えても良いのか?」

「かまいませんわ。これから対峙する相手ですもの」

「俺も混ざるのは決定事項か……。しかし、自分から危険に突っ込んでいく必要もなかろう。敵国の密偵とわかっているなら衛士なりなんなりに通報した方がいいんじゃないのか?」

「売られた喧嘩は必ず買えとお母様に言われておりますの」

「それは流石に教育方針に問題があるような……」

「それよりもクラウス様はお手伝いくださるのでしょうか?」

 セラが上目遣いにクラウスを見上げて言う。


「……一度付き合うって言ったからなぁ」

「流石クラウス様!」

 ため息をつくクラウスと対照的に笑顔のセラ。


「それにわたくしはこの街が好きなんですの。あのような街中で人を襲う連中を見過ごしたとあってはもう顔を上げてこの街を歩けませんわ」

 大仰な物言いだが、決意に満ちた表情で話すセラ。


「それじゃ覚悟を決めていくか、あまり遅れると不審に思われるだろう」

「わかりましたわ」

 ふたりはうなずき合うと男が消えた路地へを向かっていった。

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