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追 章  2- 4/11 ビル・シャレットとセイリース

              2 - 2 


 リンが連れられたのは、地下にある取調室。

 隣には、個室がある。


 以前にも同じような部屋に入れられた。



「入れ!」


 取調室の入り口で立ち止まったリンを、デレンポーサが後ろから強引に押し込んだ。

 リンは、躓きながら部屋に入った。


 そのリンの目に入って来たのは、以前にも見た、いかつい機械や備品だった。


 リンは、一瞬、体が硬直するのが分かった。


「あれか? また必要になるかもしれないだろう? 

 あらかじめ準備してある。すぐに使えるように。

 どうだ、気に入ってくれたかな?」


「…………」


 リンは、答えなかった。

 答えられるはずなどない。


 これは、尋問に使われるのだから。


「返事は、なしか? しかし、これからも黙秘は無しだ。必ず返事はしろ。いいな?」


 セイリースがそう言いながら、リンを取り調べ室の机の奥側の椅子に座らせ、

 手錠はそこで初めて外された。


 そこに、一人の捜査官が入って来た。


「久しぶり、リン。元気そうだな?」


 クレイだった。


 リンは、別に興味なかった。

 誰が相手でも変わりないからだ。


「…………」


「なんだ? 返事は無しか? 言われなかったか、返事をしろとは」


 そう言って、クレイはセイリースに視線を向けた。

 すると、慌てたようにセイリースは、


「言いましたよ。そのことは」

 はっきりと言い切った。


「そうか?」

 クレイは軽く受け流した。


 それを聞いていたリンは、改めて聞いた。


「……なんで、私がここに連れて来られたの?」

 平然と聞くリンに、クレイは、ため息をつきながら、


「この状況で、ここまで落ち着いていられるとは、驚きだよ。

 自分に非があるとは思わないか? 

 それに、理由を知っていてもおかしくない」


 こう言って、リンを見た。


「何か分かっていたら,聞かないでしょう?」


「よく言えるものだな?

 ……チームに入るにあたっての条件を覚えているか?」


「覚えてるよ。その通りにしたはずでしょ? 

 だからチームに入れたんだから」


 リンは、まるで思い当たらないと、クレイを見下すような話し方だった。


「そうか? お前を信じられたら、いいんだろうけどな?

 ……隠し事に、心当たりはないか?」


「ないよ。そんなの」

 その言葉を受けて、クレイは一枚の紙を取り出した。


「これは覚えてるな?」

 それは、リンがチームに入るために書いた誓約書だった。


「覚えてるよ。それがどうかしたの?」


 リンには、全く悪びれた様子はない。

 それどころか自信さえ見られる。


「これには、お前がしてきたハッキングについて、残らず白状する。

 とある。が、……どれを白状したんだ? これ以外にもしたんだろう?」


 リンには、何を言われたのか良く分かっていなかった。

 だから、クレイのこれ以上ない高圧的な言い方にも、それ程気おされなかった。


「だから、それがどうかしたの? 

 聞かれたことには、全部答えた。それがどうかしたの?」


 リンとクレイが再び取調室で向かい合う。この後はこの場面が続きます。

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