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追 章  2-2/11 ビル・シャレットとセイリース

 そんな風にして、いつもの時間が過ぎていった。


 メンバーが揃って作業確認をしているところへ、技術者以外の人が入って来た。


「リンはいるか?」


 入って来たのは、セイリースとデレンポーサの二人の捜査官だった。


 いかにも、捜査官っぽくない捜査官がセイリース。

 その反対にいかにも捜査官っぽいのがデレンポーサ。

 二人のうち、セイリースの方が先輩になる。


 その二人が入って来た途端、雰囲気がガラッと変わった。


 それまでの和気あいあいとしていた空気が、いきなりピンと張りつめたものになった。


「なんだよ。いきなり入ってきて、俺達に何の用だ?

 今、作戦会議中だ。出て行ってくれ。

 用がある時は、事前に連絡するもんだろう?」


 アンリードが怒鳴ると、セイリースは怯まず、

「お前じゃない。リンに用がある。それにこれは、協力要請ではない」


 アンリードが、行く手を阻むように通路を塞ぐと、

 セイリースはそれを強引に脇へ寄せた。

 そして、デレンポーサと共にリンの元へ近づいて行った。


 リンは、何も言わなかった。


「リン。確認したいことがある。来てもらおうか?」

 連れて行こうとするアンリード。

 その通路を確保するデレンポーサ。


 二人は、冷静に対応している。


 以前にリンとは、面識があった。


 もう何度も尋問で担当している。

 慣れた感じで接しようとするが、リンの方は、この高圧的な態度に嫌気が差していた。


 だから、今更、素直に従うつもりはない。


「何? 今更、何の用?」


 ここ一年ほどは、捜査部とは間を置いていた。

 捜査官と、これといった話をしていない。


「話がある。来てもらおうか?」


 セイリースは、無理矢理にでも連れて行くつもりらしい。

 リンの手を強引に引っ張った。


「リン! やめろ。手を放せよ。今頃、何の用がある?」


 アンリードは、セイリースからリンの手を放そうとした。

 が、その手はすぐに払われ、


「邪魔をするな! お前も連行するぞ」


 アンリードは、その言葉に手を緩めた。

 その隙にセイリースはリンを連れて行こうとして、

 今度は、リンが自らセイリースの手から抜き取った。


「どうして連れて行かれるのか分からないうちは、行くつもりはない。」

 リンの手首は、捕まれていたため赤くなっていた。


「それには答えない」

 セイリースは冷たく言った。

 あくまで高圧的な態度は変わらない。


 リンの所属するチームには、もちろん、ここの正規職員もいる。

 リーダーは、その職員の中にいた。


「待って下さい。今、会議中です。その後ではいけませんか? セイリースさん」


「フランさん。今日は急ぎます。

 というより、リンは、今日からしばらくはここには来れなくなります。

 いつとは分かりませんが。

 リンは連れて行きます」


「リンの何が連行される理由ですか? 

 ここに来てからのことなら、私にも聞く権利があると思いますが。

 それに、今のリンの責任者は、私です」


「…………」

 セイリースは、しばらくの沈黙の後、思い切った様子で、


「では、言いますが、今回の件は、リンがまだここ(チーム)に来る前の件です。 

 ですから、お話する必要はありません」


「では、その前、もう一年以上も前のことになりますよね。

 なぜそんな前のことで、今、連行されるのですか?」


「それについて、話す義務はありません」

 セイリースは、はっきりと言いきった。


「だったら、私は聞く権利があるんじゃない? なんで今頃になって?」

 リンは、思いっきり不満そうに話した。


 それには、こう言った。

「それについては、ここではなく、……」


「だったら、行かない。どうせたいしたことないでしょう? 

 今日の仕事、終わらせてからでもいいでしょ」


 そう言って、作業にかかろうとした。


 セイリースは、それを強引に引き留めようとしたが、リンはその手の中をすり抜けた。


 パシッ。


 リンが激しく飛ばされ、机に背中を打ち付け、そのまま床に座り込んだ。


 デレンポーサが、リンの頬を横殴りに叩いたのだ。

 リンは、一瞬うめき声が出た。


 それを見ていたメンバー達が、リンの元に行き、

「リン!」


「なんで、なんでリンを連れて行く?」

「リンには、我々に隠していた事案がある。それを確認させてもらう」

「隠していた?」


 メンバー達は、同時にセイリースの方を見た。

「そうだ。だから、すぐに連行する。邪魔しないでもらおうか」


 デレンポーサは、リンに後ろで手錠をかけた。


 それには、何も言えず見ているしかなかった。


 しかし、それに食いついたのが、アンリードだった。


 暫く、この調子で話が進みます。よろしくお願いします。

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