序章 魔導器
すみません:序章が後になってしまいました;
この世界は平和であった。ある時までは。一人の男がこの世に生を受けるまでは……いや、その男がある石ころに興味さえ抱くまでは……
男が生まれてから十数年後、この世には『魔導器』という危険な代物が出回りはじめる。それは武器。刀、銃、鎌など形は様々だが一つだけ共通していることがある。でたらめな性能というところだ。例えば、『なんでも突き通す矛』『燃え上がる剣』なんて具合だ。これだけ見るとでたらめではあるが、マシンガンなどと比べたら別に驚異となりえない。所詮、使うのが人間なら飛び道具には勝てないのだ。しかし、困ったことに『魔導器』の力はそれだけではなかった。なんと『魔導器』は持った人の体にまで影響を及ぼす。簡単に言えば身体能力が異常に発達した化け物になるってことだ。幸い使える人間は限られた適合者であったため、世界の表面に顔は出さなかった。しかし、それでも十二分に強力な武器がこの世に生まれてしまったのだ。
強力な力は犯罪者を作り出す。魔導犯罪が増え。証拠不足で迷宮入り事件が多発し、世界は荒れ始めた。そこで、一部の真実を知っている被害者が資金を出し合い魔導犯罪者に賞金をかけた。魔導犯罪者を討伐すれば、事後処理は他人に任せお金を受け取れるというシステムを作ったのだ。『魔導器』を持つ者は三派にわかれることとなった。犯罪者、ハンター、処理者。そして、魔導犯罪は減少していったのだ。そうつい最近までは……