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ぐちゃぐちゃした気持ち

残酷な真実を叩きつけられた私は、いつのまにか家で寝ていた。

どうやって帰ったかもわからないぐらい記憶がぐちゃぐちゃになっていた。

もしかして全部夢だったのかなぁ?

そう思ってケータイを開いてみると、返事が返ってきていないメールの履歴。

それだけで現実に引き戻される。

また悲しくなる。

必死にあの話を嘘だと信じたい自分がいるのだが、現状を見る限りでは真実を受け止めるしかないような気がしてくる。

信じたくないのに信じるしかない。

正樹を信じている自分を信じたいのに、信じれる要素がない。

こんなに遠距離恋愛が辛いものだとは思わなかった。

もし遠距離じゃなければ、今すぐ会いに行って事情を聞けるのに・・・

話を聞きたい。声が聞きたい。本当のことを聞きたい。

片方が拒否するだけで全部できない。

心どころかケータイすらつながってないじゃないか。


「こんなおもちゃなんかっ!!」


壁に向かって思いっきりケータイを投げつけた。

開いたまま投げたせいで変なぶつかり方をし、上下を繋ぐ部分が壊れて綺麗に二つになった。

一瞬やってしまった、とも思ったけど、どうせ連絡も来ないんだしもう私には必要なかった。

制服を着たまま布団の中に潜り込んだ。



次の日。


朝になってお母さんが起こしに来たけど、頭が痛いと嘘をついて学校を休んだ。

両親は共働きのため、昼間は誰も家にいなかった。

静かな家の中でその日は布団の中に潜って、一日中沈んだ気分のまま過ごした。



その次の日。


また嘘をついて休んだ。

お母さんは病院に行くように言ったけど、寝てれば治ると言ってまた布団の中で過ごした。



そのまた次の日。


土曜日のため学校は休みだった。

お母さんが朝に様子をみに来たけど、また仮病を使って布団に引きこもった。

だんだんと気持ちが収まってきたけど、なんとなく布団から出たくなかった。


「お姉ちゃん大丈夫?」


顔を向けると、中学1年の妹の一美(かずみ)がドアから部屋をのぞき込んでいた。

この間まで小学生だったのに、今はもう中学生だ。

時が経つのは早いなぁ。


「大丈夫だよ」

「あのね。明子さんからメールがきて、お姉ちゃんのケータイに繋がらないから様子を見てくれって言われたの」


明子と一美はメールアドレスを交換している。

無理矢理明子が聞いたんだけどね。

リアル妹がほしかったらしい。


「ごめんね。大丈夫って言っといて」

「わかった。お姉ちゃんのケータイは?」


そういえば壊れたんだっけ。


「あれ?それ・・・ケータイ壊れたの?」

「あっ!」


一美があざとく床に落ちたケータイを見つけて拾い上げる。

慌てて布団から出てケータイを取り返そうと立ち上がるが、近頃の布団生活のせいでからだがバキバキいって動きにくくて一美までたどり着けない。


「お姉ちゃん・・・大丈夫?」

「ちょっと返して・・・」

「そんなことよりヒドイ顔だよ?」

「・・・メイクしてないからさ」

「お姉ちゃんメイクしないじゃん。お母さん呼んでこようか?」

「大丈夫だから!お母さんには言わないで!」


つい大声を出してしまった。


「・・・わかった。なんかあったら言ってよね。私たち姉妹なんだし」

「・・・うん。ありがと」


ケータイを私の手に置くと、一美は部屋から出ていった。

話のわかる妹でよかった。

昔から小さいくせに空気の読める妹だった。

自慢の妹だ。


「はぁ・・・どうしよ」


もうこれだけ休んだりしてると部屋から出にくくなっちゃったなぁ。

きっと明子も心配してるみたいだし。

そろそろ学校にも行かないとって思うけど、正樹のことを考えるとすごい辛くなってくる。


「お姉ちゃん」


閉じたドアの向こうから一美の声がした。


「何?」

「これから明子さんたちが来るって」

「え?明子に言ったの?」

「何も言ってないよ。言ったらお姉ちゃん怒るでしょ?」

「そっか。ごめん」

「別にいいよ。明子さんから伝言。私が行くまでに風呂に入ったり歯磨いたりとかしとけ!だって」

「・・・わかった。ありがと」




私はシャワーに入って歯を磨いてさっぱりした。

そしたらお腹が減ってきて台所で冷蔵庫を漁ろうとしていたら、お母さんがおにぎりを作ってくれた。

それを部屋に持っていき、明子が来るまで食べながら待っていた。

しばらくしてインターホンが鳴った。

妹が出たらしく、部屋まで明子を案内してくれた。


「なんであんたもいるの?」


私の部屋の前にいたのは、明子だけじゃなくてストーカー男も一緒だった。


「あのあと気になってたんだが、吉野君子がなかなか学校に来ないから困っていたんだ」

「だから今日お見舞いついでに連れてきたの」

「一応女子高生の部屋なんだけど・・・」

「大丈夫だ。俺は気にしない」

「私が気にするっつーの!!」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とかいただけると見えないところで激しく踊り狂います。


なんか沢山書いてる気がするんですがまだ一桁話なんですねー

多分そろそろ鬱ターンが終わるはずです。

なんかデジャブ・・・


次回もお楽しみに!!

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