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転校

私と加藤君はその後のなりゆきで付き合うことになった。

って言っても、加藤君はみんなに内緒にしておいて欲しいらしく、まだ誰にも言ってない。

もちろん明子にも。

そしてその次の日からイジメは無くなった。

というよりも今まで以上に加藤君が近くにいるようになったので、イジメができなくなったと言う感じだった。



そして私と加藤君が内緒で付き合い初めて1ヶ月ぐらいが経ち、6月も終わりに近づいてきたある日。

その頃には、二人の時は互いに名前で呼び合っていた。

明子が掃除当番で遅くなるので、学校帰りの駅までの道を二人で歩いていた時だった。


「え?転校?」


正樹が大阪へ転校するということを聞かされた。

転校は前から決まっていて、夏休みには引っ越してしまうらしい。


「そうなんだ・・・」

「ごめんね。なかなか言い出せなくて」

「ううん。私たちはどうなるの?」

「どうしたい?」


そう聞かれると困る。

私は遠距離でもなんでもいいから正樹との関係を続けたかった。


「遠距離とか・・・ダメかな?」


正樹が迷惑ならと思ったけど聞いてみる。


「遠距離ってつらいよ?なかなか会えないし、何かあってもすぐに行けないし」

「でも気持ちがつながっていれば大丈夫だよ!」

「・・・そうだね。じゃあまた大人になったら会おう!」


そう約束した。

そして正樹は7月の終業式の次の日には引っ越していった。

私と明子は二人で空港まで見送りにいった。


「見送りなんていいのに」


すこし照れたように微笑む正樹。


「そんなこと言わないでよ。最後かもしれないんだから」

「それフラグ」


明子が縁起でもないことを言う。


「アハハハ。じゃあね。照井さんも君子も元気でね」

「うん。メールとかするね」

「加藤君も頑張れよ!」


搭乗口へと姿を消していく正樹君を見送った。


その帰りの電車の中。


「君子と加藤君って付き合ってたんでしょ?」

「え!?なんで知ってるの!?」

「そんなのバレバレだよ。見てたらわかるって」

「バレてたのか・・・」


テヘヘと頭をポリポリとかく。


「さみしくないの?」

「そんなこと・・・ないよ・・・」


しばらく正樹に会えないと思うと涙が溢れてきた。


「ほら。俺の胸を貸してやるよ」

「誰それ・・・」


明子の冗談にツッコミを入れて乗り換えの駅まで私はずっと泣いていた。





そして今、高校3年の5月。

正樹とはあれ以来ずっと会っていないけど、心が通じ合っていると信じて遠距離恋愛を続けている。

最初のうちはどうしようもなく会いたくなったけど、そういう時は正樹に電話をしたりして気を落ち着けていた。

こんなに会えないのが辛いものだとは思っていなかった。

会えない。触れない。声が聞けない。顔が見れない。

そんなこと愛があれば何とでもなると思っていたけど、正直会いにいきたい。

でも約束は約束だ。

いつか大人になったら会うその日まで、頑張って人生を過ごしてやる。


「俺と付き合いませんか!?」

「断るっ!!!!」


こいつも振って振って振りまくってやる!!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると執筆意欲が高まります。


やっと過去編が終わりました。

次回からはストーカー編です。


次回もお楽しみに!


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