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お付き合い

長谷川からの告白・・・私からしたことになるのか?

よくわからないけど、お互いの気持ちを伝えあってから1週間が過ぎた。

この1週間、何もなかった。

付き合ったばかりだからもっとイチャイチャしたりするのかと思ったけど、一日に何回かメールをするだけで、特に何もしていなかった。

互いに受験生というのも関係しているのかとも思ったけど、お互いに成績は悪いわけでもないので意外とのんびりだった。

私はここ数日で行きたい大学を決めた。

実は前々から興味があった心理学が専攻できる大学に進むことに決めた。

元々文系のクラスだったから、心理学を専攻するには問題ないし、成績も問題ない。

あとは復習と応用問題を繰り返し解いていけば落ちる心配は無いと思う。

このことを長谷川にメールで教えると、『吉野にもやりたいことが出来たのはいいことだお。少し羨ましすww』と返信が来た。

長谷川は未だにやりたいことが見つからないらしい。

成績が良くてもやりたいことがなければ宝の持ち腐れだ、と長谷川自身が前に言っていた。


「長谷川ならなんでも出来そうなんだけどなぁ」


私から見れば、長谷川は万能人間だ。

でも万能すぎて突出したものがないからしたいことが見つからないんだと思う。

前に大学の話をメールでしていたときに、『大学でしたいことが見つかるかもしれないから、とりあえず大学に行くでござるww』と言っていた。

意外と簡単な脳の構造をしているので、どこの大学に行くかというのはそんなに気にしていないみたいだ。

色々と考え事をしながら道を歩いていると、あっという間に長谷川の家の近くまで来ていた。

今日は長谷川の家で勉強会を予定しています。

この間貸した少女漫画を返してもらおうとメールをしたら、なんやかんやで勉強を教えてもらうことになった。

なんせ学年トップの成績を誇る人間が勉強を教えてくれるというのだ。

断る理由がない。山田由花子式授業(超スパルタ)だったら怖いな。

私は参考書とかペンケースとかを入れたカバンを持って、道をてくてくと歩いていた。

ちなみに私と長谷川の家は遠くはない距離にある。

しかし中学校はギリギリ違う学区だったために互いのことは知らない。

高校と私の家と長谷川の家を結ぶと綺麗な正三角形ができる位置にある。

実際に長谷川の家は行ったことはないけど、近くの公園なら知っているので、そこで待ち合わせをしている。

やっとこさ公園が見える距離まで歩いてきた。

いくら近くとはいえども、歩いて30分の距離は地味に遠かった。


「こんなことならムサイ号でくればよかった」

「むさいごう?」

「うひゃあ!」


いきなり背後から声がしたので思わず変な声が出てしまった。

長谷川には背後に忍び寄るスキルがあるのを忘れていた。


「きらい・・・ごう?」

「もう!ビックリさせないでよ!」

「あぁ。すまない。ちょっと驚かせようと思って」

「予想以上に驚いてるから大成功だよ!」


この野郎め!今回は悪気たっぷりだったなんて・・・非常に悔しい!


「・・・・・・」

「ん?長谷川?どうしたの?」


急に黙って考え事をしているように見えたので声をかけた。


「もしかして吉野はゲームとかはしないのか?」

「え?ゲーム?」


確かにあんまりしないけど、なんで急にゲーム?

そのことを長谷川に伝えた。


「そうか。だったら今日はゲームをしよう」

「えー!勉強は?」


自分から言っておいてゲームに誘うとは何事か!


「本音を言うと、吉野と同じ部屋に二人きりでいて、勉強を出来るかと言われれば、きっと集中力がもたないと思う」

「その心は?」

「緊張してうまく教える自信がない」


長谷川の顔が少し赤くなるが、相変わらずの無表情で言う。

どういう表情筋の使い方をしたらそこまで無表情が保てるのか不思議だ。

私なんか長谷川のそんな表情を見ただけで、余裕でニヤけちゃってるよ。


「・・・変なコトしないでよ?」

「そこは安心してくれ。簡単に手を出さない自信はある」

「変な自信持つな。・・・ってゆーか緊張してるの?」

「まぁな。こう見えてもかなり緊張してるぞ」


ホントに無表情でわかりにくいやつだな。


「そういえばなんでゲームの話が出てきたの?」

「俺が『きらい・・・ごう?』って言っても反応しなかっただろ?」

「あれってゲームのネタだったの!?」


さすがの私もそこまでは手が回らない。

漫画とアニメだけで勘弁してください。


「だから是非プレイしてもらおうかと」

「そこまで言うなら別にいいけど、どんなゲーム?」

「カメラで敵を倒すアクションゲーム」


なんとも変わった設定のゲームだこと。

なんだろ?殴って倒すのかな?


このとき私はまだ知らなかった。

このあと私に襲いかかる恐怖がいかに恐ろしいものであるかを。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると大変喜びます。


地味に久々な日常です。

長谷川くんの守備範囲はかなり広いです。


では次回もお楽しみに!

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