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訪問者

翌日。

自分の部屋で長谷川からもらったアドレスが書かれた紙を見ていた。

一応登録はしてみたものの、メールを送っていいものか少し迷っている。

用も無いのに送るのはいかがなものか?

長谷川は私のアドレスを知らないのに、こちらは知っている。

これは何もなくても送るべきなのか?

私がうむむと部屋の中で唸っていると、

部屋のドアをノックする音が聞こえて一美が入ってきた。


「お姉ちゃん。ちょっといい?」

「ん?どうかした?」


あのツンデレな妹の一美が自ら私の部屋に入ってくるなんて珍しい。

前に私が布団生活をしていたときに来たのだって、かなりレア度が高いことだった。


「あのね、実はご相談がありまして・・・」

「相談?」


これはますますレア度が高いルートに迷い込んでしまったみたいだ。

どっかでフラグ立てたっけ?


「うん。実は今・・・あ、誰にも言わないでよ?もちろん明子さんにも言ったらダメだからね?それで今、その、私、恋をしているわけですよ」


一美が恋かぁ。


「へー。別にいいんじゃない?」

「ちょっと、まだ続きがあるんだってば。でね、その相手の人なんだけど、私より年上ってゆーか、お姉ちゃんと同じの歳の人なんだけどね。あ、年上ってどう思う?・・・まぁ年齢なんてあんまり気にしないよね。で、今年受験じゃん?聞いたところによると、なんか東京の大学に行くらしいんだよね」


わざわざ東京の大学に行くってかなり頭いい人だよな。

一瞬長谷川のことが頭に浮かんだ。

・・・まさか長谷川のことじゃないよね。


「で、そこでお姉ちゃんに相談なんだけど、私はどうしたらいいと思う?」

「どうしたらって・・・どうしたいの?」

「私はまだ中学生だから相手にされないってのはわかってるんだけど、それでも好きなもんは好きだし、とりあえずは気持ちを伝えるだけ伝えておきたいなぁって思ってる」

「・・・なんの相談なの?」

「いや、ちょっと聞いてもらいたくて・・・」


なんでそこまで答えが出ているのに相談しにきたのかまったくもってわからない。

多分後押しして欲しかったんだろう。

顔まで真っ赤にしちゃって・・・可愛い妹である。


「もう自分の中で答えが出てるんだからそれでいいんじゃない?」

「でも失敗したら・・・」

「大丈夫だって。まだ若いんだし、失敗したって相手からどっかに行っちゃうんだから大丈夫」

「・・・なにげに失敗すること前提じゃない?」

「成功するときのこと考えたって、どうせ嬉しくて頭真っ白になるんだからあんまり意味ないって」

「お姉ちゃんが変なこと言ってる。でも正論っぽくて気持ち悪い」


ちょっと正論言ったらこれだよ。


「でもなんかちょっと勇気でたよ。その、あ、ありがとね」

「・・・ついにデレたな」

「別にちょっと感謝しただけじゃん!もういいよ!じゃあね!」


バタン!とドアを閉めて一美が出ていった。

久しぶりに一美のデレたところを見た気がする。

ってゆーか最初に部屋に入ってきた時点からデレデレだったのは内緒にしておいてやろう。

それにしても受験かぁ。あんまり夢とかないからなぁ。

とりあえず近くの大学に行ってから考えようかなと思ってる。

そういえば長谷川ってどこの大学行くんだろ?

かなり頭が良いからそれなりに高いところ行くんだろう。

ちょっと気になってきた。


「そっか。これ送ってみればいいんだ」


私はケータイを手にとってメールを打ち始めた。

ポチポチ。


『こんにちわ。吉野です。アドレス登録したから送ってみました。ところでどこの大学行くの?』


何回か文章を作り直して固すぎず柔かすぎない絶妙の文章ができた。

最初だから絵文字・顔文字・『www』は無し。

よし。送信。

何気に緊張する。

一応好きな人にメールを送っているわけだから、返信が帰ってこなかったらどうしようとか考えてしまう。

そして数分後。

長谷川から返信が返ってきた。


『長谷川だお。大学とかまだ決めてないwwとりあえず自分で行ける中で一番高いところにでも行ってみようかと思ってる(`・∀・´)v 吉野はどこに行くんだ?』


かなりオタク丸出しな文章だった。

長谷川相手に文章を考えていた私が馬鹿だった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると踊り狂います。


今回は妹デレ回でした。

なんとなくデレさせたかっただけです。

後悔はしていない!


ということで次回もお楽しみに!


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