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UFOキャッチャー

どう考えてもおかしい。

今日の長谷川はテンションが高すぎる。

何か良いことがあったのだろうか?

いつもの長谷川からは想像できないほど楽しそうだ。


「長谷川?なんか良いことあったの?」

「ん?別にいつもと同じだが?」

「いやいや、全然違うでしょ」


いくら無表情だからといってもテンションが高いのは声質でわかるってもんだ。



オムライスを食べた私たちはゲーセンに来ていた。

明子曰く「あそこは私たちのお金を巻き上げて楽しんでいるところなんだ!」とのこと。

欲しかったフィギュアが(おそらく)定価の倍近くの値段をかけてもUFOキャッチャーで取れなかった時に言っていたから、きっと相当悔しかったんだと思う。

私はあんまりフィギュア<漫画なのでUFOキャッチャーの中に好きな作品のやつがあれば300円ぐらいやる程度だ。

そして鳴海さんが現在UFOキャッチャーで例のゲームのでかいぬいぐるみのゲットに励んでいる。


「くそっ!俺にもキャプチャが使えれば!」


あのグルグルするやつか。

UFOキャチャーの前でなんか騒いでいる鳴海さんを、少し離れたところから見ている私と長谷川。

なぜかいつの間にかここまで離れてしまった。

鳴海さんには悪いけど、あれだけ騒いでいる人とは他人と思われたい。

また失敗したみたいだ。

隣の長谷川を見る。

直前までのテンションを感じさせないような無表情だった。

私の視線に気づいたのかこちらを向いた長谷川と目が合う。

そのまま目を見る。


「何か用か?」

「長谷川ってゲーセン好きなの?」


テンションが高いのはきっとゲーセンが好きなんだと思った。

ここに来てからすごい落ち着きがなくなったもん。

今だって手に財布持ってるし。


「たしかに好きだが・・・なんでわかった?」

「そりゃ長谷川を見てたら誰でも気づくよ。なんか好きなのやってきたら?」

「でも兄さんを見ておかないと」

「あんたは保護者か。なら鳴海さんは私が見ておくから。これでいいでしょ?」

「吉野・・・お前いいやつだな!行ってくる!」


今頃かよ。


信じられないスピードで去っていく長谷川。

なんか長谷川って見た目によらず子どもっぽいよなぁ。

あれで愛嬌があれば完璧モテるんだろうなぁ。

でもあの性格を知っているのは私だけって思うとなんか嬉しかった。


「あれ?隆夫は?」

「なんか好きなやつしに行ったよ」

「えー!せっかく俺が離れてたのに!」

「鳴海さんめちゃくちゃ集中してたじゃん」

「まぁね。あのぬいぐるみは手ごわかった」


かいていない汗を拭う仕草をする鳴海さん。

しかし手には何も持っていない。


「もしかして取れなかったんですか?」

「ギクリ。ま、まぁ相手のほうが一枚上手だったってことで」

「なんなら私取ろうか?」

「得意なの?」

「まぁね」


よく明子にも頼られてる。

さっきまで鳴海さんがやっていた機械の前に立つ。

鳴海さんから仕事料の300円を受け取り、一枚だけ投入。


「えーっと・・・こんなもんかな?・・・よっと・・・」


後ろから鳴海さんの熱い視線を受けながら、慎重にアームを動かしていく。

UFOキャッチャーにはいくつかポイントがある。

まずはアームの開き具合。

これを把握するのとしないのとではかなり差が出てくる。

そしてボタン。

UFOキャッチャーには横に動くボタンと奥に動くボタンが付いているが、時々③の下に降りている途中で止めることができるボタンがある機械もある。

私はあれがあるやつが得意だ。

最後に方法。

最近のUFOキャッチャーはただ景品を掴んで持ち上げるだけではなくて、一本の棒に引っかかっている景品のフックを外す形式のものも増えてきている。

後者のは明らかに100円だけだと取りずらいし、『ぬいぐるみの紐がひっかかったー!』というようなラッキーが通用しないので、根気とお金とミスをしない精神が重要なものだ。

今回の鳴海さんがえんやこらしていたのはまさに後者の形式だった。

でもここまで落ちそうなら多分200円ぐらいで落ちると踏んでいた。

一回目でもうかろうじてひっかかっているところまでずらせたのでトドメを刺すために200円目を投入。


「おぉ・・・すげぇ・・・」


鳴海さんの声が聞こえる。

私はボタンを慎重に操作する。

ウィーン。ガタンッ!

ゲットだぜ!

意外とあっさり取れてしまったためか鳴海さんは驚いている。

店員さんに袋をもらってその中に入れる。

実際に持つとやっぱり重いな。


「はいどーぞ」


鳴海さんの前まで行き袋を渡す。


「ありがとう・・・ホントにありがとう!!」

「ちょっとキモイです!」


長谷川と鳴海さんの違いはこの気持ち悪さにあった。

鳴海さんは感情を制御できない人だった。


「いやー!超嬉しいわ!ありがとう!」

「どういたしまして。そういえば長谷川遅いね」

「隆夫ならたぶん・・・ほらいた」


すこしキョロキョロして探したらすぐに見つかった。

これが双子特有の『互いの居場所がわかる』ってやつなのか?

二人で長谷川のもとに向かうと、謎のギャラリーが出来ていた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いちゃってもいいですよ?


かなりラブコメ要素が強くなってきました。

この二人(今は三人ですが)はどうなるのでしょうか?

実は今作もキャラクターたちがあいかわらず大暴走しております。

一番困っているのは僕ですが、みなさんは笑いながら見てやってください。


では次回もお楽しみに!

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