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オタトーク

私と長谷川は高校から歩いて20分ぐらいのところにあるロッテリアに入った。

互いにロッテシェーキを奢るか奢らないかでレジでもめたが、結局私が押し切って奢ってやった。

ちょっとした満足感。

そしてカウンター席についてロッテシェーキを一口飲む。


「なんかありがとな」

「なにが?」

「わざわざこんなとこまで歩かせたし」

「いいよ別に。私も楽しかったし」


歩いてる間はずっとジョジョとかアニメの話をして盛り上がっていた。

好きなガンダムの機体とか好きなスタンドとか好きなシーンとかとか。

とにかく盛り上がって話していたら20分はあっという間だった。

気がついたら目の前にレジがあった感じ。

長谷川に至ってはお店の前に着いたときにびっくりしたらしく「ボスの仕業か?」ってつぶやいてたし。


「久しぶりにあんなに喋った気がする」

「長谷川ってあんなに喋るんだね。ちょっと意外だった」

「まぁ普段はそんなに話の合う奴がいないからな。話すネタがないんだ」

「あーそれちょっとわかるかも。私も明子以外とは全然話さないもん」


まぁ明子と長谷川以外に信用できる人がいないのもまた事実なんだけどね。

実は正樹のことがあってからちょっと人間不信になってたりする。

あれから明子と長谷川以外の人とうまく話せないでいる。

そんなことを長谷川に知られたくないから隠していくつもりではいる。


「吉野は暗いからな」

「・・・ホント?」

「なんだ。気づいてなかったのか。かなり話しかけにくいオーラを出してるぞ」


全然気付かなかった。

そういえば正樹と初めて話したときも、そんなことを言われた気がする。

でも普通に話しかけられても、話すことがないから別にいいけどね。


「それにしても長谷川ってズバズバ言うよね」

「こーゆー性格だからな。嫌なら治す努力はするぞ」

「努力だけかい」

「努力だけだな。たぶん治らないとは思う」

「ふーん。まぁそれが長谷川らしくていいんじゃない?」

「そう言ってもらえると助かる」


横目でこちらを見ると長谷川がわずかに微笑んだ。

正確には口角をほんの少し上げて目をほんの少し細めただけ。

私は長谷川の無表情とストーカーの時のあの謎の演技の表情しか見たことがなかったので、とても新鮮だった。

というより・・・かなりときめいた。

長谷川ってあんな表情するんだ。

かなりドキドキしてると思う。

今のこの中途半端な気持ちを揺れ動かすのには十分だった。


「どうした?」


今度はちゃんとこちらを向いて聞いてくる。


「な、なんでもない!」

「疲れたんじゃないか?さすがに休み明けにこの距離は遠かったとか?」


なんでそんなに無表情で聞いてくるかなぁ。

逆にすごいよ。


「大丈夫。大丈夫ですから。疲れてないし楽しいから大丈夫」


私は手を前に出して大丈夫ですアピールをした。


「そうか。ならいいんだ。俺も楽しい」


表情こそ無いけど、長谷川がとても楽しそうなのはなんとなくわかる。

話してる時も声が少し弾んでるし、それになによりよくしゃべる。

好きなものに対して熱く喋るのはオタクの特徴だよねー。

多分私という共感してくれる人間がいるから、いつもよりも更にしゃべっている可能性もある。

まぁ全部私の勝手な妄想だけどね。


「今日はありがとう」

「え?何、急に」

「いやホントは来てくれるとは思ってなかったんだ。加藤のことがあったから、男とは話すのも嫌になるくらい男性恐怖症とかになってるかと思って」


だいたいあってるんだけどね。


「でもせっかく出会えたジョジョ仲間だから思い切って誘ってみたんだ」

「長谷川にはたくさん借りがあるしね。断るわけにはいかないよ」

「そうだったのか?これは借りを返すために来てくれていただけだったのか?」


やばっ。なんか変な言い方になっちゃった。


「いや、そういう意味じゃなくて、私が来たいから来んであって、別にやましい気持ちは」

「やましい気持ち?」

「あ、いや、違う!もーなんて言えばいいの!」

「逆ギレはやめてくれ」

「別に怒ってないわよ!なんだかんだで長谷川にはお世話になったから、長谷川に恩返しがしたいの」


自分でも何がいいたいのかわからなくなってきた。

このままだとあることないこと言ってしまいそうだ。


「わかった。無理に言おうとしなくていい。実は今日誘ったのは、吉野が奢らせろってクラスまで来たときに様子が変だったから、こんな話をして忘れてもらおうと思ったからなんだ」

「え?」

「吉野は自分では気づいていないかもしれないが、とても危なっかしい人間だと俺は思う」

「どういうこと?」

「加藤の時だってホントに死にそうな顔をしてたし、今日だってクラスに来たときにクラスの女子に話しかけられて固まっていただろう?」


やっぱり気づいてたんだ。

長谷川は私のことを見すぎだと思う。

そんなんじゃ好きって勘違いしてもおかしくないよ。

もうかなり好きってほうに傾いちゃったじゃないかコノヤロー。


「放っておいて前みたいに休まれても困るし、ましてや自殺とか考えられても困る」

「さすがにそこまでは・・・」

「だから自分では気づいていないって言っただろ。そういう意味で吉野は危なっかしい人間なんだよ」


ホントによく見てるな。

観察能力に優れすぎでしょ。

ジョルノかよ。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると頑張れます。


次回、新キャラ登場します。


ということで次回もお楽しみに!

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