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決意

「ちょっと!じろじろ見ないでよ!」

「見ていない。マンガのタイトルを見ていただけだ」


部屋に入るなりジロジロとストーカーが漫画をおいてある棚を見ている。

私は勉強机の椅子、明子はベッドを背もたれがわりにして床、ストーカーにはクッキーの大きいクッションを貸して本棚の前へと、それぞれが座った。


「意外と少ないんだな」

「「!?」」


私と明子はびっくりして顔を見合わせた。

女子高生の部屋にしては多いと思っていたんだけど、少ないとか言われたのは初めてだった。

明子情報によると『私が今まで見てきた女子高生の中でも一位二位を争うような多さだ』ということだった。

特大の本棚2つ+αがあってもまだ少ないと言うのか。このストーカーは。


「そ、そんなに少ないの?」

「あ、いや、吉野君子のあのネタの引き出しの量からしたら少ないなと思っただけだ」

「そーゆーことか。私はガンダムとかはレンタルしたりして見ただけだからさ。でもジョジョは全部持ってるよ」

「あぁ。俺も全巻持ってる」


私にとってジョジョは心のバイブルだ。

しかもこいつもジョジョラーだったとは。


「だよね!面白いよね!・・・って何しにきたんだ!」

「アハハハハ!!」


明子が突然笑い出した。


「な、なにさ!」

「いや、思ったより元気そうでよかったよ」


目を拭って笑いながら明子は言った。

そういえば落ち込んでたことを一瞬忘れてた。


「・・・うん。まぁね。来てくれてありがと」

「もう大丈夫なの?」

「大丈夫かって言われると微妙だけど・・・そりゃ正樹のこと思い出すとちょっと悲しくなるし、泣きたくなるよ?でも今日だけで明子にストーカー男に一美にお母さんまで心配してくれてさ。こんなに迷惑かけてるようじゃダメだと思ったんだよね。だから正樹のことはもう忘れるよ。あ、でも忘れるっていうのは無理だけど、次に会ったらぶん殴ってやるぐらいの気持ちで生きていくよ。ってさっきおにぎり食べながら考えてたんだけどね」

「それでこそ私の君子だ!」

「ごめんね。明子」

「気にすんな」

「あとストーカー男もありがとね」

「俺も気にするな。あとストーカー男って言うのはやめてくれ」

「だって名前知らないんだもん」

「名前知らないって・・・何回も名乗ってるだろ」

「だって興味なかったんだもん」

「なら・・・今はあるってことか?」

「・・・ちょっとね」


・・・恥ずかしいこと言わせんな。アホ。


「そうか。長谷川隆夫(はせがわたかお)だ。よろしくな」

「長谷川ね。よろしく。私は吉野でいいよ」

「吉野だな。じゃあ俺と付き合ってくれ」

「だが断る!」

「そうか・・・なら友達としてよろしくな」

「・・・ホントに好きなの?」

「いや、特になんとも思ってないかな」

「「そうなの!?」」

「まぁ知り合い以上恋人未満かな」

「なんなんだよ・・・」


こいつにちょっと興味を持ってしまった私がちょっと恥ずかしいよ!


「あれ?君子?顔赤くな~い?」

「そ、そんなことないよ!」

「やっぱり吉野はちっちゃくてかわいいなー」

「ちっちゃくないよ!ってゆーかちょいちょいネタを挟むな!!」


三人でアハハハと笑いあった。



この出来事をきっかけとして、私はストーカー男・長谷川隆夫に好意を持つことになった。

念のため言っておくけど、別に好きになったわけじゃなくて、興味をもっただけで恋愛感情とかはとくにないからね。

ツンデレじゃないからね!

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると執筆意欲が高まります。


さてさて。長かった鬱ターンも終了となります。

次の話からは僕の暴走回(ラブコメ展開)となります。

鬱のターンはまたしばらく間を置いてからにしようかと。


というわけで次回もお楽しみに!


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