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私の彼氏は首なしダンサー  作者: 桜森よなが


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第10話 まこりんと幽霊たち、バズる

「うう、体、だる……」


 朝、げんなりとした気分で登校する。

 脚が筋肉痛だからだ。


 ヨボヨボのおばあさんみたいによろよろと歩いていると、通りがかった子供に「ママー。あの人、歩き方変ー、なんでー?」


 なんて言われてしまう。

 その子と手をつないでいた母親が、その子の頭を軽く叩いて、


「たーくんっ、だめよっ、そんなこと言っちゃ、ごめんなさいね、あなたも、その、いろいろと、大変なのよね、がんばってください」


 なんて同情的な目を向けられてしまう。

 なんか深読みされてそうな気がする。ただの筋肉痛ですよ?

 

 ああ、もう、私がこんな目にあってるのも、昨夜のランニングのせいだ。

 あの後、さすがにもう夜遅いし、私が疲労困憊だったから、花子さんや赤崎君に帰った方がいいと言われた。

 お言葉に甘えて帰宅すると、すぐにご飯を食べて、お風呂に入って、寝た。

 明日、筋肉痛になっていそうだなって思ったけど、朝起きたら、やっぱりそうなっていた。


 うう、もう絶対、ランニングなんてしない。某ドーナツ屋さんのゴールデンチョコレートをくれたとしてもやらない、ゴ〇ィバのチョコレートだったら考えてあげてもいいかも。


 ああ……筋肉痛が辛くて、普通に歩いているだけでもしんどい……。


 筋肉痛の足をひきずり、ひっひっふーひっひっふーとラマーズ法のような呼吸をしながら歩いて、学校へ着き、教室に入ると、妙に騒がしかった。


 教卓の周りに、重黒木さん、白岸さん、データキャラの緑原さん、高身長女子の黄山さん、あと名前もよく覚えていない男子と女子たちが集まっている。


「白岸さん、これやばくなーい?」

「ねー、ほんと、やばい、やばすぎ、やばい!」


 なんて相変わらず頭がやばそうな会話をしている重黒木さんと白岸さんの近くへ行く。


「何がやばいのよ」

「あ、まっこりーん、おはー、実はねー、この動画見てよー」


 と白岸さんがスマホの画面を見せてくる。

 そこには、昨夜、グラウンドの周りを走っている、珍妙な幽霊の集団と私がいた。

 

 私がそれを見て、だらだらと汗を流していると、


「これ、うちの学校のグラウンドだよね? やばくない、この幽霊たち?」


 と白岸さんが言うと、重黒木さんも興奮した様子で、


「やばいよね、今この動画、すごい再生数回っててね、ダベッターでもトレンド入りしてるんだよ」


 嘘、そんな事態になっていたなんて……。

 めまいがしてくると、重黒木さんが幽霊の集団と一緒に走っている私を見て、


「ん? よく見たら、この子、まこりんに似てない?」

「そう? あ、でも、確かにちょっと……」


 と白岸さんが私の顔とスマホの画面を交互に見る。


「い、いやいや、私のわけないじゃん、その時間は家でハーブティーを飲みながら、優雅に読書をしていたわ」

「だよね、まこりんはこんなブサイクじゃないもんね」


 と重黒木さんが頷きながら言う。


「うん、この女の子、ひどい顔してるもんね、まこりんはもっと美少女だよ」


 と白岸さんが笑顔で言う。


「二人とも、まこりんがこんなやばい顔の女なわけないでしょ、さいてーよ、あなたたち! まこりん、気を悪くしないでね?」


 私たちの話を聞いていたようで、データキャラの緑原さんも怒りで顔を赤くしながら会話に加わってきた。


「そうだよ、白岸さんも重黒木さんもいくら仲のいい相手だからって、言っていい冗談じゃないよ、それは! 大丈夫、鈴木さん、傷ついてない?」


 高身長女子の黄山さんもこちらに来て、心配そうな顔で言ってきた。


「う、うん、大丈夫、き、気にしてないよ」


 と言うと、四人は安堵した顔になったけど、今のは嘘だよ、大丈夫じゃないよ!

 その幽霊たちと一緒に走っている女の子は、私だよ、まったくもう! 

 その時は死にそうになりながら走ってたから、我ながらひどい顔してるけどね!

 まぁそのおかげで私だとばれなくてすんだようだけど、でも、複雑な気分……。

 四人とも悪気がないかんじなのが、余計にグサグサくる……。

 

「あ、ところでさ、私の家、今週の日曜なら空いてるけど、来る?」


 と黄山さんが言うと、重黒木さんがテンション上げ上げになって、


「行く行く、あと一週間で世界が滅んだとしても行く!」

「私も行くわ、トラックにひかれて死にそうになっても行くわ、イケメンのお兄さんに会うために!」


 白岸さんも目をギラギラさせて言う。

 二人とも、相変わらず欲望を全く隠そうとしないな……。もはや清々しさすら感じるよ。


「鈴木さんは日曜、大丈夫?」

「あ、うん、大丈夫、私も行くよ」


 私の返事を聞くと、黄山さんが緑原さんの方を見て、


「緑原さんもよかったら来る?」

「私はいいわ、まこりんと二人きりなら、どこかに行ってもいいけど……」


 と上目遣いで私の顔を見てくる緑原さん。

 私がサッと目を逸らすと、ガーンとショックを受けた顔になった。

 黄山さんがそんな私たちを見て、苦笑いをしている。


 とにもかくにも、彼女の家に行く日が決まった。

 白岸さんと重黒木さんほどではないけど、私もイケメンのお兄さんに会うのが楽しみだ。

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