休み時間 1
『ねえねえ「たけちゃん」のおばあちゃんのUチューブ見たけどすごい、バズってるじゃん』
休み時間に、友達の由有子の「ゆーぼう」から、声を掛けられた。
「たけちゃん」は宮竹の「たけ」に「ちゃん」をつけたよびかた、幼稚園からこの呼び名で、呼ばれている。
『今度、(金の盾もらえるまで、生配信!)とかプレミアついてたよ。』
手には、スマホの配信待ちの画面を私に見せながら。
本当は学校には持ってきてもいいけど、緊急連絡用でしか、使っちゃいけないことになっているけど。ほんとうは。
『えー、たいしたことないよ、それに正確にいうと、おばあちゃんじゃなく、ひいおばあちゃん。』と「ゆーぼう」に訂正した。
私のひいおばあちゃんは、昔から、編み物がすごく上手で、色んなコンクールの優勝の常連で、お家でも、教室も開いているの。
それでも飽き足らずに、Uチューブで(世の中は、編み物でできている!)なんて、チャンネルを開設してて。
なんだかたまたま、お笑いのUチューバーっていうのかな、その人の目に留まり、コラボしたら瞬く間に、色んな有名人の方々とコラボする事になって、今度、金の盾も狙えるんじゃないか。
と、言った勢いのバズり方をしているみたい。
でも、わたしは、そんな有名になる前からずっと大好きな、ひいおばあちゃん。
だって、お母さんと二人だけになった時、『あたしの家に来な!』といって、お母さんと私を住まわせてくれて、お母さんが、夜遅くまで働いている間も、お母さんの代わりに私のごはんや、家事をずっと手伝ってくれた。
そんな、ひいおばあちゃんの傍にはずっと、毛糸の玉とか、棒針とか、かぎ針、編み図があった。
ある時、編み物をしている、ひいおばあちゃんに聞いてみた。
『おばあちゃん、そんなにチクチク細かい作業、疲れない?』
すると、ひいおばあちゃんは『つかれるもんかい、こうやって、一針一針思いを込めて編んでいるからね。』
『思い?』
『そう、編み物は、自分の為じゃなく、着てもらったり、使ってもらったりするものが、そのほとんど。その人の喜んだり、着てもらったりする姿や、表情を想像して、その人のために、思いを編んでいくんだよ。』
そう言って、パッと編みかけた、編み物を広げて私の両肩に当てて。
『おおきくなったねえ。』と一言いって、また編み物を続けた。
その時、私も編み物をしようと初めて思った。
『この配信中で金の盾、取れたらいいね。私ずっと見て応援してる』と「ゆーぼう」。
『応援ありがとう、ひいおばあちゃんきっと喜ぶと思う、伝えておくね。「ゆーぼう」の名前も、配信中に言ってもらうように頼んでみる。』そういうと、とっても喜んでくれた。
でも、わたしにとっては、金の盾なんかよりも。何千回、何万回、再生回数が回っても私にとっては金どころじゃない、レッドダイヤモンドをあげたいくらい、それくらい大好き。ひいおばあちゃん。
目を通していただいて、感謝いたします。有難うございます。




