大団円 1
光る鍵の力で偶然にも過去行くことが出来た。
松根さんは、
『あんな昔に行くことが出来るなんて、』
『そうそう、でもトラックとか、大きな機械なかったね、みんなスコップしか持ってなかった』
と、百合川さん、
『いっぱい人がいて、学校作ってたね』
宮竹さんがコップにジュースを注ぎながら言った。
とりあえずみんな、僕の家に集合する事になり、
園芸部のみんな、そして新たに龍田姫も加わることになった。
僕たちが行ったあの時代、そこには今僕たちの通っている小学校が建てられる途中の、明治時代での人々の並々ならぬ思いがすごく伝わった。
そして、今、学校や公園での異変の関係性が分かった。
時間の折り重なった思いが、やはりパワーになっていたんだと。
それは、龍田姫の行き過ぎた、僕たちと佐保姫への嫉妬が引き金となっていた。
しかも、パワースポットであった学校のパワーバランスが崩れたことが重なって、学校や公園の蓄積されたみんなの思いが、ねじれてしまい、人々を締め出し始めたと言う事らしい。
モモちゃん先生が、
『佐保姫、龍田姫、じゃあ解決策はあるのかしら』
と、問いかけても
解決するにはどうしたらいいのか、二人ともそれはさっぱりわからないでいた。
ぼくは、『とにかく、全国にまだ、学校に閉じ込められている人がいるかもしれない、その人たちを助けなきゃ』
とみんなと、姫二人に言った。
『そう、弟の様に閉じ込められている人がいるかも。』
と、松根さん。
『でも、どうやって行くのかえ』
と佐保姫、
『タイムリープが出来たのなら。』
と僕。
『テレポテーションもできるかも。』
と百合川さんが、宮竹さんが注いでくれたジュースを一気に飲み干して、言った。
『良いアイデアじゃない、』
宮竹さんが、またジュースを注ぎながら言った、
そしてもう一度学校に戻り、僕たち園芸部と先生、佐保姫、龍田姫は光る鍵の力で全国各地で似たような現象の学校に飛び、閉じ込められている人々の救出に向かった。
タイムリープが出来るなら、テレポートもできるんじゃないか、という予想は当たり、予想通り光る鍵の一つを物置の錠に差込み解錠すると、どこかの市の小学校にテレポートした。
ある学校では、体育館、ある学校では保健室、学校によってその、場所は違うけれど閉じ込められた人はいた。
幸運にも、休日に現象が発生した事、地域が限定されていた事もあり、閉じ込められた人の数は少人数だった。
そのこともあって、思っていたよりほとんどの学校の救出はすぐに終わった。
救出する度、校門の前でTV局の人や、警察や、消防の人に取り囲まれそうになったのは困ったけど。
終わりかけた頃、僕は佐保姫に、
『もしかしたら、タイムリープや、テレポート以外の事も出来るんじゃないかと、』
聞いてみたけれど、なんだか少し困ったような顔をしていたのが印象的だった。
というのは、救出は済んだけど、まだ、根本的な解決になっていない、学校に入れないでいるのはそのままだったから。
もう一度、どうしたらこの状況を解決できるのか僕の家に再び集まった。
お母さんは相変わらず、『あらあら、こんなにも、義娘候補がいっぱいいてお母さん嬉しいわ』
と。
『何言ってるの、お母さん』
と僕が顔を真っ赤にしながら言っているのを、女子3人がニヤニヤしながら聞いていた。
その時、家のインターホンが鳴った。
お母さんが玄関で、
『どちら様』
と、お客さんの応対の声が漏れ聞こえていた。
『後藤君のお宅ですね』
男の人の声。
暫く何かごにょごにょ、話し合っているような声が聞こえたかと思うと。
『コーちゃんお友達』
と、お母さん。
『友達?』
特に、遊ぶ約束や、サッカーの練習の約束はしていないのに。
と思いながら、玄関に向かった。
玄関に行って、こけそうになった。
と言うのも、黒いサングラスに黒い背広を着た男の人と女の人が二人、ズンと立っていたから。
『こんな人、友達じゃない。』
と僕が言うと、
お母さんは、
『あらあら、「後藤君いますか」って聞いてきたから、お母さんてっきりお友達と思ったわ』
相変わらずなお母さんに、僕は。
『こんな大人の友達が、いるわけ無いでしょお母さん!』
騒ぎを聞きつけて、どうしたの、と言いながらみんな玄関にやってきた。
黒サングラスのお姉さんは、やってきた園芸部員と先生、多分見えてないであろう佐保姫、龍田姫に向かって。
『あなた方が、桃田先生、松根さん、宮竹さん、百合川さんですね』
と言ってサングラスの奥の瞳が光った。
『私たち、この子たちに何か用ですか』
とモモちゃん先生。
黒サングラスのお姉さんは、
『申し遅れました、我々は首相官邸直轄内閣調査室分室《しゅしょうかんていちょっかつないかくちょうさしつぶんしつ》の者です、ヘリコプターを用意していますので、皆さんどうかお越しください。』
『どこへ行くんです?』
と先生。
『首相官邸特務室です。』
『首相官邸?』
と一同。
一拍置いて、
お母さんが一言。
『あらー遠い所。』
お母さん、少し黙ってて下さい。と僕は心の中で叫んでいた。
拙作に目を通していただき有難うございます。




