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知らない人の個性は

 研究室ってなんだろうね?そういう所初めて入ったから分からないだ。

 これが正しいのか。


 床なんでこんなにフワフワ?観葉植物かと思ったけどアレ止まり木だよね?なんで?鳥いないよ?


「寝転がれるからに決まっているだろ。ずっと椅子に座り机に向かって黙々と何かをするつもりはない。止まり木は・・言うな。悲しくなるから。」


 何したコイツ。そして、だらしない。いや環境は自由か?でも机無いのはおかしくない?


「紙に記録を残したくない研究が多いんだよ。じゃ依頼の品、ゴーレムの核なんだがね。出来るだけ傷をつけないで持ってきて欲しいんだよ。多少は構わないよ。」


 ズボラだろ?なんかどっかで聞いたような依頼だね。何に使うの?


「錬金の素材だよ。ある薬剤を塗布して錬成すると液状化するんだよ。それをインクにするんだ。このインクは特殊な魔法陣を書くのに使われるんだ。」


 やっぱズボラ?それなりに使いそうな核が無いとかさ。


「違う、特殊な魔法だからね。精密な魔法陣はこれじゃないと無理なんだ。ゴーレムみたいな鉱物系のモンスターの核は相性が良くてね。ちなみに錬成前の核に傷があると品質が落ちるけど私は大丈夫なのだよ。腕がいいからね」


 自信満々に言われてもね。知らんし。ここでやるの?


「まさか。実験室が隣の部屋にあるからそっちでやるよ。」


 ここ私室だろ。でもさそれって冒険者に言えば終わりじゃない?俺いる?


「私の採取の依頼は何回かに分けて依頼するんだけど、冒険者パーティは固定だからね。早めに仲良くなっていれば後がスムーズに行くだろ?」


 ふーん。その冒険者パーティは?ギルドで落ち合う感じ?


「いや、この部屋にそろそろ来るはずだ。キミは私の隣にいてくれ。」


 *     *     *     *


 コンコン


「入ってくれ。」


「遅くなりました。クライスただいま参りました。」


 そう言って2人の男女が入って来た。


「あまり固くなるな。おや?見ない顔が居るが増えたのか?」


 ソフィアの問にクライスと名乗った男性が隣にいた女性を見てはにかんだ。


「はい。数日前に。彼女は「アリスって言います。あなたって学術都市の市長の娘なんでしょ?凄いですねー。あとエルフなんでしょ?耳見せてよ。」


 おー、ソフィアさんの眉ピクピクしてる。

 なんか久々に眉ピク見た。


「そ、そうか。確かに私は娘だが・・。そんな話しよりも依頼の件なんだがね。」


「えー話したいのに。まぁいいか、市長の娘の依頼なら依頼料期待出来るしね。」


 あーあれだよね?歯に衣着せぬというか図々しいというか。確かに見た目可愛いよ?

 ピンク強めのブロンドの髪に小顔で目鼻立ち整ってるから。でもなんかなー。


「君は何?あんまり見ないでよね。何かブツブツ言ってるし。」


 嫌いだわー


「アリス、今は依頼の話しをするんだよ。君も女性をジロジロ見るものじゃないよ?」


 こいつも


「兎に角、何回かに分けて依頼すると言っていた1回目の依頼なんだがね?ゴーレムの核だ。核はいつも通りに。ただ今後の依頼は少し細かくなる。その為に私の指示をこのユウに伝える。依頼にはユウを連れて行ってくれ。」


「指示は都度私に伝えたらいいのでは?護衛もとは聞いていませんでしたよ?流石に足手纏いが居ると依頼の難易度が上がりますよ?」


「出来ないと?ならいいよ他に頼む。依頼の細かい内容は言えないんだよ。」


「出来ないとは言っていません。ただ・・。いえ、いいです。」


 クライスがソフィアに苦言を呈するが呆気なく返り討ちに会い渋々受諾する。


「なんか感じ悪ー。市長の娘だか知らないけどさー。上から目線過ぎー」


 ねー?っ痛い


「じゃ、よろしく頼むよ。今後の事もあるからユウとは仲良くしてくれよ。」


 無理じゃね?


「はぁ分かりました。君、他の仲間と合流するからギルドに行くよ。」


 へーい。


 *     *     *     *


 ウエスタン調。そう言えばフリューゲル王都のギルマスが冒険者ギルドの建物はコレで統一みたいな事言ってたね。

 でも地域毎の特色はあった方が来る側としては新鮮味が出ていいと思うんだけどね。


 2人に付いて中に入ればそこに3人の男が居た。なんかガタイのいいツンツン頭。メガネクイってしそうなメガネ2人。


 2人ってキャラ被り。こういうのバラバラにするべきだろ!?パーティ内で被るなよ!!個性出せよ個性。


「おいっ!!言われてるぞ?その通りだよな!?」


「五月蝿い。個性なんて可変なんだよ。見分けが出来れば問題ない。」


 出来ないよ?メガネ。


「メガネを個性として見ているからだ。お前の言う個性は主観的過ぎる。目を養え。」


 それ貴方の感想ですよね?って言われた感じ?否定出来ない。じゃあのメガネは屁理屈メガネとする。もう1人は喋らないなら無口メガネでいいか。


「何やっているんだ?依頼を聞いて来たから共有するよ?」


「それは分かったがよ。そいつは?」


 ツンツン頭はなんだろ?アレ?むしろこの人の方が個性無いな。屁理屈メガネは正しい。


「彼は依頼に同行する人だよ。指示をソフィアさんから聞かされてるんだよ。」


「・・護衛対象になるのか?」


 傷ついてそう。繊細なトゲとしよう。


「多分ね。君の冒険者ランクは?」


 クライスさんがランク聞いてくるけどさ、

 ランクって何?てか傭兵よ?


「冒険者でも無いの!?最悪!!傭兵って底辺じゃん!!」


 じゃかぁしい。うるさピンク


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