地獄行き②
憑依されるのは怖くないと道上は思っている。なぜならば幽霊と仲良くなれるチャンスがあるかもしれないからだ。今現に何十体もの幽霊が憑いている。かなり仲が良くみんな出たり入ったりを繰り返しているらしい。自分が自分で無くなる感覚がとてもたまらないのだ。世間的に言えばドMなのだろうが自分はそうは思わない。
「ここが例の病院か」
「お前は見習いだからな」
呪術師の見習いをやっている。少し視えるからといって何も出来ないのだが……
廃病院に来た。師匠の五條覚は特別級の資格を持つ超エリート。なぜ彼が師匠なのだろうと現実味があまりないのである。
廃病院に入っていく厚木にあるでかい廃病院だ。通称K廃病院と言うらしい。電気もついてるのがあるがどれもパチパチで黒い。そこには幽霊がいるのではないか?と思ってしまう。
「邪級霊を祓う。例えばほらあそこ。蛍光灯の下。駐車場に早速いるよ」
邪級霊とは特別に強い幽霊、怪物の事で見た目は様々。怪物の格好をしてたり髪の長い幽霊の格好をしてたり……ちなみに、1番低いのは低級霊。1番祓い安い。
「お前に幽霊が憑依して俺が祓ういいな」
「おう」
五條は「最強だから大丈夫」と言い一二三四五(指も動かす)で蛍光灯の下にいる黒い幽霊を道上の体に移動させる。憑依だ。道上は暴れていた。
「大丈夫、大丈夫。怖くなーい怖くない」
「これ、強い」
五條は忍法の真似をしたかと思ったら消える。瞬間移動だ。かなり強い霊。この世に未練があるらしい。
「殺したーい殺したーい」
道上が変な事を喋り始めた。
「誰を殺したいんだ?」
「親だよ」
道上の髪の毛は黒いロングになってしまう。手もゾンビみたいになってしまい人間か解らなくなってしまっているのだ。
「親が憎いか」
「あぁ、殺し損ねた」
戦いながら会話をする様はカッコイイと言うかなんと言うか……語彙力がなくなってしまうほどの戦闘だ。感想が上手く言えない。
派手な爆発もし緑と黒を合わせると虹色になるわけないのだがなってしまう。科学の薬か何かだろうか?いや、それ以上の何かだ。
「御札っ!」
道上の頭の上に御札。キョンシーみたいな感じになった。動きもそれらしくなってしまった。
「あ……?」
「どーした、見習い夢でも見てたか」
「あぁ、なんとか、な……」
鳴門もヤレヤレと言い眠りにつく。駐車場でこれか廃病院の中に入っていった。