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ユウマイ冒険譚〜奴隷から冒険者になる〜  作者: れたろ
第二章 カラバリの町
8/10

最後の稽古

第二章に突入!

今後の展開にご期待下さい!

ガタンゴトンと揺れる。馬車に乗り次なる龍神の石像があるカラバリの町へ向かう一行。ギョウさん達との旅の終わりはもう近い。それを日を追うごとにじわじわと感じる。寂しいし正直不安だ。だが前回の出来事で、僕達以上にみんなは不安や恐怖を感じているんだ。と思い、決して言葉にはしなかった。


ユウ「あっという間に後1日でカラバリの町ですね。なんか鍛錬ばっかであっという間でした!」


ギョウ「そうだな!本当に短期間でよく成長したよ!あとは日々の鍛錬でもっともっと成長できるはずさ!別々の道に行くことになっても、怠るんじゃあないぞ!」


マイ「ギョウさん!私もいっぱい成長したんですよ!特異の制御も少しずつ慣れてきたんです!こんな感じに・・・」


魔法を見せようとしたマイを全力で止めるギョウさん。


ギョウ「マ、マイ!君もよく成長したな!だが今は見せなくていいぞ!あとで見てあげよう!」


満足げなマイと、死の危機を回避したんじゃないかってほど、安心したように息を吐くギョウさん。実際マイは鍛錬で何回も魔力を暴走させ、僕達は何度も死にかけた。。。


ギョウ「まあでも。本当に二人とも成長したよ。シルバー冒険者だったらすぐにでもなれるだろうさ!」


ユウ「なんだかギョウさんに言われると本当になれるような気がします!」


そう素直に喜んでくれるユウ達がギョウさんは可愛くて堪らなかったのだろう。僕達に「頑張るんだぞ!」と言いながら頭を勢い良く撫でてくれた。


馬車を止め、簡易テントを作り今日は休むことになった。明日にはカラバリの町に着くため、今日が最後の鍛錬となる。今まで以上に集中していたユウ達の前にギョウさんとメントゥスが現れる。


ギョウ「だいぶ集中しているな!今日は俺達から君達に稽古をつけられる最後の日だ。最後は連携の稽古でもしようじゃないか!」


メントゥス「それで僕が呼ばれたってわけ。君達の最後の稽古は二人で協力して、僕に一撃を当てる事。なんでもありだから好きにかかっておいで。」


ギョウ「ちなみにメントゥスは、もとプラチナ冒険者だぞ!実力はこの組織内で俺の次に強いぞ!思考を凝らし、一撃与えることだけに全力を注がないとまず当てられないだろうな!」


大きな声で笑うギョウさんとは裏腹に、聞いた内容だけで言うとほぼ不可能とも言える稽古に、唖然とするユウ達。そして少し離れた開けた場所で稽古は始まった。


ユウ「マイ。恐らく前みたいに拘束魔法はまず避けられる。かといって僕の剣では恐らく攻撃を当てられない、と思う。当てれる可能性があるとすれば・・・」


作戦を立て、決まった様子の二人は。動きだす。身体能力強化を全身に付与し、メントゥスに向かい斬りかかるユウ。いとも簡単に躱され蹴り飛ばされるが、すぐさま次の攻撃に転ずる。後方からマイの小さな雷の矢を複数飛ばす攻撃魔法「ライ・アローレイ」がメントゥスに放たれたが全て避けられ、それに合わせたユウの攻撃も全て躱される。


メントゥス「いい連携だ!だが僕に一撃を与えるには、もっと速く、もっと柔軟な発想がないと、何回やっても無駄だぞ。」


大きく息を吐くユウ。マイに何か合図を出す。マイは魔力を集め始める。ユウは時間稼ぎをするかのように再度攻撃を開始する。


メントゥス「何を企んでいる・・・。まあいい!やってみろ!」


マイ「兄様!行けます!」


その掛け声で、一旦退くユウ。マイが魔力を解放するとあたり一体が氷に変わる。


メントゥス「なんだこの魔法は・・・。初めて見るな。」


マイ「私が考えた魔法です!是非堪能してくださいませ!」


メントゥスが一歩踏み出した瞬間。氷の棘が足元から出現した。メントゥスは飛んで避けるが、着地した場所からも氷の棘が出現する。しかしとんでもない動きでその全てを躱す。しかし一際大きな氷の棘が出現し高く飛び上がるメントゥス。待っていたかのように足に強化魔法を集中させ、メントゥスに斬りかかるユウ。


メントゥス「なかなかだが!詰めが甘いな!」


空中で剣を躱す。だが躱されたユウの先に岩の足場ができていた。それを足場にもう一度斬りかかる。


メントゥス「大丈夫だ。剣の間合的に避けられる。いい手だったが惜しかったな。」


しかし衝撃の光景を目の当たりにする。


ユウ「マイ!エンチャントを!」


マイ「はい!兄様!」


風のエンチャントが剣に付与され、剣先が伸びる。避けられたはずの一撃は不可避の一撃に変わる。腰に刺さっていた剣を抜き、ユウの一撃を受け止めるメントゥス。


メントゥス「・・・見事だ。稽古終了だな。」


ユウ「メントゥスさん!稽古ありがとうございました!それにしても強すぎます・・・。」


マイ「マイの自信作全て避けられて、ちょっと心が折れかけました・・・。」


メントゥス「いや。実際あの魔法はすごかった。ある程度の型がある魔法は名前がつけられ、誰でも習得できるようになるが。あんな魔法は見たことがない。それに魔法はイメージというが、相当具体的なイメージがが無いと形にはならない。相手を限定し、自動で追尾する広範囲攻撃魔法なんて、そうそうできるものじゃないぞ。」


マイ「そうなんですね・・・。私はこうしたら面白そうだな!とかこうしたらいい魔法になりそうだなって考えると、頭の中に魔力の道みたいなものが見えるんです。それを辿っていくと、それが現実の世界で出来る様になってるんです。」


メントゥス「なるほどな。それももしかしたら特異体質が原因なのかもしれないな。使いこなせれば無敵の魔法使いにだってなれるかもな。」


メントゥスさんに一撃を与えることに成功した僕達。でもきっとメントゥスさんは殆ど実力を出していない事をユウは悟っていた。プラチナ冒険者。そしてこの組織のNo.2の凄さを、身に染みて感じていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

休憩地に戻ると、ギョウさん、コーラス、そしてガーディがいた。


ガーディ「聞きましたよ!メントゥスさんに一撃入れたって!まだまだ小さいのに!凄いなぁ!」


初めて話すが、嫌味のない明るい表情と話し方から悪い人じゃないとすぐにわかった!


ユウ「初めまして!僕はユウ!こちらは妹のマイです!ガーディさんの噂もたくさん聞いてます!どんな攻撃もガーディさんの前では無力!って感じに。」


大きい体に見合わない様に照れるガーディ。


ギョウ「正直無理だと思っていたが!君達は俺たちが思う以上に成長していた!これでもう何の心配もなく、君たちを送り出せそうだ!」


ギョウさんはそう笑って言うがユウ達は俯く。そんなに長く休憩できない為、テントに戻り眠りにつこうとする。でも近づく別れの事を考え、ユウは一睡もできなかった。準備を整え僕達は出発する。次なる龍神の石像がある町、カラバリの町へ。


ーーーーーそして僕達の真の冒険の始まる地。カラバリの町へ。


不穏な気配。。。

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