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花かんむりの眠る場所で 番外編  作者: 綾取 つむぎ
長編番外 人狼ゲーム
25/30

噓と狂気の宴【12】

二日目昼、終了。

二日目夜。


獣は、村を彷徨い、唸り声を響かせ――

占い師は、とある人を占い、正体を暴き――

霊媒師は、前日処刑された魂の本質を見抜き――

騎士は、村民を守る――――


そして、朝日は昇った。


二日目夜、終了。

三日目昼。


* * *


ざわざわ、と嫌なざわめきが聞こえ私、月乃玲明は目を覚ます。


ただ、何となく何があったのか、という予想がついてしまい、背筋に伝うひやりとしたものを感じながら手短に支度を済ませ、家の外へと出ると――――


「月、乃さん…………」


白杜さんは、真っ青な顔で。


他にいるのあや淡海さん、風夜さんといった数名は、そこまで悪い顔色をしていないながらも、みんなの中央にある、白い布に包まれた塊からは、目を逸らして何とも言えない顔をしている。


そうこうして、皆で沈黙の間を保っている内に、この場には峰さんを除いた全員が、集まっていた。


そして、その事実は「ある理由」から私の心臓をどくどくと異様なほどに早い脈を打たせた。


「…………会議場に、行きましょうか」


ようやっと絞り出したような風夜さんの声を聴き、数名がやっと冷静になり、一人で動くのが難しそうな白杜さん、そして端っこで蹲っていた如月さんを支えながら、皆でいつもの会議場へと移動することになった。


* * *


「確認が取れましたので、ご報告いたします。――本日の犠牲者は、峰叶斗さんでした」


薄々みんなが気づいていたであろう現実を、風夜さんが改めて言葉にし、私たちの前に突きつけた。


「そして、時間もだいぶ押してしまっていますので、このまま三日目の会議を始めさせていただきたいと思います」


しかし、感傷に浸る余裕など、私たちに残されてはおらず、すぐにでも議論にうつらなくてはいけなかった。

…………けれど、誰も言葉を発することはない。


占い師を騙る、淡海さんも結果の共有をしようとはしなかった。


私はそんな沈黙の間に耐えかねて、覚悟を決めると、言葉を紡ぐ。


「今日、占い結果について、言わなくてはいけないことがあります」


その言葉に、みんながはっと顔を上げ――


「…………取り乱しておりましたが、わたくしからも話さなくてはいけないことがあるのです」


淡海さんも、何か話すことがあると、私に続いて言葉にした。


「私から話してもよろしいでしょうか?」

「いいえ、わたくしも今日は譲れませんわ。後に言う方が圧倒的に不利ですもの」


今回はお互いの主張が被った。

しかし今回はことがことだけに私も引くことが出来ないし、どうするか……とにらみ合っていると、風夜さんが一つの提案をした。


「まず、占い結果や対象を選んだ理由は置いておくとして、二人で同時に占った人だけでも発表したらいかがでしょうか」

「確かにそれが一番かもしれませんね」

「…………えぇ」


私も淡海さんも、二人が風夜さんの意見に納得したためその案を使うこととなった。


「では簡単に私が掛け声をかけるので、二人とも誰を占ったかだけ、お伝えください。

それでは、せーの――」


風夜さんの声に合わせ、私も、淡海さんも同時に口を開き――


『――峰叶斗』

「………………え?」

「………………はい?」

『………………』


見事に、シンクロすることとなった。これには聞いていた村民全員が、ありえないとでも言いたげな顔でことらを見ている。


「…………えぇっと、淡海さんのいう「峰叶斗」さん、は今日犠牲になってしまわれた…………」

「……それ以外にいるはずもないでしょう」


一応、別人物の可能性を探り、問いかけてみるが、やはり見事に同一人物の峰さんなようだ。


「これは…………何が起こったといえばいいのでしょう……」


この奇妙な状況に、まとめ役を担っていた風夜さんでさえ、頭を抱える。


「……まず、一つ目の偶然として、二人の占い対象が被ったことだろ。

で、次に今日、あいつが死んだこと。……この二つがことをややこしくしている原因なわけだが……」


何があったとははっきり断定できないまでも、ことをややこしくする原因は、一条さんがまとめてくれた。


「とりあえず、なんで峰さんを占ったのかでも、聞いてみますか?」

「……そうですね」


まだ話すことのできなさそうな白杜さんと、如月さんを除く三名での議論の末、私たちが峰さんを占うことにした理由をそれぞれ述べてもらおう、という結論に至ったようだ。


「どちらから言いますか?」


風夜さんが問いかける。


「恐らく、こうして占い対象が被るということは、同じところに目を付けた可能性が高いので、理由もかぶるかと思いますが……」

「それはまぁ、今回の場合仕方のないことでしょう。一旦そこについては議論しないこととするので、とりあえず両方とも理由を述べるようにしてください」


風夜さんからのその言葉を受けて、私が返答を返す。


「それならば、私は後でも構いません」

「…………ということなので、淡海さんからよろしくお願いします」

「えぇ、ありがたくわたくしから話させていただきますわ」


そう言うと、淡海さんは席を立ち上がり、全体を見渡すと言葉を紡ぎだした――

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